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SF

  • 2018年3月31日

キャラメルボックス「夏への扉」 何もかもが愛おしい

かつてオールタイムSFベストの1位に輝いたこともある(2014年にSFマガジンが創刊700号記念に行った調査では9位でした。1957年に書かれた作品なので、50年以上たってもまだ10位以内にはいっているのも凄いですが)タイムトラベル小説の名作中の名作「夏への扉」。私も中学生の時に福島正実さんの訳で初めて読んで、人間関係がうまくいかずに悩んでいた学生時代や女の子に振られた時とか、凹むときには再読して […]

  • 2017年12月5日
  • 2017年12月5日

佐木隆臣「君のことを想う私の、わたしを愛するきみ。」人を思う距離はどこにあるのか

人の命は有限で、過ぎ去った過去は遡ることができない。そんなあたりまえのことをつい人は忘れたふりをします。 時と人の思いを描いたSF小説は数多く発表されています。物語の中で、遡れない時、人の死と人を思うことに直面する登場人物の心の揺れを感じる事で、読者は自身にとっての「時」を考えるのかも知れません。 本の応援団「NetGalley」で8月に出版されたSF小説を読ませていただきました。佐木隆臣著「君の […]

  • 2017年11月11日
  • 2017年11月24日

七月隆文「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」2回読んで、2回目に泣く

読み返したくなる小説、漫画ってあるじゃないですか?驚愕のトリックで、意外な犯人で、物語の登場人物が愛おしくて……色んな理由があって読み返したくなる、読み返しちゃう。泣きながらだったり、呆然としながらだったり。そういう小説、漫画の二読目は、なんとなく答え合わせのような気持ちになります。 ベストセラーが苦手です。「感動の作品」「絶対泣く」とか言われて、TVドラマ化されたり映画化されて、それが強調される […]

  • 2015年4月26日

二階堂黎人「クロノ・モザイク」

中学生の上条友介は突然、時間を飛び越える現象に見舞われるようになる。五年後に恋人の菱村美沙緒が惨殺されることを知った友介は、現在と未来を行き来しながら、恐怖の運命を変えるべく知力と体力の限りを尽くす。 本格推理小説の書き手である著者がタイムトラベル物に挑んだ作品。 導入部から、中学生の上条が未来に跳んで、いきなり目の前で付き合いのない同級生が殺されるシーンからスタート。ミステリらしい展開を絡めたタ […]

  • 2015年3月25日
  • 2015年3月26日

乙一「箱庭図書館」小説再生工場から生まれた秀作短編集

乙一さんの作品は、なんとはなしに避けていたのですが、オムニバス短編集で「Calling you」を読んでグッときて、本屋で平積みされていたこちらの作品を手に取りました。 【物語を紡ぐ町】で、ときに切なく、とくに温かく、奇跡のように重なり合う6つのストーリー。ミステリ、ホラー、恋愛、青春……乙一の魅力全てがすべてが詰まった傑作短編集! 集英社が運営されるサイト「RENZABURO」の中の読者参加型企 […]

  • 2014年12月11日

法条遙「リライト」イヤSFなタイムパラドックス作品

「イヤミス」って知っていますでしょうか?一時期、ちょっと話題になったバズワードで「読んだ後にイヤな気分になるミステリ」のこと。映画化もされた湊かなえさんの「告白」なんかが有名ですが、個人的にはイヤミスと聞くと、米沢穂信さんの「ボトルネック」の読後感は最悪だったなぁと思い出します。 今回、レビューしたい作品はイヤミスではなく、イヤSF(なんか良い呼び方が思いつかなかった……)な作品。先日、観劇に神戸 […]

  • 2014年11月5日

宵野ゆめ「グイン・サーガ134 売国妃シルヴィア」時代は流れる

栗本薫さんが亡くなられて亡くなられてはや5年。130巻で未完のままで中断したグイン・サーガは五代ゆうさん、宵野ゆめさんという二人の語り手によって引き継がれ、昨年から続巻が出版されるようになりました。 五代ゆうさん、宵野ゆめさんと各一冊ずつ読んでみて、もちろん栗本薫さんとは語り口は違いますが、どちらにも好印象を抱きながらも「まぁ、一冊目やしね」と斜に構えていたワタクシ。宵野ゆめさんの2冊目、134巻 […]

  • 2014年10月14日
  • 2014年10月14日

キャラメルボックス「無伴奏ソナタ」嵐の中、圧巻の千秋楽

台風19号が列島を縦断する三連休の最終日。朝からそわそわとしながら、空模様を眺めていました。ほぼ昼前まで青空さえ見えた大阪。もちろん、これから崩れてくるのは分かっている。しかも、同僚は台風対応で出勤していたりする…… でも、それでも、それだからこそ、この芝居だけは観たかったのです。 キャラメルボックス「無伴奏ソナタ」。2012年の初演での圧倒的な反響に応えての再演、大阪公演の千秋楽に行ってきました […]

  • 2014年9月21日

伊坂幸太郎「死神の浮力」怖いけど怖くない

2004年に第57回日本推理作家協会賞短編部門を受賞した「死神の精度」の続編。 名字に町や市の名前がついた美男、美女で、やたらと音楽に興味を持っていて、話すとなんだかずれている……そんな人を見つけたら、その人は死神かもしれません。 死神は調査部から指示された人物の前に現れ、1週間の調査の後に対象者の死について「可」か「見送り」かの判断をします。もちろん、死神ですからそのほとんどは「可」となり、調査 […]