- 2017年4月12日
堂々独立、エスニックな定食堂@瓦屋町「定食堂 金剛石」
以前、心斎橋で営業していた人気のバル「食堂ミコノス」。普段はイタリアンバルながら、日曜日限定で「カリケンミコノス」として……
昨年末以来、本当にお世話になっている「北新地 湯木」さん。
先日、FOOD SONIC 2015で店主の湯木さんにお会いして、「春の会席はいかがですか?」とお誘いを頂いたので、なんだか「仲良し4人組」になっているメンバーで再訪させて頂きました。
この日のテーマは、まさに「春」。日本料理らしい季節を存分に味わえる会席料理です。
落ち着いた黒いテーブルには、桜の枝がさっと飾られています。おかげで料理が本当に華やかになりました。
金箔で化粧した筍の皮に小鉢で盛り付け。
季節的にはそろそろ終盤のホタルイカは分葱との酢味噌和えで。
鯛肝の煮こごりに湯木さん自慢のこのわた。
桜の葉の布団をめくると、青竹串打ということで、スモークサーモンの蓮根巻きに蒸し鮑。季節物の菜の花に鯛子旨煮、八幡巻、こぼれるほどに柔らかで甘い玉子蒲鉾と目にも美しい座付膳です。
どの料理も美味しいのですが、蒸し鮑の柔らかさには驚きます。当然なんですが、単に串打ちしているだけじゃないんですよね。細かな細工や絶妙の蒸しと技が光ります。
蛤の椀物。蓋を開いた途端に、木の芽の良い香り、そして追いかけるように出汁の香りが感じられます。
湯木さんの最高のお出汁に、味の濃い蛤、そしてお出汁の中に隠れている滑らかな食感の白胡麻豆腐のバランスの良さと言ったら!!
赤いお椀も美しく、椀の内側の黒、蛤のお出汁の白とコントラストに目が引き寄せられますね。
お造りは魯山人も好んだと言うパレット皿で。
左上から右に、車海老の温玉添え、あおり烏賊と生雲丹、よこわ鮪と海苔、赤貝と帆立貝柱の昆布締めに自家製からすみを添えて、鯛と鯛白子、さより。
醤油、塩、出汁の効いたポン酢とそれぞれのお薦めを聞いてから一つ一つ楽しみます。よこわ鮪のどっしりとした旨味を味わったあとは、さよりの淡泊な美味さを。鯛の白子はポン酢でさっぱりと。自家製からすみの濃厚な味に、同行者はついついお酒が進みます。
続いて蒸し物は茶碗蒸し。すっぽんの茶碗蒸しとのことなので、荒々しい見た目を想像したのですが、蓋を開いてみるとすっきりとした見た目。
薄い黄色の穏やかな表面に何か乗っているな……と思ってスプーンを入れてみると、なんとまぁ、これがフカヒレ。
これまた豪華な……もちろん、単に豪華な雰囲気を出すだけに添えられているのではありません。生姜の効いた出汁とふるふるの生地に実にフカヒレに合っています。じんわりと旨味が後追いでやってくるので、一口一口を大事に食べたいですね。
すっぽんはどこだ? と思って食べ進めて行くと、生地と同じような色の柔らかい塊が。どうやら湯葉をすっぽんの身を包んでいるようです。
グッと噛んでみると、湯葉包みの中に小さなダイスのすっぽんの身が。うおぉ、これは凄い。
美味しさが更に一段上の高みに達したんじゃないでしょうか。すっぽんの身が丁寧に小さく処理されているので、食べやすく旨味だけを存分に味わうことができます。
揚げ物は揚げたてを店主が直接持ってきてくださいます。
稚鮎の踊り揚げはほろ苦さが心地良く、白魚大葉巻きは5尾もの白魚の淡泊な味わいを大葉でさらにさっぱりと、春らしいたらの芽と一寸豆は鮮やかな見た目についついにんまりしちゃいます。
一寸豆には潰したおかきの衣がまぶされているのですが、これがまた面白い食感で楽しいですね。
揚げたてでそのままでも美味しいのですが、山椒塩をちょっとだけ付けると、それぞれの素材の味がピンと立ってきます。
焼き物はのどぐろの塩焼き。
「白身のトロ」とも称されるお魚ですが、脂がしっかりとのっているのでシンプルな塩焼きが一番魅力を引き出すことができます。
箸を入れるとホロッとほどけるのですが、身がしっかりとしており、茗荷や染めおろしを添えるとさっぱりとした味でこれもまた美味です。
炊き合わせは春若芋、穴子、法蓮草、赤パプリカに柚子を添えて。上品な穴子タレの甘味がほうれん草や春若芋に馴染みます。
……ご飯が食べたくなります。
湯木さんのランチの名物に海鮮石焼があるのですが、この日は宮崎牛のサーロインを石焼きで。
熱々の石でさっと焼くのですが、お肉が良いので、塩胡椒だけで本当に十分です。
柔らかく上質なお肉に大満足です。
FOOD SONIC 2015では、明太子茶漬けをワンコインからで提供されていましたが、この日は鯛茶漬けをご用意頂きました。
上品なごまダレをまぶした新鮮な鯛の切り身がのったご飯に、湯木さん自慢の出汁をたっぷりとかけて頂き……あぁ、染みるなぁ……湯木さんが常々「料理の基礎は出汁」と言われるのがよく分かる一品。
なにも言うことがありません。美味しい。
香の物は柴漬け、山菜昆布に春キャベツ。春キャベツの爽やかな香味が素敵でした。
湯木さんにはあまり伝えていませんが、個人的には湯木さんで提供されるデザート。どれも大好きなんですよね。その季節季節の果物がたっぷりと使われていて、すっきりとした口触りで会席を締めくくります。
この日のフルーツゼリーも最高でした。
いつもながら、日本料理の魅力を余すことなく教えてくださって本当に感謝。
父母の結婚記念日にでも両親を招待したいなぁ。
ごちそうさまでした。
店名 | 北新地 湯木 本店 |
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ジャンル | 日本料理、懐石・割烹 |
住所 | 大阪市北区曽根崎新地1-7-12 ダーリンビル 1F |
電話番号 | 06-6348-2000 |
交通手段 | JR東西線・北新地駅より徒歩5分 |
営業時間 | 11:00~14:30(L.O.13:30) / 17:30~22:00(L.O.21:00) |
定休日 | 日曜日・祝日 |
サイト | ホームページ |
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