- 2017年4月15日
美味しいアテでお酒でベロベロ@石橋「日常酒飯事わこう」
Facebookで繋がりのあるお友だちの同級生がやっているお店で騒ぎましょうとのお誘い。その誘いに応じて伺った場所は「石……
昨秋からメシコレで大阪のランチを担当させていただいていて、この間「湯木 新店」の記事を掲載いただいたので、ブログにも書こうと思っていたら……新年会で伺ったときの記事をアップするのを忘れていたことに気づいてしまいました。
湯木さん、ごめんなさい。
ランチの「松花堂御前」は後ほどに先延ばしして、いつものメンバーで、今年も素敵な食に出会えますよう祈って頂いてきた豪華な新年会の思いでをご紹介。
盆が提供された途端、全員が感嘆の声を上げます。正月らしい華やかな彩りの料理に、目を引くのが今年の干支の申を模した器。しかもえべっさんのお守りまでついています。
「今年の正月用に買ったのかなぁ?」と同行者と話していたのですが、湯木さんにお伺いすると、この器、元々「船場吉兆」で使われていた器だとか。
「船場吉兆」を廃業した際に、もちろん器なども人の手に渡ってしまっていたのですが、知己の方の手に渡り昨年買い戻すことになったと言います。十二年に一度、しかもこの時期にしか使うことのない器。器一つにもそれぞれの物語があって、その器を一つ一つ選んで料理を彩っている……日本料理の深さはこんなところにもあるんだなと感じさせられました。
そんな申の器に盛り付けされているのは、湯木さんの名物の一つカツオ胡桃と白和え。カツオ胡桃は初めて食べたときに本当に驚いた一品。大ぶりの胡桃にまぶした鰹節の味付けが繊細で、口に入れると飲み込むのが惜しくなってしまいます。
いつもながらのプチプチとはじけるいくらや、甘みたっぷりの卵焼き、さっぱりとした煮こごりなど、あっという間に湯木さんの味に引き込まれてしまいます。
椀物はハマグリで。椀を取った瞬間に濃厚なハマグリの香りが広がります。乳白色の出汁に染みこんだハマグリの旨みは抜群に素晴らしく、身もしっかりと細工が施されており、口にしたときに何の引っかかりもなくただおいしさだけを味わうことができるのです。
ごま豆腐はなめらかな弾力で、どうやったらこんなごま豆腐ができるのか本当にしっかりと聞きたいくらい。
この日は良い平目が入ったとのことで、薄造りにして提供いただきました。あん肝と合わせて、まるでてっさのような盛り付け。
てっさのように、目葱と紅葉おろしをお造りで巻いて、ちょっとだけポン酢に浸して食べると……うぉ、これ美味しい! フグにも全く負けない新鮮な弾力と強い味わい。
これはすごいなぁ。
それだけで満足していたらもう一皿お造りが。湯木さん自慢のこのわたに、黄身餡、海苔も用意されたイカとエビのお造り。
そのままでも良いのですが、生海苔と黄身餡、このわたをイカで巻いて食べると磯の香りが口の中で濃厚に広がります。この海苔も実はきちんと仕込みがされていて、海苔だけでもものすごく美味しいのです。
正月らしくお凌ぎには赤飯。ただし、ここも普通じゃなく、赤飯の塩味は抑えめにからすみを添えて、からすみで巻くようにして食べてくださいとのこと。
いやぁ贅沢すぎるでしょ、本当に。からすみの塩っ気は、直接塩を振るよりも遙かに穏やかで、それでいて複雑な旨みが赤飯に加わります。
焼き物は鯛と白子。空豆のおかき揚げが良いアクセントになっていますが、白子は表面を炙ってあり、そのまま摘まんでつるりと食べてしまいます。言葉を失うほどこれも美味しいです。
煮物椀は鰤大根。柚の香の効いた甘めの餡に、旬の脂がのった鰤の旨みがグッときます。大根は鰤と対比するかのようにほどけるほどの柔らかさ。じっくりと味を楽しめます。
この日のメインは鴨すき鍋。河内鴨をさっと鍋にくぐらせて、身にほんの少し赤身が残っているかなというあたりで鍋からあげて頂きます。脂身をほんのすこし炙ってあって、皮目の香ばしさ、嫌みのない脂身の滑らかさ、そしてしっかりとした弾力の赤身と食感の違いが味わえます。
そして、やっぱり湯木さんといえばこの出汁。飲み干すほどに美味しい出汁に鴨の旨みが凝縮されて、薬味がなくても出汁を飲み干し、ちょっと生姜を加えてはまた飲み干し、本当に止まらなくなって困ります。
もちろん最後はその最高の出汁で雑炊を頂けます。
旬の果物が一杯のゼリーを頂いて、ごちそうさま。
同行者は私よりもたくさんのお店で様々な料理を頂いているのですが、日本料理、特に出汁の凄さは湯木が一番だと言います。本当に同感です。大阪の割烹の伝統を受け継ぐお店。なかなか敷居が高いとは思いますが、特別な日に本当に行きたいお店です。
今回も大満足でした。頂いたえべっさんのお守り、しっかりとお財布に入れて今年一年頑張りたいと思います。ありがとうございました!
店名 | 北新地 湯木 新店 |
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ジャンル | 懐石、和食 |
住所 | 大阪市北区堂島1-5-39 マルタビル 1F |
電話番号 | 06-6348-2777 |
交通手段 | JR東西線・北新地駅より徒歩5分 |
営業時間 | 11:30~14:30 / 17:30~22:00 |
定休日 | 日曜日・祝日 |
サイト | ホームページ |
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