「大阪の人って、そんなに串カツ食べないんですか?」
以前、東京からきた同業者さんから、そう聞かれたのですが、はい、そこまで食べません。お好み焼きやたこ焼きも外で食べるよりウチ食というものだったので、なんというかこういう料理は府外の方への接待で行くようなお店というイメージです。
そんな訳で、著名なお店はいくつか知っているものの、あまり食べ歩いたことのない大阪グルメがこの串カツ。
そんな串カツのお店へのお招き、しかも新世界のジャンジャン横丁ということで「ベタやなぁ……」と思いつつも、実はそのお店はちょっと前から気になっていたんです。
将棋店から串カツ店に
新世界に昭和22年からあった対戦将棋店「将棋倶楽部」。今で言うとカードゲームの対戦ができる店舗のような場所が、かつての新世界の風景の一つだったのですが、昨年とうとう閉店。将棋や囲碁もいまやオンラインで対戦ができるので、場所代を払って対戦するという世界では無くなっているんですよね。
そんな「将棋倶楽部」をリノベーションして、6月にオープンしたのがお招き頂いた串カツ店「将棋倶楽部」さんです。
店内は1階は、カウンターと少し小さめの4人テーブル×2の炉端居酒屋みたいな雰囲気ですが、2階は将棋店だったころの雰囲気が残されています。対戦時のハンデを書いた「手合表」や、将棋盤に駒も置いてあって、机もちゃんと将棋盤なんですよ、これが。串カツをオーダーして、ちょっと将棋をやりたくなっちゃいます。
王将十種盛り(¥2,700)
串カツは1本170円から。この日は、コースということで王将十種盛りを頂きましたが、まぁ、悩んでしまうんで、とりあえず海鮮五種盛り(¥1,350)、肉五種盛り(¥900)、野菜五種盛り(¥900)あたりを摘まんで、少しずつ頼むのも楽しいと思います。
ちなみにソースは二度漬け禁止ではなく、机に容器に入ったオリジナルの特製ソース、旨辛ソース、ポン酢、塩が用意されています。
サーモンイクラ親子串(単品時[以下同様]¥350)
いきなりの創作系の串カツですかっ!
薄衣のサーモン串に軽くマヨネーズとイクラを添えています。ソースなどつけずにそのままで頂くのですが、頭で想像している串カツとは違う感じの味わいです。
宮崎産もち豚バラ(¥200)
変化球のあとは直球。豚バラ串はお店の特製ソースでいただきます。これぞ、串カツといシンプルな串ですが豚肉自体の柔らかさが素敵です。
うなぎ蒲焼き(¥350)
次は何?と思っていると、またしても予想外の創作串。鰻の蒲焼きをサックリとした衣で揚げて、やはり蒲焼きのタレで軽く味付け。こんなのあり!? と思って口に入れると、衣に包まれた鰻がホクホクとして、これが鰻の蒲焼きの正解なんじゃないかと勘違いしてしまいます。
鳴門金時バター(¥250)
通常のメニューはキスになるんですが、今回はこちらを。素揚げした鳴門金時にバターを添えています。旬のサツマイモにバターなんて、そんなん王道すぎますやん、不味い訳ないって。
牛ロース(¥200)
大阪で「肉」と言えば、牛肉のこと。牛カツ串は定番中の定番ですね。
淡路島産 たまねぎ(¥170)
甘みの強い淡路島産の玉葱は串カツにぴったり。特製ソースや旨辛ソースはほんのちょっとだけつけて、そのものの甘みを楽しむといいと思います。
個人的にはやっすいウスターソース。ドボドボと掛けてご飯と食べたいかも。
イイダコ姿揚(¥250)
出汁で煮込んだイイダコをそのまま串カツにしています。下味がついているのでそのままでとお薦めされましたが、ポン酢をちょっと垂らすとまた違った味わいに。
柔らかく煮られているので、とても食べやすいです。
太アスパラ1本揚げ(¥350)
長いです。長すぎて写真の撮り方に困る素材。玉葱を頂いたときにも思ったのですが、こちらのお店、野菜の揚げ方が巧いです。野菜自身のみずみずしさを損なわない優しい揚げ方をしたアスパラガス。もちろん、美味しいですよ。
丸ごと食べる有頭海老(¥380)
脱皮直後の殻が柔らかい海老をそのまま素揚げにしています。頭からそのままかぶりついて、海老自体の美味しさを味わえます。
王将特製もなかアイス(¥280)
食後のデザートは将棋駒の形をしたアイス最中を。さっぱりと締めくくります。
魚、肉、野菜とバランスの取れた九串+デザート。シンプルな串も創作系の串もあるので、なかなか楽しめます。同行者はビールや日本酒を中心に頼んでいましたが、ウチは菊正宗のすだち冷酒で。サックリとした串カツとの相性も素晴らしく、ついつい飲み過ぎてしまいます。
もちろん、食べ仲間の食欲は旺盛なので、追加でいくつかを。
泳ぎ車海老(¥480)
カウンターの水槽で直前まで泳いでいる車海老。王将倶楽部の看板メニューらしく、さすがの鮮度ですね。
この日は、隠しメニューの「おどり」としても提供いただきましたが、甘みがしっかりとしていてお酒が進みます。
ヤゲン軟骨(¥180)
1羽に1つしかない鶏の胸近くの軟骨。軟骨の中でもかなり柔らかくコリコリした食感がたまりません。
これはやっぱり塩で頂くのが一番ですね。
うな肝スペシャル(¥250)/クリーミーレアチーズ(¥250)/いか練りウニのせ(¥300)
最後は3本セットで。うな肝は蒲焼きと同じ様に甘タレで。クリームチーズは串カツ屋さんというよりはイタリアンなお店っぽい。特製ソースと合わせると、とろけてくるチーズとの味の対比が素晴らしいです。いかとウニも面白いですね。
お店のあるジャンジャン横町には「八重勝」さんや、「てんぐ」さんのようにいつも行列の串カツ店があるので、ここで串カツ店にリノベーションしたという話を聞いたときは「なんで、そこで串カツ店するかなぁ」と思ったのですが、実際にお店に伺って食べてみて、良い意味で「場違い」なお店でした。海鮮をメインにした創作串カツ、しかも衣はかなりの薄衣で油も良く切られていて、とにかく軽い食感の串カツ。これはイイっ。
同業者が次に大阪に来て、「大阪っぽいもの食べたい」と言ったら、ここを含めてジャンジャン横丁で串カツハシゴというのも良いかもしれませんね。素敵なお店でした。ごちそうさまー
店名 | 王将倶楽部 |
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ジャンル | 創作串カツ |
住所 | 大阪市浪速区恵美須東3-4-9 |
電話番号 | (06)6456-9464 |
交通手段 | 地下鉄御堂筋線・動物園前駅より徒歩約5分 |
営業時間 | [月~金]16:00~23:00(LO.22:30) [土・日・祝]11:30~22:00(LO.21:00) |
定休日 | 火曜日 |
サイト | 店舗ホームページ / 食べログ / ぐるなび |
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