- 2014年9月7日
「黒猫の遊歩あるいは美学講義」広義のミステリあるいは文学講義
「ジャケ買い」なんて言葉がありますが、美しい装丁や言葉のリズムに惹かれて手に取る作品というものがあります。今日、手に取っ……
バラエティ番組「水曜どうでしょう」の鈴井貴之さんが監督を務めた2004年の同名映画のノベライズ版……との位置づけだが、実際は続編。
一年半ぶりに郷里の斜里町に戻ってきた由希。東京で疲弊し、夏休みにそんなに乗り気でもなく足を向けた先には、何かが変わっている訳ではない両親がいた。
「水曜どうでしょう」のホーム、北海道を舞台にした普通の家族・北島家のひとときを切り取った作品。
何の変哲もない日常の物語。大きなハプニングは起こらない。一見つまらない話に思えても、しかし、そこには家族としての物語が存在することを忘れてはいけないように思う。そしてそんな物語にこそ、見落としがちではあるが大切なものがちりばめられている。それを僕は拾い集め、映画にしていく。
田舎町のコンビニを経営する両親と、夏に帰ってきた娘の間にはお互いに正面からぶつかるような大問題は無くて、あるのはお互いが内に抱える思いだけ。
夏祭りに迎えるはずだった演歌歌手がやってこないというローカルな問題はありつつも、ワンシーンワンシーンをそれぞれの思いを中心に鮮やかに描いています。
番外編のような感じの作品ですが、少しずつでも、ショートフィルムでも良いので、この家族のこれからをまた見てみたいと思ってしまいました。
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