- 2015年12月6日
加藤昌史「人の前に出る仕事の人へ。」常に上機嫌であれ
著者の加藤昌史さんと劇場で声を交わすようになって10年くらいになります。 上川隆也さんが以前所属していたことで有名な演劇……
昔と比べて読書量はかなり減りましたが、やっぱり印象に残ったものはちょっと語りたくなるものです。
年末の自分語りのおまけとして、今年読んだ本から5冊ご紹介します。
エゴサができるくらいに名が売れても、きらっきらにはほど遠い。「選ばれた」ように見えても、いつまでもどろっどろの感情の渦に飲み込まれている。
そんな50代の私にすっと突き刺してきた一冊。
ある人は言った。 人生は選択の連続だ。 本当にそうか? 人生は選ばれないことの 連続じゃないか。
「隣の芝生は青い」なんて分かっていても、隣の芝生の青さに目がくらむことばかり。選ばれなかった時にどうするか、選ばれた時にどうするか、自分自身を優しく見直すことができました。
デザイン関係の書籍は特にkindleのセールスで大量に購入するのですが、今年読んだものの中ではこれが秀逸でした。
公務員は全員これ読め!
と思うくらい、よくできています。
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↑こんな記事を書くくらい、普段から職場に氾濫している汚デザインに悲しんでいるんですが、『おかたいデザイン』で紹介されていることは「おかたい」仕事についている人には必須スキルだと思います。
10月くらいから画像生成AIに手を出し始めました。
今年は「生成AI」が流行語大賞(←これに入るのがいいのかどうかはまた別の話)にノミネートされるくらい認知された1年でしたが、知っているけど活用していないという人がまだまだ多いようです。
まあそうだよなぁと思いつつも、これから公私ともに生成AIを知ることから逃げられないなぁとも思っています。ならば「仕事と趣味の重なる一番趣味側の際」を狙って、画像生成AIから入って生成AIをどう仕事に活かしていくかを身につけたいです。
技術書や生成AIのテクニック集、生成AIツールのガイド書などが結構出てきているのですが、こちらはあくまでも「教養としての」というところが肝です。
「中身が薄い」というレビューを見たのですが、そうじゃなくて生成AIを目の前にしたときに「何これ?」と感じるのではなく、それぞれがどう立ち向かうのかの基礎を学ぶことができる一冊です。
今年読んだミステリの中ではこれが一番好きでした。
著者が書いたシリーズ『珈琲店タレーランの事件簿』は実はあまりハマらなかったのですが、この作品は読んですぐレビューを書きたくなくなりました。
その時にブクログに書いたのはこんな感じ。
冒頭の一文「私は叔母を嫌いになった。」でグンと引きつけられて、叔母である室見響子が残した小説『鏡の国』に削除されたエピソードがあるという謎が提示される。 小説『鏡の国』を一章ごとに姪が読み、合間に削除されたエピソードがどういうものなのかというストーリーとは別に「ノンフィクション」とされる『鏡の国』の作品中でも、謎の提示がされる。 二重構造のミステリで、何より小説『鏡の国』がミステリとして十分魅力的で、削除されたエピソードを除いたラストシーンは美しかった。
そして、それを踏まえて削除されたエピソードも提示して、物語全体の読後感を爽やかに閉じているのは素敵すぎた。 本当に読み始めたら最後まで手が止められなかった。 すぐにでもレビューを書きたくなる作品なんてたくさんあるわけじゃない。 『鏡の国』は読んで、その熱が冷めないうちにすぐにレビューを書きたくなる作品だった。
『このミステリーがすごい!2024年版』では14位で、上位では8位の『世界でいちばん透きとおった物語』も良い作品でした。
最後はライトノベルから。
昨年、福井市の出蔵さんと知り合って、『千歳くんはラムネ瓶のなか』を読んだのがきっかけで、またライトノベルに接する機会が増えました。
その出蔵さんからおすすめされたのが『公務員、中田忍の悪徳』という作品。
現代社会にエルフがやってくるといういかにもライトノベルな展開の作品ですが、主人公である中田忍が生活保護担当の係長ということで親しみやすく楽しんでいました。
こちら『非正規~』は著者曰く「同人誌」。本編のサイドストーリーですが、本編で取り上げるにはちょっと濃すぎる煮詰めた生活保護分野で働く人の苦悩をきちんとライトノベルに詰め込んでいます。
本編を読んでいる人には中田忍の過去を知ることができ、生活保護に携わっている人は、「あるある」を感じてヒロインの丸山千尋の心の動きをさらに深く感じることができます。
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とジャンルをできる限り変えて5冊ご紹介しました。
老眼が進んできて、リーディンググラスをかけないと本に集中できなくなりましたが、来年もたっぷりとインプットして、それ以上のアウトプットをしたいと思います。
[…] https://utatane.asia/blog/2023/13196/→読みたくなるレビューでした […]