- 2022年10月29日
大阪の魅力はここにもある『生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪』
β本町橋 『生きた建築ミュージアムフェスティバル』、通称「イケフェス大阪」が3年ぶりにリアル開催(昨年、一昨年はオ……
国も自治体も「財政が厳しい」とよく言います。
しかし本当に財政が厳しいのでしょうか?
財政が厳しいとはどういうことなんでしょうか?
自治体職員もよく分かっていないこんなことを分かりやすい方法で知らせている現役公務員がいます。福岡市の今村寛さん。財政の現場を離れた今でも、日本全国を飛び回って財政について軽妙な語り口で楽しませてくれています。
私も以前、大阪に今村さんをお呼びしたのですが、あまりにも人気なので再度お呼びしようと思っても機会が訪れません。 そんな人気講座「出張財政出前講座 with SIM ふくおか2030」が書籍になりましたので、ご紹介します。
この書籍は「出張財政出前講座 with SIM ふくおか2030」を全体的に再現する形で構成されています。
今村さんが講座のまくらにつかうのが、Part1「財政課職員はなぜ嫌われる!?」という内容。 「今日は何を聞きたいですか?」という言葉から、自治体財政に関わる様々な質問が飛び出し、そのあとに、自治体職員に今村さんが笑顔で問いかけるのが「この中で財政課職員が嫌いって人?」という問いかけ。
財政課職員でない自治体職員の多くは、その問いかけに苦笑いしながら手を挙げます。
どうして財政課職員が嫌われるのか?
なぜ財政課職員が嫌われることを「良し」としているように見えるのか?
そんな問いかけをきっかけに、自身が勤めておられる福岡市を例に、自治体財政の厳しさがどういったところにあるのかということを丁寧に書籍でも示されています。
Part1,2で自治体財政の「厳しさ」の本質をついたのち、実際の出張財政出前講座では「SIMふくおか2030」で、その「厳しさ」を体験できる自治体経営シミュレーションゲームのパートに入ります。
書籍ではPart3でその前身となる「SIM熊本2030」の紹介から、今村さんが「SIMふくおか2030」を使用して財政出前講座に使おうと思ったきっかけなどが詳しく書かれています。
「SIMふくおか2030」は、自治体職員はもちろんのこと、普通の市民、そして自治体財政に違う視点から関わっている議員のような仕事についている方にも本当に興味深く、勉強になるゲームです。 参加すれば、その面白さ、奥深さが理解できるのですが、書籍ではその部分は再現できないのが少し残念です。
Part4は「SIMふくおか2030」を通じて参加者が得る振り返りの講座を。 そして、Part5では今村さんが全国を回る中で得たつながりを熱い言葉で結んでいます。
全体を通して分かるのは、自治体財政の厳しさは、実は多くの自治体職員も分かっていないということ、そしてその厳しさを乗り越えるためには、ゲームを通して知った「対話」の必要性を自ら実践していくことに他なりません。
「SIMふくおか2030」というゲームに興味を持った方は、ぜひ機会を見つけて「出張財政出前講座 with SIM ふくおか2030」に参加してみてください。 きっとこの本を読んで感じたこと以上のことを学べると思いますよ。
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