- 2022年10月21日
50歳を前にしたおじさんがチラムネ沼にはまったからどうしたって話
あるラノベの話をしようと思う。ラノベとはライトノベルの略で……最初なので雑な説明を入れたけど、今回は読者置いてけぼりの……
ある人は言った。
人生は選択の連続だ。
本当にそうか?
人生は選ばれないことの
連続じゃないか。
本当にそうだ。僕はいつも「選ばれない」。
受験に落ちて、好きな人にはこっぴどく振られて、思ったとおりの仕事には今もつけていない。 自分よりも格好いい同業者には嫉妬するし、良い仕事をしている人を見るとあんな仕事をしてみたいと憧れる。
コピーライターの阿部広太郎さんが新しい本を書かれた。
コロナ禍の中オンラインで開催された公務員たちのイベント『よんなな会』でゲストとして来られた際に心を掴まれ、『心をつかむ超言葉術』『それ、勝手な決めつけかもよ?』と読んで、今日読むのは新著。
意外だった。「選ばれない」僕がそこにいた。
僕はコピーライターじゃない。アメフトもやってなかったし、コンペに参加したこともない。だけど、阿部広太郎さんの言葉を読み進めていくと、そこらかしこに僕がいた。
「黒歴史」などという。
一人ぼっちだった学生時代、好きな人に選ばれなかった過去、公務員の仕事に希望を持てなかったとき……第5章にまで進むと胸がグッと締め付けられるようになって、読み終えてふぅ~っと大きく息を吐き出した。
なんだか、僕が好きな小説を読み終えたような感覚だった。
あの日、選ばれなかった自分へ。
あの日、選ばれなかった君へ。
阿部広太郎さんが「選ばれなかった」エピソードと、そこから「選んだ」7枚のメモが、強烈な力で僕の背を叩く。
これは多分、阿部広太郎さんが自身のために書いた本だ。
黒歴史は闇歴史じゃない。自分の黒に光をあてるのは、自分自身しかできない。
自分に敬意を持って、闇に吸い込まれないように、自分の黒に光をあてる。
これからも多分、僕も「選ばれない」ことばかりだと思う。
だけども、光る黒を作ることはきっとできると思う。
新しい年度の始まりに本当に良い本を読んだ。
あぁ、本当に一度、阿部広太郎さんにお会いしたくなっちゃうなぁ。
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