「配達あかずきん」や『成風堂書店事件メモ』シリーズなどの作品が好きな大崎梢さんの作品。
“スノーフレイク”という言葉の響きに惹かれて、一気に読了。
函館に住む高校三年生の真乃。東京の大学に進学が決まった彼女の前に、小学生のときに死んでしまった幼なじみ・速人によく似た青年が現れた。それから真乃の周りでは不思議なことが起きはじめ……!?
函館を舞台にしたサスペンスミステリ。
小学6年生のときに一家心中で海に沈んだ幼なじみの家族。心を残す友人の速人だけは遺体が見つからずに6年間のときが過ぎた。
大学への進学を機に、「忘れよう」と呟いた真乃の前に、死んだはずの速人に似た人物の姿が見え隠れするようになる。
いかにもテレビドラマや映画にしやすそうな設定……と思っていたら、2011年にやっぱり映画化されていた模様。ネットでの評価は散々ですが……
死んだはずの人物が生きている、でも目の前には現れないというのはミステリでは比較的良くあるパターンなので、死んでいるのかいないのかとかが作者の腕の見せ所。
ところが、途中から速人の従兄の男性が接触してきたことと、一家心中の理由にフォーカスが移ってしまって、しかも主人公の真乃の心情が話のメインに置かれているものだからサスペンスなのかミステリなのか、恋愛小説なのか掴みづらいまま終盤まで行ってしまいます。
そのせいでラストに明かされる速人との繋がりについてもインパクト不足になっちゃうのが本当に残念。スノーフレークやスノードロップといった魅力的なアイテムもあるのになぁ……
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