名店の味を受け継ぎまっすぐにうまい焼き鳥を@堂島「やきとり松里」

2019年のミシュランガイドに1つ星を付けられた焼き鳥の名店『焼鳥 市松』から、かつて市松のお店があった堂島で独立して新店をオープンさせることになりました。

店名はしっかりと「松」の字を引き継いで、「松里(まつり)」

11月6日(金)のオープンを前に、友人を通じてお招きいただきましたのでご紹介いたします。

比内地鶏お任せショートコース ￥3,800

『焼鳥 市松』と同様に「一番美味しい」と惚れ込む比内地鶏を約1時間のショートコースで楽しめます。

鶏生ハム刺身

熟成させた鶏の生ハムです。
荒めの大根おろしとわさびを添えて、生ハムのねっとりとした食感と対称的なさっぱりとしたアクセントを加えています。

うま味たっぷりの生ハムは手作り。これ、そそられますね。

せせり

さて、本番。まずは、首の後ろ側「せせり」から

鶏が一番動かすといっていい首部分ですから、しっかりとした弾力が特徴です。グッとかみしめるごとに跳ね返すような力強さで、何しろうまい。

ズリ

2本目はズリ(砂肝)、鶏の胃の一部でこちらも口に入れたときの噛み応えがあります。

塩で食べることが多いのですが、こちらでは絶妙な甘みのタレで。
最初の2串に食感が強い部位を続けて、つかみはイイ感じ。

ももの水炊き

ちょっとここで箸休め、ん？　串休め？？

ほろっと崩れるほど柔らかくもも肉を水炊きにしています。白菜ではなく、キャベツとの水炊きで、酸味がたった自家製ポン酢に柚子胡椒でいただきます。

さあ、ここからは本格的に、焼きの技術が際立ちます。

ねぎま

定番のねぎま。
ネギの前後で身の大きさや皮のつき具合が違っており、一口目と二口目できちんと全体の味が整うように見事に仕上げられています。あぁ、これが技術ですね。

ねぎまが一番好きで、ついついあとでもう一本お替わりでお願いしちゃいました。

手羽先

手羽先はつまみやすいように骨にそって縦にカットしてあります。酢橘を搾ってさっぱりといただけます。

ももすき

ぐい飲みサイズの器にレアに焼いたもも肉をすき焼き風に仕上げた一品。

濃厚な卵黄と甘めのタレ、荒めのみじん切りにした玉ねぎが絶妙に合っていて、串で食べるお肉とはまた違った魅力が詰まっています。

原木しいたけ炭火焼き

炭火で焼いた四国産の椎茸はみずみずしく、ギュッとおいしさが詰まっています。

一振りの塩と噛むほどにあふれる椎茸のエキスがたまりません。炭火で焼いているので、香りも濃厚。

皮

セセリもそうでしたが、比内地鶏の肉そのものもおいしいのですが、内臓部分や、この皮がとんでもなくおいしいです。

タレと焼き具合、串打ちの見事さを余すことなく味わえます。

つくね

ショートコース最後の串はつくねです。

こちらのつくねは、つなぎに余計なものを使っておらず、肉をそのままペーストにしたものを使っている比内地鶏100%のつくねです。

そのせいかまるで高級バーガー店のパティのように肉々しい「うま味の爆弾」のようなすごいつくねになっています。ぜいたくすぎます。

わさび焼き

コースの〆の前に、ここからは追加でオーダー。
お腹と懐の余裕をみて、串を追加できます。

わさび焼きはすっきりとしたうま味の胸肉にバランス良くわさびを添えています。

皮付きせせり

皮がおいしいと先ほど書きましたが、セセリと合わさるとまた前々違う一串になります。

皮のパリッとした部分と、セセリの弾力ある部分の対比が面白いです。

カチョカバロ

炭火で焼いたカチョカバロは風味がイイ感じ

その日の仕入れ状況では、運が良ければ希少部位をいただくことができるかも。

チキンラーメン

コースの〆は「チキンラーメン」

比内地鶏でダシをとったシンプルな醤油ラーメンです。柚子を少しだけ添えていますが、麺とスープだけのシンプルなラーメンでありながら、スープのおいしさは間違いなし。同行者全員がスープを完飲しちゃっていました。

カウンター越しの丁寧な仕事を眺めつつ、言葉を交わしながらミシュラン店で培った技術を堪能できる素敵な焼鳥屋さん。

メニューもこれから変わっていくかもしれませんが、できたばかりのお店を応援できる楽しみを感じてみませんか。

「焼鳥 市松」の竹田さん期待のお弟子さん・和田店主。ぜひ素敵なお店になりますように。
本当に美味しかったです。ごちそうさま。