- 2019年4月6日
キャラメルボックス「スロウハイツの神様」環やコーキがそこにいる
まぁ、なんていうか。あらゆる物語のテーマは結局愛だよね 待ってました。本当に待ってました。 一昨年に東京のみで公演があり……
成井硝子店は、劇作家・演出家の成井豊さんが昨年開店したガラス店……じゃなくて「ガラスのように美しい芝居を作る」お店。
自身の活動の中心だった演劇集団キャラメルボックスが休団になり、成井豊さんがその新しい活動の場として、家業の硝子店の名称で、家族で舞台を作り上げていくと発表されたときには、本当にワクワクしました。
しかし、コロナ禍で昨年春に予定していた公演は延期、1年越しの公演でもコロナの影響は薄れず、色々と対策した中での公演になりました。
……おかげでオンライン配信を観ることができたのですが。
家族で作り上げた3つの短編演劇、アーカイヴ視聴しながら、これからの商売繁盛を願ってご紹介。
最初の1本目は、店主・成井豊さん脚本の『開演15分前』
一昨年のキャラメルボックス俳優教室の卒業公演で、キャラメルボックスの代表作の一つ『銀河旋律』を公開された際に、合わせて書き下ろしということで作られた作品……のはず。
舞台は、あとの2作品も含めて『銀河旋律』のヒロイン・はるかが勤めている飛鳥高校の演劇部が舞台となっています。
(余談ですが、『銀河旋律』は脚本がキャラメルボックスのホームページで公開されているので、興味のある方はそちらをどうぞ)
3年生の引退公演の「開演15分前」、主演女優・あおいが事故に遭って病院に行っていることを知らされた演劇部の3人。なんとか公演を行いたい3年生・ほづみと、主演女優がいない中での公演は無理だという演出を行う後輩・ななみ、みさきはなんとかななみを代役に幕を開こうとすすめるが……
やはり成井豊さんらしい速いテンポで展開する会話が、女子高生らしいわちゃわちゃとした面白さで一気に見せます。
出演されている女優の2人が生田麻里菜さん、山本沙羅さんとキャラメルボックス所属ということもあって、キャラメルボックスのテイストが残る楽しい15分です。お二人ともキャラメルボックスでの舞台は休団前の『ナツヤスミ語辞典』での出演しかないのに不思議です。
演出は成井豊さんの長男、成井憲二さん。親子で演出が似ているところ、似ていないところがあって、『成井硝子店』の品揃えに興味がひかれます。
2本目の作品『KEEPSAKE』
実は言葉の意味が分からなくて調べてみましたが「記念品、形見」というような意味があるようです。
たった2人の演劇部。3年生になって、部を存続させるために1,2年生を勧誘するが、部を継いでくれる人はいない。
あかねは未来に演劇部を託すために、未来の後輩のためにマニュアルを残そうというが……
そして30年後、生徒会室の棚の奥に眠っていた「創部マニュアル」を、廃部間近の演劇部部員が見つける
私の通っていた高校も演劇部があって、3年生の時に幽霊部員として名前を貸したことを思い出しました。私が卒業した翌年、1年生が入ってきて無事演劇部は存続したんですが、なんか色々と思い出しました。
今も、どこかの高校でこんな演劇部があるんだろうなぁと、微笑ましく思ったり。
好き。先輩と後輩って3年生から1年生じゃなくて、同じ高校で同じ時間を共有できなくても繋がる思いがストレートに刺さる「これを見せたい、伝えたい」がはっきりと分かるストーリーでした。
短編芝居じゃなくても、それぞれの先輩、後輩のアフターストーリー、サイドストーリーが見たいと思わせました。回想シーンと音楽のタイミングが絶妙に好き。
ラストシーン、「創部マニュアル」を読んだ言葉が、なんだか今、まさに高校生で演劇をしている人への応援みたいでめっちゃ好き。
『終わらぬ花火』
「部活って嫌々やるもんじゃないでしょ」
『KEEPSAKE』での台詞の一つが、また違う舞台で突き刺さる。すごい。
楽しい3年間、部活を過ごせるかどうかは色々な要素があります。目標や目的、望みが違って、大人になったらぶつかることを避けてしまいそうなことでも、あの頃ならぶつかってしまっていただろうなぁ……
仲が良かった同級生が、部活への取り組みでいつのまにかすれ違ってしまう。
先輩が取りなしても、後輩がいてもうまくいかない。
上演時間50分間と、3本の中で一番長いということもあって、感情の揺らぎが一番大きくて、結構苦しいシーンが続きます。
ラストシーンの感情の発露から、3ヶ月後、1年後、5年後の彼女らの関係性を知りたいと思ってしまう物語でした。
3つの作品を繋ぐのは成井豊さんの長女・成井夏野さん。
『開演15分前』と『KEEPSAKE』を繋ぐダンスが、キャラメルボックスのテイストがあってうわぁと感激したんですが、なるほどキャラメルボックスのダンスの振付をされていた川崎悦子さんの元でダンスを学んだのかぁ…
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『キャラメルボックス』ではなく『成井硝子店』、
#成井硝子店『ゲキジョ!』
なんというか、キラキラしていた。本当にガラスのように。
成井豊さんや成井ひろみさん、そして #キャラメルボックス の俳優さんも関わっているから、キャラメルボックスを期待しちゃうけど、それは違う。
成井硝子店で作る舞台作品は、荒くて、まぶしくて、キレイ— があ@食の都・大阪の雑食系公務員ブロガー (@gar_osaka) March 25, 2021
これからも観たいです。成井硝子店の「ガラスのように美しい芝居」。
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