- 2017年9月5日
ハミダス#03「出張財政出前講座+SIMふくおか2030」開催しました
2023年現在、こちらの記事で紹介している『SIMふくおか2030』は『SIMULATIONふくおか2030』に名称変更……
47都道府県の地方公務員と中央省庁で働く官僚をつなげることで、日本全体を有機的につなげることを目的とした会です
「よんなな会」はとかく縦割り行政だ、国と地方は敵対関係にあるなどと言われる全国の公務員が実際に会って、ゆるやかに繋がることで、公務員の気持ちを高める試み……もっと軽い口調で言うならば、公務員・学生による壮大な「飲み会」です。
2010年にはじまり、主宰の脇雅昭さんの熱量に浮かされた全国の公務員が、様々な変化、融合を繰り返してきたこの舞台……
今回は3/8に東京・丸ビルで開催される予定でしたが、そんな最中に広がった新型コロナウイルスの影響。様々なイベントが中止に追い込まれている中、「よんなな会」も、2月22日に丸ビルでの開催を中止することに。
ところが、そんなことで負けないのが前向き・前のめりな公務員・学生たち。
スタッフ間で事前交流や打ち合わせに使っているオンライン会議ツール「ZOOM」での開催を決定。まだまだ古くさい仕事の形態に縛られている公務員たちに、オンラインの身近さを体感してもらえれば、リアルな開催とは違った「何か」を生み出せるかもしれない、そんな思いでの開催になりました。
当日は、全国の公務員・学生が約300名参加。普段以上に熱狂の塊だった初のオンライン開催の模様、リポートします。
「よんなな会」のオープニングは、いつも心をたぎらせるムービーから始まります。
いつもは会場で静かに見つめるこのオープニングムービー。チャット機能を使って、「かっこいい」という言葉が流れます。
オープニングムービー後は初めてのオンライン開催ということもあって、「ZOOM」初体験の方になれてもらうため、機能紹介を兼ねて、お昼ご飯をチャット機能を使って聞いていきます。
ところが思った以上に抵抗感なく、チャットを使いこなす参加者に脇さんも思わず笑顔で和やかにスタートしました。
「よんなな会」では毎回、公務員の意識をくすぐる素敵な登壇者が登場します。
今回も、素敵すぎる3人が登場です。
はじめのゲストは小国士朗さん。NHK在局時『クローズアップ現代』『プロフェッショナル 仕事の流儀』などを制作し、現在はフリープロデューサーとして「肩書きのない男」として様々な活動をしておられます。
その中でも話題になったのが、「注文を間違える料理店」
認知症を患った方がホールスタッフを務めるカフェ、オーダーをしたとしても注文を間違えて違った料理が提供されるかもしれません。ところが、客はそれを受け入れてしまう優しさがあふれる空間がそこにはあります。
認知症患者を支えたいという言葉を、ここまでも優しく、誰もが支えたくなるように実践している例を私は知りません。
実際にカフェが営業された時の映像が流され、
脇さんは大号泣。「写さないでよ~」といいながら、泣き笑いになっているのを見て、画面のこちら側でも、あちら側でも同じような顔が見えていました。
他にも小国さんからは、現在取り組んでいる「delete C」の取り組みについてもご紹介がありました。
「delete C」は癌(Cancer)を無くすために日々研究されている医師・研究者を支えるため、「C」の文字を消した商品の販売を通じて寄付をする仕組みです。
シンプルな仕組みでありながら、誰もが興味を持てる取り組みで、自治体では千葉県や千葉市さん「Chiba」の「C」を消して「hiba」で寄付を募ってもよいのでは? というアイデアも出ていました。
[blogcard url=https://www.delete-c.com/shikumi]
小国さんはこれらの取り組みについて「シェアイシュー」、課題を共有し、俺ならこれができるを伝播させる重要性を参加者に提示しました。
民間放送でないNHKに所属していた小国さんは、「飛び出す」ことの難しさを知っておられる方で、それよりも「はみ出す」ことで見えてくる世界をおすすめしていました。
偶然ですが、(現在活動休止中ですが)自身がやっている活動を「ハミダス」と名付けている私にとって、本当にふに落ちる勇気の出る講演でした。
2人目の登壇者・阿部広太郎さんは人気のコピーライター。
「日本で一番流行しているものは日本語だ」という当たり前のようで当たり前に気付かないこんな導入から、流行語大賞にもなった林修さんの「今でしょ!?」をCMに使った時の話、アーティスト「クリープハイプ」との仕事と関係と興味深い内容を軽妙な語りで紡がれます。
言葉を生業にしている方らしい視点で、自身がコピーライターとしてうまくやっていけるとは思わなかったというところから、今、どう言葉を考え、どう言葉を使っているのかという公務員にとって示唆の多いお話でした。
後半は、夏目漱石の(I Love Youの)名訳文とされる「月が綺麗ですね」を題材にオンラインワークショップ。
自分自身の「経験」「本質」を「コピー」に落とし込んでいくために、「たとえば」「そもそも」「つまり」という3つの接続語で置き換えて、自身の経験・思いを他者の思いとして伝えられる言葉にしていきます。
参加者を5人ほどのグループに分けて、3分ほどのオンラインミーティングを行ったあと、チャットを使って200名以上で共有。コピーライターではない公務員・学生たちが伝えるコピーが滝のように流れ、それを会場で見ていた脇さん、阿部さんも大盛り上がり。
この言葉をそのまま並べるだけで、すごくいいポスターになりそう、と思ったのは私だけではないはず。
講演後のオンラインセッションで、私自身の広報への考え方について尋ねてみようと思ってルームに入ってみると学生さんたちの真剣な質疑に阿部さんは丁寧に回答されていたのがまた印象的でした。
(あとで、メッセンジャーでお友だち申請をして、その際に尋ねてみたら存外に褒めていただけてうれしかったです)
3人目の登壇者は宮崎県日南市長の崎田恭平さん。
登壇、といっても東京の会場ではなく、自宅からのセッションでした。お子さんらと一緒にカメラの前に登場し、自宅の一室で熱のこもったお話を聞かせていただきました。
宮崎県庁、厚生労働省を経て日南市長に就任された崎田さん。
地方公務員、国家公務員、首長と公務員のがっつりと本道を歩いておられる方が、日南市で取り組んでこられたのは「民間人の登用」、そして地元に暮らす若い人への雇用の確保としての「IT企業の進出促進」です。
雇用の確保というと、何かと製造業として工場の誘致などを行いがちですが、本当のところは求職者と雇用先のミスマッチがあってうまくいかないというきちんとした分析があります。
仕事がないから若者が転出するのではなく、若者が求める仕事を創る
という発想から、若者がとどまるというよい循環ができているとのことです。
油津商店街の再生にかかる話も素敵でしたが、我々公務員にとって衝撃だったのは「行政施設の利活用」について。
使われなくなったりうまく使えていない行政施設は、指定管理者制度などで民間活用してもらうということが全国どこの自治体でも行われているのですが、自治体がお金を出すのではなく、民間にお金を出させるという形で魅力的な施設再生が行われているのです。
[blogcard url=http://agora-web.jp/archives/2044198.html]
民間登用などで活力ある自治体として走っている日南市ですが、崎田市長が強調されていたのがそれを支える普通の市職員のこと。
「民間人だけで物事がうまく回るわけじゃない」
民間登用の人材も、普通の市職員も「“足りない”を知る」ことがとても大切だという言葉は心にしみました。
昨年、神戸で開催された「よんなな会」で登壇いただいたFISHBOYさん。
オンライン開催になって、前日に脇さんから連絡があって緊急出演となりました。
公務員あるあるを集めた「公務員応援ソング」。
春にはMVを撮りたいとキャストの募集もありました。
「よんなな会」が講演以上に大切にしている「1分間ピッチ」
参加者で何かを募集したい人、何かを表明したい人、仲間を作りたい人がそれぞれの思いのままに1分間表明します。
私はこの時間がとても好きで、それぞれがそれぞれの熱量で共感と繋がりができていく瞬間が生まれます。
この日は14人(組)。私は防災会、福祉応援会に参加させてもらっていますが、興味を持ったところにはどんどんと顔を出していきたいですね。
交流会はそれぞれホストを決めて、たくさんの小部屋を用意。
3人の登壇者やよんなな会サポーター皆さんの部屋、1分間ピッチに登場した14人もそれぞれの部屋を開いて、参加者は好き好きに部屋を選んで交流します。
普段のよんなな会の交流会では、誰に話しかけたらというような時間ができてしまうのですが、オンラインで自身の興味のある部屋に入ることで濃密な交流ができたんじゃないかと思います。
ええやん、これ。
ここで話した人が次回以降のよんなな会や、いろんな機会で直接会うことができれば、本当によい繋がりができるんじゃないかと思います。
思わぬアクシデントでオンライン開催になってしまった「よんなな会」
ですが、本当に「ピンチがチャレンジ」になって、また新たな可能性が生まれた開催だったんじゃないでしょうか。
「ZOOM」を使ったオンラインランチ会もスタートしました。緩い繋がりからスタートできますので、興味のあるかたはぜひfacebook「よんなな会」をご確認ください。
狭山市の山岸さんの渾身のグラフィックレコーディングを共有いたします
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