- 2023年5月14日
佐藤浩二『ロゴデザインのコツ』ノンデザイナーこそ読んでほしい良デザイン書
オリコンやソフマップ、私のように大阪の公務員だったら「健活10」のロゴもそうですが、数多くのロゴを制作してきたロゴデザイ……
2月に行った3つのセミナー、最後は「フォント」を30分間で語るニッチなミニセミナーでした。
地方公務員オンラインサロンで喋らせて頂いたのですが、これは私からの持ち込み企画です。サロンでは月に数回著名な人を招いてセミナーを開催していたりしてそれがまた良いんですが、もっとサロンのメンバーそれぞれが持っている話(ネタ)も聞いてみたいなと思っていたんです。
そこで、30分1テーマ、店主のこだわりを30分語ってもらうという居酒屋HOLGという企画。
そういう形であれば、他のサロンのメンバーも偏愛するネタを持ってきてはなしてくれるんじゃないかなぁと思ったり。
言い出しっぺとして、私からは仕事で使えるようなフォントの知識を語ってみました。
今回のネタは「windows11に搭載されている標準フォント」を題材に、公務員に仕事をするうえで持っておいてほしい基本的な知識をご紹介するというものです。
そういう内容なので、ウチ(が勤めている大阪市)の規定などと違ってたらやだなぁと思ったので調べてみたら……
衝撃でした。おぉ、明朝体やゴシック体はダメなんだ。私が入庁した頃は手書きで起案文を作っていたので楷書なのは分かるのですが、PCで書類を作るようになってから楷書体をメインで使ったことないぞ……
これはもう見なかったことにして、ひとネタとしてぶっ込んだんですが、全くウケませんでした……おぅ。
Windows11(10も同じ)に搭載されている標準フォントはこんな感じ。
基本的に自治体では概ねOSはWindowsですし、この標準フォントだけで仕事をしているはずです。
よく使われているフォントは、MS明朝、MSゴシック、あとはちょっと可愛くHG丸ゴシックM-PRO、なんだか太字にしなきゃという意識が働いてHG創英角ポップ体といったところ。特に本文にポップ体を使われていると頭を抱えたくなります。
MS明朝もMSゴシックもWindows3.1時代から使っているフォントなので、古い書類を使い回ししている人が多いのですが、そろそろフォントに敏感になってほしいなぁなんて思ってしまいます。そこで、書体ごとに標準フォントのおすすめをお伝えしました。
標準フォントの一番の弱みはファミリーで提供されていないこと。ウエイト(太さ)が一つのものしかないので、太字でゴシックがないと思っているから「太くしなきゃ!じゃあポップだな」なんてことになってしまうんですよね。
ところが、メイリオとBIZ UDゴシックは太字がちゃんと用意されているので、標準フォントならMSゴシックではなく、こちらを選んでほしいなと思います。
明朝体は更に選択肢が少なくて、太字のあるフォントがないんですよねぇ。
なので、選択肢としては役所で使うなら BIZ UD明朝の一択かなぁと思うわけです。とにかく、市民への通知などは可読性を最優先するとこの選択肢しかありません。
POP書体は山ほど使われているのに、教科書体はあまり使われていないんですよね。UDデジタル教科書体は太字も用意されているので、もっと行政文書で使って欲しいと思います。
このフォントを制作したモリサワのホームページでも紹介されていますが、ディスレクシア(読み書き障害)の児童にも比較的読みやすい書体とされているので、教育現場では特にしっかりと使って欲しいなと思います。
少ない種類の標準フォントを実際に仕事で使うならということで、使用例もご紹介しました。
起案文や長く読ませる説明資料などは長文でも読みやすいBIZ UD明朝ですすめます。
Windows10や11では、デフォルトは游明朝になるんですが、改行幅が広すぎてそこから設定しなければいけないので、余計なストレスを感じないようにBIZ UD明朝ですすめるのがいいかと思います。
ただ、BIZ UD明朝には太字がないので、無理矢理太字にするくらいならHG明朝Eを使うか、あえてBIZ UDゴシックの太字にするのも一案かなと。
事業をSNSなどで告知する機会も増えてきています。ホームページなどでも文字だけでなく、バナー画像が一つあるだけでページの印象が変わります。
紙文書と違ってWeb・SNSの情報はスマホで見られることが多いので、視認性・可読性に長けたゴシック体を選びたいところです。
基本的にはBIZ UDゴシックで、タイトル部分を太字で表示します。特にメイリオの太字はしっかりと太いで、タイトルで使うならこちらですね。
POP書体は使い所が肝心。個人的には「使わない」つもりでデザインを仕上げていくようにしています。
仕事柄、申請書類の記載見本などを作る機会が結構あるのですが、その時のフォントもしっかりと選びたいものです。
記載欄以外のフォントは一般的な明朝書体が使われていることが多いとは思うのですが、見本の部分まで同じような明朝書体にすると「どこにどう書いて良いのか」が分からなくなってしまいます。
どうしても目立たせようとPOP書体を使っているのも見受けられますが、それだとまるで太いマジックペンで書いたような不自然な記載見本になるので、ここはBIZ UD教科書体をおすすめしたいですね。
教科書体の特徴は、字形が実際に手で書くものにそっていることです。明朝体やゴシック体で見本を書くのと違い、明らかに「ここに書くんだ」ということが分かりやすいです。
標準フォントを考えて選ぶだけでも仕事の質が上がってきます。が、
ですよねーーー
なので、職場で使えないかもしれないけれど、無料で使えるフリーフォントの世界をご紹介しました。
デザイン系のブログ「コリス」さんで毎年紹介されている和文フリーフォントをご紹介。全部で743種類もあるので、気に入ったフォントをインストールしてみて、自分で使ってみるだけで、フォント一つでデザインが変わる感覚を知ることができます。
本当はフォントを組み合わせる「混植」や、エヴァフォントなどをサブスクで使用できる有料フォントの世界も、まだまだ話せるんですが、この日はここまで。
またフォントの話は自身のブログでも語りたいと思います。
次の店主に「配色」について語ってもらうこともお願いしたし、居酒屋HOLGの企画としてはまずは狙いどおりのスタートを切れたかな。
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