空晴「32年生の8時間目」大阪千秋楽で心をほぐしてきました。

 大阪市会が某市議が取り上げたねつ造リスト問題で紛糾して、予算の成立が何時になるか分からなかった3月27日の夜。
特に待機もかからなかったので(市会事務局など徹夜の残業になった方々、本当にお疲れ様でした。)、さっさと予定通り、友人とともに、空晴の第9回公演「32年生の8時間目」の大阪千秋楽を観劇してきました。

空晴は大阪を拠点にする小さな劇団です。
年に2回ほどの公演を続けて、結成5年目。決して派手な効果などがある芝居ではないのですが、観劇後は劇団名の様な心が晴れた空のようにすっとしてしまう魅力のある舞台を創っています。

それと、やっぱり「大阪」が拠点の劇団ですのでね、ウチなんかはついつい肩入れしたくなるのです。

今回の大阪公演はミナミのウイングフィールドで。

ウイングフィールドは座席数100人の小劇場。演劇専用の小屋で、若手劇団応援シリーズとか幅広い人に「演劇を見に来てもらおう」「ひいきの劇団以外にも興味を持ってもらおう」といった企画や運営がされている素敵な空間だと思っています。
……さすがに最近は2時間近く座っているとおしりが痛くなってしまって、こらえ性が無くなったなぁと情けなく思っているのですが、小劇場独特の役者との距離の近さ、言葉の反響具合はなかなか他では味わえない楽しみですね。

さて、物語の舞台は小学校の1室。

同窓会の1次会を終えて、部屋の片付けに戻ってきた幹事とその幹事が名前を思い出せない怪しげな同級生(?)
怪しげな同級生はどうも幹事に何かを仕掛けようとしているらしい……

今回の登場人物たちは38歳と、ウチに近い年齢を演じていたので、それだけで親近感がわきます。
小学生時代の良い思い出、嫌な思い出、覚えている思い出、覚えていない思い出、観劇している人それぞれの思い出をすっとすくい上げる脚本の巧みさ、言葉の優しさに今回もやられました。
「あるある」と小学生時代のエピソードにうなずいて、三谷幸喜さんばりの勘違いから生じるおかしさに笑いをこらえ、強い口調なのに優しさのあふれる言葉に胸が詰まってしまう。

……ストーリーを書いてもなかなか良さを伝えにくいのですが、 どんなに嫌なことがあった日でも観劇後には心がほぐれてしまっていて、なんだか明日以降も頑張れてしまうような気になっている自分に気がつきます
「頑張れ」と肩を叩かれているというよりは、温泉にじっくりつかって景色を眺めてきた時のような、マッサージをしてもらっていつの間にか眠ってしまった時のような、紅茶をのみながら好きな本を読んでいて気がつくと2時間くらいたっていたときのような、そんな心地よさを味わうことのできる稀有な劇団です。

大阪公演は終わってしまいましたが、4月20日・21日に福岡公演(大博多ホール)がありますので、九州の方はぜひ。

ちなみに次回の大阪公演は、年末に梅田のFEPホールとのこと。しばらく期間が空きますが、これからも注目していきたいです。

で、巧く文章にまとめられなかったので、一言感想と気になったことを最後に列挙。

  • 上田康人さんの役を中盤まで、○○のように誤解させるのが巧い。
  • 連続さん……30体分裂見たかった。超ミニ版をケータイストラップにでもすれば買うかも(笑)
  • 学校の七不思議の下り。シツコイくらいに繰り返すのに爆笑。でも、これは時間がある限り重ねて行くべき。
    「天井の…………シミっ!」
  • ストーリーのもの凄く大事なポイントになる書き間違い……ごめん、最初に台詞で出た瞬間に分かってしまった。
  • ………………「はっこき鍋