クセのあるイタリアンがめっぽううまい@堺･白鷺「くえろ・くえら」

「ここで食べた『栗のカルボナーラ』が忘れられない」

「どこか美味しいところない？」とぼんやり聞かれる度に答えたのが、このお店のスペシャリテ。

堺の白鷺という大阪府立大学の生徒以外はなかなかピンとこない場所で営業されているイタリアンの良店「くえろ・くえら」さんを知ったのは8年前。当時、愛媛県の某市にお勤めだったTさんが大阪で同業者と飲み会をとお誘いいただいて、そのとき食べた料理の一つが『栗のカルボナーラ』でした。

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今年はウチの職場に週1回の弁当配達をしていただけることになり、その縁からお店の方に「年末最後に常連さん向けに冷蔵庫の食材を総ざらいする会をやるのですがいかがですか？」とお誘いをいただいたので、喜び勇んで行ってきました。

集合の6時にはもうお店が満杯。
堺市の職員さんや、近所でお仕事をされている方、元府大生と、本当に常連の方が駆けつけている感じ。

乾杯するとすぐに提供されたのが、ハム。生ハムにオリーブオイルを振ったモッツァレラチーズにいちご？？？

ハムとモッツァレラでいただくことはあるんですが、イチゴは考えたこと無かったなぁ。これがすっきりとした甘みと酸味がハムの塩味にあっていてイイ感じ。

サラダはサーモンとホタテに野菜や果物を合わせて。

ドレッシングはお弁当でいただいて少し感動したチーズドレッシング。チーズよりもナッツ感を感じられるドレッシングで、濃厚なのに軽い香りが素敵です。

サーモンやホタテは新鮮で、野菜は苦みや酸味がきちんと立って、バランスが取れている。クセのあるサラダという感じ。

さぁ、ここからどんどんとボルテージが上がっていきます。

しらすのピッツァはバジルソースベースで。しっかりとしたバジルソースの香りに、カットしたトマトの酸味、しらすの塩っ気がこれまたいいバランス。

何よりそれらをささえる生地がふわふわのモチモチで、どっしりと。パン好きの娘が大喜びです。

パスタ一皿目はポルチーニ茸の香りがとんでもなくすごいペペロンチーノ。

調理中はガーリックの香りが店内に広がっていたんですが、テーブルに提供されるとポルチーニの香りがぐわっと襲いかかります。おろしたパン粉が光ってます。

ポルチーニ茸がふんだんに使われていて、シンプルなパスタのように見えていつまでも食べてられるすっごいパスタです。

もう一皿。蟹クリームのタリアテッレ。

平打ちのぴらっとしたもちもち感を味わえるパスタに、濃厚なクリームソースが絡みます。

なめらかなソースで、蟹の風味がぎゅっと詰め込まれており、ソースだけでパンやご飯が食べられそうなうま味の塊のようなパスタです。

本気のチーズリゾット。

多くのお店ではピラフのように作ったものから、オーダー後にリゾット風に整えますが、こちらのリゾットはちゃんと生米から作るので、米がアルデンテの状態で芯が残っています。その代わり作るのに時間がかかるので、アラカルトで提供するお店ではできないですね。

鴨のローストがのっていますが、こちらが脇役。リゾットそのものが主役です。

アーモンドのスライスが意外と効いています。

料理のラストはペンネグラタン。こんがりと焼けたチーズに意外とあっさりとした味わいのクリームソースがたっぷりとのったグラタン。

口にしてびっくりするのは、シナモンの香り。これはあんまり味わったことのないグラタンです。

クリームソースがどうしてもベタッとするのがグラタンのイメージやったんですが、これはそんなことなく、気持ちよく食べられました。

デザートはトマトとクリームチーズのパウンドケーキ、ピンクグレープフルーツのソルベ、珈琲クッキー。

パウンドケーキは甘すぎずトマトの酸味が心地よく、ソルベは抑え気味の酸味で涼やかな甘みで口を癒やしてくれます。
そして絶品だったのが珈琲クッキー、何これ、美味しすぎますやん。これ箱買いしたいです。

本当に久しぶりに白鷺の本店の美味しいイタリアンを堪能させていただきました。

営業はランチタイムと、土曜･日曜のディナータイムだけと、地元の方以外で行くにはなかなかハードルの高いお店になってしまっていますが、「クセの強い」本当のうまいイタリアンという感想は変わらず。
ランチの営業は学生さん相手ということもあるのか、とにかくコスパが良すぎます。

来年も誰かに聞かれたら「(大阪)市内やないんでちょっと行きにくいんやけど」とおすすめします。

おしゃべり好きな飯田オーナー。また、来年もよろしくね。