カードゲーム『ito』を使って小学校で防災出前講座やってきました

堺市立少林寺小学校にお招きいただき、防災出前講座をさせていただきました。

きっかけは、昨年の公務員アワードで一緒に受賞した宮城県登米市の小野寺崇さん。 以前より同校とやり取りがあり、宮城県から出前授業に来ていたときにご紹介いただきました。
アワード繋がりで、何かお手伝いできればということで、今回は昨年度まで担当していた防災分野で、小学生向けの出前講座。

防災担当の時に作った資料をそのまま使うわけにもいかないので、新ネタということで、以前観に行って楽しかった観客選択型演劇『Choose My Life!』を参考に受講者シナリオ選択型防災講座というアイデアを考えて準備しました。 意気揚々と出前講座に臨んだんですが……これは中高生向きだったかも。
ということで、開始10分で路線変更、シナリオの中に組み込んでいたカードゲーム『ito』を使ったひとネタを主軸にやってみました

こちらはまずまずの出来だったので、今回はその『ito』を使った防災講座の内容をシェアしようと思います。

コミュニケーションゲーム『ito』のご紹介

まずは、カードゲーム『ito』のご紹介を。

『ito』はアークライトが販売する協力型のコミュニケーションゲーム。 1~100の数字カードをプレイヤーそれぞれに配り、「数字を口にしない」というルールの中、示されたテーマに沿って話し合ってお互いの数字を探ります。

「クモノイト」というルールでは、配られた数字を小さい順に並べる(でも数字は口にしない)ことを、全プレイヤーで協力して行います。 例えば、「居酒屋の人気メニュー」(100が人気、1が不人気)といったテーマで、自分の持っている数字カードがどのくらいの人気なのかを考えて「俺は『枝豆』かなぁ」「ほっけの塩焼き」「私はシーザーサラダ」などと言い合って、協力して数字が小さい(不人気なもの)から順に並べられれば成功というものです。

お互いの価値観や言語表現の違いが楽しい会話を楽しむゲームです。

『ito』を使って防災授業をすると

今回は児童を1組4,5人のグループに分けて、数字カードを渡しました。

ルールは「クモノイト」を準拠、テーマは「学校(避難所)に持っていく大切なもの」(この前段で、地震が起こったときに家にいるか、学校にいくかのアンケートを取って、学校に行くことを児童は決めています)

大人であれば、これだけでも会話が弾むはずです。100なら絶対に避難所に持っていかないといけないもの、1なら絶対にいらないもの。

今回は、4年生の児童だったのでカードを見て、何を持っていくかまでは決められましたが、その後の小さい順に並べる会話が弾んでいなかったので、ここでゲームの進行を変えました。

「はい、じゃあこちらのチーム。4人のうち3人が持っていくもの決めたみたい。何持っていくことにしましたか?」

と尋ねて、3人それぞれの持っていくものを黒板に書き出します。

水、おかし、マスク

でした。そこで、またみんなにアンケート。

「さぁ、この3つで一番数字が大きい(持っていかなきゃいけない)ものはどれだろう?」

多数決で多い順に並べたあとで、配った数字カードの数字を聞いて、数字を書き入れて、「えー、こんなに数字大きいの?」とかコメントを入れながら、クリアできたら、「はい、よくできました。なるほど、みんなは水を持っていくのが大事やと思ってるんやね」といった形で、他のテーブルの結果を何組か続けます。

ちなみに、このターンの水は56、マスクが32,お菓子が26(くらいだった。写真撮るの忘れた)の結果でした。

黒板に「持っていかないといけないもの」と、数字が並んだところで、本格的な解説に移行。

「水って学校に置いてある(備蓄)してるの知ってる?」「お菓子って数字低かったけれど、地震になると自分が食べたいものが食べられなくなるよね」と、結果を見ながらアドリブで子どもたちに知って欲しい防災の話に繋げます。

といった具合です。

防災講座は興味を持ってもらうところから

区の防災担当をやっていた時、何度も小中学校(たまに高校)に防災出前講座をやりました。その時、意識しているのは

  • 子どもだと思ってやらない。でも子どもにできることを伝える
  • 声をあげられる、手を使えるような内容にする

の2点です。「」というテーマを自分ごとにするためには、単に先生(講師)の話を聞くだけ、映像を見るだけは絶対にNGです。

例えば、今回のテーマ「避難所に持っていくもの」を話す時に、「何がありますか?」と聞いて手を挙げて答えさせたとしても、その手を挙げた人以外には、あまり刺さりません。聞いていても上の空って人もいるでしょう。

今回の『ito』では、

  1. 一人一人にカードを配ることで、自分が持っていくものを考えさせる
  2. それをみんなで共有する
  3. +αを講師から話す

という段階を踏むことで、自然と講座(授業)に参加してもらえます。

あと、もう一つ大事なのが、『ito』のカードを使っていること。

これ、別にメモ用紙で数字を書いて配ることもできるじゃないですか?
でも、これを『ito』というカードゲームのカードを使うことで、「授業中にゲームをしている」というちょっとした高揚感が与えられます
このカードの触ったときの感触だとかイラストが入ったカードの可愛さだとか、そういった「質感」が私は結構重要だと思っていて、「興味のないことに興味を持ってもらう」ことのキーになっているんじゃないかなぁと思うわけです。

さて、いかがでしょうか? 『ito』を使った防災講座。やったことだけを書いているので、前後のやり取りだとか、小学生向けのアイスブレイクだとか、最後のまとめとか、その辺りは企業秘密ってことで(笑)

また、機会があればどこかで更にブラッシュアップさせてやりたいです。
もしもご用命があればどこにでも行きますので、呼んでください