「みんなのサマーセミナー」大人になってからの学校ごっこは面白い

「みんなのサマーセミナー」大人になってからの学校ごっこは面白い

みんなのサマーセミナー

8月最初の土日は朝から尼崎へ。
市制100周年の尼崎市の職員もガッツリと参加する「みんなのサマーセミナー」で、久しぶりに生徒してきました。

この「みんなのサマーセミナー」、尼崎を舞台に”まちのオモロい人やスゴい人は誰でも先生になれて、学びたい人なら誰でも生徒になれる、そんなイベント”です。
いわゆる生涯学習の試みで、大阪でも「DOORS」のようなワークショップのイベントはありますが、行政もまちの人も一緒になって学校ごっこをしようというのはものすごく興味深いです。

百合学院旧聖トマス大学

二日間の学びの舞台は、百合学院中学高等学校、旧聖トマス大学。二日間で350を超える講座があって、両日5時間ずつ、受けたい講座を楽しく学ぶことができます。

皆勤賞

1日5時間、2日間で計10の講座(+朝礼、清掃)に参加してちゃんと皆勤賞の表彰も頂いてきました。350を超える講座のうち、選ぶことができるのはたったの10講座なのがもったいない。
行きたいけど、講座場かぶってしまって行けなかった講座やら、めっちゃ混むやろと思って行かなかった講座(尼崎市長が語る「激禄!市長24時」とか、対象が親子だった「サイダーを作ってみよう!」は満員だったらしいですよ)私がチョイスした講座で面白かったものをご紹介。

朝礼

朝礼開校の挨拶尼崎市長

やっぱり学校ごっこなので、ちゃんと「朝礼」があります。
みんなでラジオ体操のあとは学校長?(事務局の代表者)、尼崎市長の挨拶もあって、

校歌

浪花のモーツァルト、キダ・タローさんが作曲した校歌「ああ尼崎市民家族」の合唱。凄いな、尼崎市。いかにもキダ・タローさんの曲だわ。

風紀委員長風紀委員長

さて、朝礼も終わり……と思ったときに、バイクの爆音が! んんっ、何者っ! と思ったら、風紀委員からの注意事項の伝達でした。
構内は左側通行とか、やけに丁寧に説明する姿に笑いが止まりません。おもろいやん。

風紀委員長

ちなみに二日目になると風紀委員、パワーアップしていました。

6日(土)1限目 SONODAビブリオバトルinサマセミ

ビブリオバトル

1限目だけは行く講座を決めていました。数年前から一度観戦してみたいと思っていたビブリオバトル。ちょうど、facebookで繋がりのある方が普及委員をされている関係もあって、「観に行きます!」と言ったら、「参戦してみたら」と返されて、なんと急遽参戦することに

ビブリオバトルというのは、それぞれ自分自身が面白いと思った本を持ち寄って、ぴったり5分間でその面白さを紹介する対戦。それぞれの個性がとんでもなく出るプレゼンテーションとコミュニケーションバトルです。

この日の発表者は私を含めて4名。じゃんけんで発表順を決めて、見事に負けて最終発表というとんでもなく緊張する場面で話すことに。

ビブリオバトル

最初の発表者は、元漫才師という移植の経歴を持つ尼崎市の職員。
未婚の彼が選んだ本は「コピーライターが教える 子どもを幸せにする名づけのコツ」という一冊。

なぜ、未婚で子どもの名前を当面つけることのない彼が、どうしてこの本を選んだのかという話から、本に書かれている子ども名付け方の方法、きらきらネームの見方がほんの少し変わるかもという話と色々と織り交ぜて、ぐいぐいと観戦者の気持ちを掴んでいきます

最後は20秒ほど余ったので、彼自身がこの本を読んで名付けてみた子どもの名前を発表して、ちょうど5分。何コレ、高度すぎますやん。

ビブリオバトル

二人目の発表者は小学6年生。と言っても侮ってはいけません。彼はSONODAビブリオバトルで小学生にしてチャンピオンになり、新聞でも取り上げられた歴戦の強者。

そんな彼が選んだ本は「もうぬげない」という妹が読みたがって買ったという絵本。

服が引っかかって脱げなくなってしまった子どものドタバタを描いた絵本のそれぞれのシーンに彼はいちいち的確なツッコミを入れていき、そのたび観衆は爆笑
ぼくとつなしゃべり方がまた彼に似合っていて、聞いていて夢中になりました。

三人目のサラリーマンは「仕事の渋滞学」をご紹介。この辺りで、私、緊張の極みに達していたようで写真を撮り忘れていますが……
この本はいわゆるビジネス本のようなものですが、交通渋滞を研究されている東大教授の著者が、効率的な仕事とそうでない仕事を渋滞になぞらえ、どうすれば渋滞を起こさずに仕事をできるかというお話をしています。
きちんとオチもつけて、ぴったし5分で話し終える。皆さん、巧すぎます

最後に登場するワタクシ。テーマ指定がなかったので、自分の好きな小説とかではなくて、以前このブログでも取り上げた加藤昌史さんの「人の前に出る仕事の人へ。」をチョイス。

5分間のプレゼンタイムは、まず加藤さん自身がニコ生でする自己紹介を真似て、その後でこんな自己紹介をする人はこういう人なんですよという枕から、本の中身を紹介するっていう流れで考えてましたが、話し出すと結構どういう話をしようと思っていたことも忘れてしまうもの。
伝えたいことが巧く伝えられたか分からないまま5秒残しで終了。
でも、質問タイムで「本の中でどういう内容が一番気に入っていますか?」と聞かれて、「他人から受けるアドバイスはサプリメントみたいなもの。」という言葉を答えられたのはよかったかな。

結局、今回の勝者は3番目に「仕事の渋滞学」を紹介された方になりましたが、実際、紹介された本は読んでみたくなりますね。

6日(土)4限目 「サマセミ寄席」開催!~落語を楽しもう~

綾紫家小李

4時間目は色々と悩んで「サマセミ寄席」へ。
落研選手権で入賞されているという綾紫家小李の落語を。
黒板の上には十字架が掲げられていて、その下に高座が。うーん、この雰囲気がたまりませんね。
この講座の他にも「誰かに話したくなる神社のはなし」とか「お寺の本から見える世界」とか、宗教や文化の多様性も楽しめるのがサマーセミナーの面白いところ

前座に尼崎市役所が誇る松竹&吉本の元芸人公務員の漫才を味わったあとに。本格的な落語を。

演目は「おごろもち盗人」。受講生の中には落語初体験の小学生もいて、ちゃんと笑いどころを抑えていて笑っている姿が楽しそうでほほえましかったです。

7日(日) 1限目 「小さくはじめる絵画教室」

2日目の1限目は、対象が「絵が苦手な人」と書かれた「小さくはじめる絵画教室」へ。講師は阪急電車の広報誌TOKKでイラストを描いておられたり、大阪名所図鑑などの書籍を出版されている網本武雄さん。

持ち物を名刺サイズに描いてみる

受講者に「絵が描くのが好きな人?」と聞いて、じゃあなんで好きじゃないんだろ? と問いかけて、その原因は小・中学生の図工の時間にあると説明。
例えば、教室を描いてみようという授業だと教室全体を一枚の紙に収めるような描き方を教えるけど、意外とそれって高度な技術が必要ですよね。という話。

失敗も含めて、自分の絵を受け入れるということを念頭に、名刺サイズで自分の持ってきた持ち物を一点描くってことをレッスン。
あれ? 自分、意外と描けるんじゃない? って思わせて、そのあとは葉書サイズに。最後は出来た作品を一言一言褒めてアドバイスをして、名刺サイズでいいので描いてみよようという流れでした。

先生、褒めるの巧いっ! なんとなく、手帳に少しずつでもイラストを描いてみようと思った講義でした。

7日(日) 2限目 「人を巻き込むプレゼンのコツ①発表編」

プレゼンのコツ

1限目の講義では昨日、ビブリオバトルで戦った小学生と再会。実は前日も他の講座で一緒になって、話していたら2限目も行こうと思っていた講座が同じで、一緒に次の教室へ。
ウチの甥っ子と同じ名前の小学六年生の彼、ビブリオバトルでのプレゼンをさらに巧くなれるようにとこの講座を選んだとか。
なんだよ、その前向きな勉強への意欲は! ちょうど、今は星新一とか読んでるという彼に、「おっちゃんも小学生の頃にはまって、休み時間はずっと本読んでたで」とか話して、休み時間&講義を楽しみました。
またSONODAビブリオバトルで再会することを約束しちゃったので、おっちゃんも負けないように、また本読まないと

7日(日) 3限目 「本気で応援します!目指せクリエイター!」

講師はデザイン事務所ante danteの道脇荒さん。尼崎市市政100周年記念「あまがすきハーフマラソン」のロゴ(このロゴが本当に素敵なんだ)などを手がけたバリバリのデザイナーさんです。

未来のクリエイターを目指す方向けの講座で、百合学院に通う高校生も受講したこの講座。私は役所の広報担当で、クリエイターを目指している訳ではないのですが、活躍されている方の話は本当に面白く、特に「デザインに付加価値をつける!文字校正ひとつの差」というのは、役所の人間にとっても「確かにそれが出来るデザイナーさんは信頼される」と思いました

今の仕事はそういうデザイナーさんと、発信はしたいけれどデザインのことは分からないという現場の人間を繋ぐ役目だとおもっているので、デザイナーさんの考え方を知れたのはものすごく贅沢な時間でした。

7日(日) 5限目 「夜カツ」

夜カツ夜カツ夜カツ

二日間最後の講座は、やはりこのサマーセミナーを盛り上げた尼崎市の同業者のパワーを味わってみたくて「夜カツ」を選びました。
ゲストは、私の勤める天王寺区のお隣さん阿倍野区で、若者が来たいと思えるイベントの企画を中心に、阿倍野で活動する若者の団体「あべ若」を率いられる竹田有希さん。
生駒市の行政職員でもある彼女が、「区民」として若い人たちが楽しみながら参加することで地域課題解決を目指す「桃ヶ池環境改善プロジェクト」などの活動を経て得られた地域、行政、若者というなかなか交わらない視点を軽やかに越えていく姿が魅力的でした。

特に「若い人は面白くないと参加しない」というのは全く同意
若い人を単なる「使いっ走り」だと思っている人は根本から考え直して、お互いの強みを活かす取り組みをしていかなあかんなぁと思った次第。

天王寺区と合同でイベントやろうよ。うん。

いやぁ、二日間、本当に楽しい催しに参加させていただきました。
昼休みには「マイムマイムいかがですか~♪」なんて、訳の分からない誘いがあって、最後には私も参加してしまうことになったりして。

著名な人を招いたり、お金をかけたりすることだけでなく、こんな形でも学びの場が提供できるというのはものすごく衝撃的でした。……大阪でもこういうのやりたいなぁ。

イベント名 みんなのサマーセミナー
開催期間 2016年8月6日(土)・7日(日)
開催場所 旧聖トマス大学、百合学院中学校高等学校
サイト 公式facebook / 公式ホームページ

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があ

大阪生まれ・育ち・勤めの雑食系公務員。 福祉職だと勘違いしている人が大多数ですが下っ端事務職。濃い顔付きから沖縄人やらトルコ人やら間違える人大多数。違う、違うんだよ~

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