- 2024年1月8日
中崎町で気楽に楽しめるイタリアンバル@『オトナノサカバダ サカバアレグロ中崎町』
正月、観光客もほとんどいない中崎町。 夜になってシンと静かになった町に、暖かな光が見えたので、家族で夕食をしてきま……
相変わらずの食いしん坊4人で、季節が春から夏へと移り変わっていくタイミングで湯木さんへ行きたいねと話をしていたら、他にも行ってみたいという方がいらっしゃったので、この日は7人で北新地の湯木さんを再訪しました。
7人ということもあって、場所は本店ではなく、堂島に近い所にある新店。こちらの2階は本店よりもちょっとだけ広めのお部屋があるので、こういう時に便利です。
湯木さん自家製の梅酒を食前酒に頂いて、梅雨前に初夏を感じる会席を頂きました。
この日の最初の料理は冷菜の座付膳。
涼やかなガラス製の皿に、淵に取っ手が付いたような趣のある食器で、蓴菜(じゅんさい)などを頂きます。
新芽なのにゼラチン質はたっぷり。滑らかな大和芋の上に新鮮な生ウニと蒸しアワビ。豪華すぎるにもほどがありますが、主役はウニやアワビではなく蓴菜。
土佐酢のさっぱりとした味わいに、プルプルの蓴菜がたまりません。ウニもアワビもその味わいを全く邪魔しないのが本当にビックリします。
椀物は海老真薯。ふわっふわのとろけるような食感の真薯の中には、大ぶりの海老。白い真薯には梅肉の赤が良く似合います。
これに合わせるのが鮮やかな緑のよもぎ豆腐。こちらは見た目はしっかりとしているのに、口にするとよもぎの香りが口いっぱいに広がります。そして食感はなスープのような滑らかさ。
これだけ滑らかなのに、椀の中では形を保っているのが不思議なくらい。
もちろん、湯木さん自慢の出汁ががっしりと支え、心地良い美味しさに包まれます。
この日のお造りは鯛、烏賊、鯵。新鮮なお魚に本わさび、生海苔を合わせて頂きます。
醤油も刺身醤油、胡麻醤油とこんな所にも手間がかかっています。
梅酒をお替わりして、さらに堪能。刺身って、色々な所で頂きますが、本当に旬や鮮度って大事なのを考えさせられますね。
大皿で提供された途端に歓声が挙がった伝助穴子の棒寿司。
一人一人に取り分けていただいたのですが、このお皿がまた素敵。ちょうどこの季節にあった菖蒲が目に入るように盛り付けされています。
穴子はふっくらと肉厚で、酢飯は柔らか。空気を適度に含んで、酢は抑えめで穴子の美味しさを前面に出した大阪寿司。湯木の珍味・このわたも添えられていてこれも凄いですね。
こちらもどうぞと、胡桃に鰹節を和えた和え物と、白和えがまたとてつもなく美味しいので、ついつい差し出された日本酒をぐびりっ。ここに来るとついついあまり量を飲めないはずのお酒が進みます。
続いては、初夏から夏にかけての旬の鱧をしゃぶしゃぶで。
まだまだ「走り」と言われる時期で、同行者も含めて今年はじめての鱧です。
旬は「走り」「盛り」「なごり」と時期が移り変わるのですが、食材が出始めの「走り」の鱧、終盤の「なごり」の鯛の白子を同時にしゃぶしゃぶにします。しかも、鍋の中には旬の「盛り」の新玉葱。季節を大事にする日本料理らしい趣向です。
繊細な鱧をちょうど良い茹で加減にするために、お店の方におまかせ。
「走り」とは思えないほど肉厚の鱧を、自家製のちり酢か梅肉醤油で頂きます。このちり酢、酸味と出汁のバランスが最高なので、これだけでも舐めてしまいそうになるんですよね。
鱧には梅肉と思っていましたが、ちり酢も良いですね。
こちらも旬に入ってきた鮎。泳いでいるかのように盛り付けられた塩焼きは、そのままでも蓼(たで)酢でも。
釣りが好きな同行者からは、このくらいの鮎が若々しく内臓の苦みも穏やかで良いとのお話が。頭が付いた魚が苦手な方もいたのですが、香ばしい香りに釣られて食べて見ると、「美味しい」となりました。
山桃もこの時期が旬なんですね。穏やかな酸味の果汁が口いっぱいに広がります。
揚げ物も鮎。塩焼きよりも小さな稚鮎を躍動感ある形で揚げてあります。たたみ鰯、枝豆、とうもろこしと食感も味も違う食材を山椒塩で。
サクッと揚がっていて、これが辛口の日本酒にバッチリ。
炊き合わせは夏野菜が一杯。茄子、南瓜、小芋、破竹、万願寺唐辛子、赤パプリカに針生姜。これを湯木さんの美味出汁吉野餡で。
野菜はしっかりと火が通っているので、冷製にありがちな具材の固さはなく、ひとつひとつの野菜の味を、さっぱりと楽しむことができます。
特徴的な器をあけると、鹿児島牛のサーロインが。胡椒塩、柚子胡椒も用意されているのですが、西京焼きにされているので、そのままで食べても素晴らしく美味いです。
添えられている野菜も、それぞれがそれぞれの味を感じることができます。
〆のご飯まで旬の新生姜。新生姜の炊込み御飯に西京仕立ての白味噌の味噌汁。
椀を空けた途端に桜えびの強い香りがふわっと立ち上ります。
新生姜の柔らかな刺激と、桜えびの圧倒的な香り。ちょっと甘いかもと思える西京味噌で仕上げた鯛のかまを具材にした味噌汁は、ご飯との対比がしっかりと効いています。
思わず、お替わりを要求しちゃいました。
最後は湯木さんのデザートの定番の水菓子。季節ごとに違う旬の果実がどっさりと入ったフルーツゼリー。アングレーズソースの甘味は果物の酸味を全て受け止める素敵なデザートです。
この日の会席はいつもにも増して「旬」を感じさせていただける席でした。「走り」「盛り」「なごり」、それぞれの楽しみ方、味の違い、素材の使い方、食べることを通じて、本当に色々な事を学ばせて頂いています。
また、お伺いさせて頂きます。ごちそうさまでした。
店名 | 北新地 湯木 新店 |
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ジャンル | 懐石、和食 |
住所 | 大阪市北区堂島1-5-39 マルタビル 1F |
電話番号 | 06-6348-2777 |
交通手段 | JR東西線・北新地駅より徒歩5分 |
営業時間 | 11:30~14:30 / 17:30~22:00 |
定休日 | 日曜日・祝日 |
サイト | ホームページ |
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