写真(出演したお二人)

モンゴルズシアターカンパニー『Choose My Life!』俳優?役者?の異種格闘技

写真(出演したお二人)

今、私の観劇傾向を牛耳っている魔性の女優・福田恵さんがこんなツイートをしたので、のこのことイサオビルまで行ってきました。

西区新町にあるイサオビルは、クラウドファンディングを利用して改装した小劇場。

モンゴルズシアターカンパニーがロングラン公演として一人芝居ミュージカル短篇集『ひとみゅー。』を毎週木曜日にやっていましたが、今回は火曜日に観客選択型演劇として新しいコンテンツを始められました。

役者(俳優)の個性がぶつかるマルチエンディング演劇

写真(出演した二人)

「あなたはこれまでの人生でどんな選択をしてきましたか?」
この冬、モンゴルズシアターカンパニーが満を持して挑むのは、完全観客選択型演劇!男女の二人の運命を15分ごとに選択。待ち受けるのは喜劇か、悲劇か、それとも・・・

男女二人の物語。読書が好きな「女」を好きになった「男」。
「男」は優柔不断で、どうしても決断ができない。そこで、彼はその選択をあなたに尋ねてくる。

物語のスタートは一つの出会い。15分ごとに2つの選択肢が提示され、観客の意見を聞きながらどちらかを選び物語は紡がれていく
2×2×2、8つの物語から一幕、二幕で一つずつ観ることができる観客選択型演劇です。

いいなと思うのは、迫られる選択が「多数決」ではないこと。2つの選択肢が示され、観客に意見を聞くものの最後のチョイスは「男」に任されている。
上演時間は90分? あれ? 15分ごとの選択肢だと1幕が15分×4、2幕が15分×3で90分超えてしまうんですが……3番目の選択肢のあとのエピローグが少し短めの設定なのかな?
1幕の結末までたどり着くと、少しだけ休憩時間をとって、最初の選択肢の反対側からスタートするので観客は全く違う方向の2つのストーリーを楽しむことができます。

この日、演じられた二つのストーリーですが……振れ幅が激しすぎます
15分ごとの選択肢でストーリーが激変して結末が全く見えないばかりか、個性の強い2人の役者の荒技で会場は爆笑の連続。一幕目と二幕目の最初から最後まで通してみると、とてもスタートが同じ物語とは思えないくらい全く異なったものになりました。

写真(出演したお二人)

二幕目のお芝居なんて↑こんな感じの結末なんですよ。どんなお芝居か想像できないでしょ??

……これは選択肢から外れてしまった残り6つの物語も見たくなっちゃいます
でも、「男」と「女」を演じる役者さんは、毎回変わるので、この日見た2人はもう観ることはできません。うわぁ、贅沢すぎますやん、それ。

一幕目の物語、3つめの選択肢があまりにもこの日の出演者2人への当て書きされたような選択肢だったので、終演後、お越しになっていた作家さんに「全てのストーリーは役者さん変わっても同じ“本”でやるんですか?」と尋ねたら、同じだけど、役者さんがフリーに演じられる幅は入れてあるとのこと。
でも、「あれ? 俺、こんな話書いたっけ?って思ったけど」とも言ってました

どの結末が選ばれるかだけでなく、役者さんそれぞれの演じ方、観客を物語の中でどういう存在にするか、観客の使い方……そして、誰が「男」と「女」を演じるかで、これはとんでもなく面白いコンテンツになりそうです。

いやー、面白かった。とにかく面白かった。

「男」や「女」をこの人が演じたらどうなるかなぁって妄想が捗りますね、これ。
出演可能性限りなくゼロから少しは可能性あるかもで妄想してみたら、
「男」は阿部丈二さん、鍛治本大樹さん、澤田拓郎さん、駒野侃さん、田中悟さん
「女」は原田樹里さん、はぎのりなさん、土井玲奈さん、古屋ちささん、小野村優さん
これとこれを掛け合わせて、うふふふふ(気持ち悪い)

この日の出演者の魅力

maechang

NHK連続テレビ小説『スカーレット』にタク坊役でも出演されている俳優さん。

全くの「はじめまして」だったんですが、立ち方と声が格好いい。
選択を迫られる「男」役なので、観客と接する機会が多いんですが、その迫り方がとにかく巧みで、ぐいぐいと参加させられてしまいます。

「女」役と比べると、実は「男」役の軸はぶれて無くて、一貫した「男」のキャラクターが出ていて共感がもてました。

今週末の出演作は観に行けませんが、あぁ、違う芝居も観てみたい。追いかけたくなる。

福田恵

振り切ったときの演技のすごさに、私、完全に虜になっています。

今回は、「女」役として最初の15分と、それ以降の変化がすごすぎて「えっ???」という感じ。
正直に告白すると、最初の15分のキャラクター大好きです。プロマイド物販してたら買ってしまう、掟上今日子かと思った……ん? ということは新垣結衣? ……いや、違うな。

まぁ15分後、あなたにときめいた15分を返してくれ、となるんですが。

物語が進むに従って、変化する「女」が見事で、どこまでが台本通りでどこまでがアドリブなのか全く分かりませんが、とにかく楽しそうに演じているのを観ているとこっちも楽しくなってしまいます。

次の出演は所属する劇団レトルト内閣の「モダン・ガールはネコを探して」。当然観に行きますよ。

写真(福田恵)

劇団レトルト内閣 第29回本公演「モダン・ガールはネコを探して」の特設サイトです。2020年1月24日(金)~26日(土…


お二人とも、この「choose my life」での次回出演は決まっていませんが、一人芝居ミュージカル短編集「ひとみゅー。」の出演も含めて今後も要チェックです。

あーーー、面白かった。

まったくの余談ですが、ストーリー選択時の音楽がハースストーンなのもツボでした。

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