旬の物を食べたい、おいしいもの好きの人たちとゆっくり話をしたい、そう思った時に伺わせて頂けるお店を知っていたり、一緒に行きましょうと言って頂けるのは嬉しいことです。
真夏の一日に、北新地の湯木さんに再訪しました。
四方ガラス敷き皿八寸
涼を感じるガラスのお皿に、オシドリの器。まるで絵画のような八寸に心を奪われます。
ほおずきに包まれた「蒸しあわびキャビア金粉」が豪華ですが、白和え、玉子かまぼこ、くるみなど一つ一つが上品な味わいでもてなします。
すっぽんの茶碗蒸しあんかけ
椀物になるんでしょうか。薄く生姜餡が表面に被さっており、すっぽんの美味しさが凝縮された茶碗蒸しのなめらかな食感に感動します。
すっぽんは味に癖があるなんて思っていたのですが、この茶碗蒸しを食べるとそんな思いは吹っ飛びます。何しろ、うま味しかない、そしてすっぽんじゃないとこのうま味は出ない。こういうのを頂く、本当に料理って凄いと思ってしまいます。
お造り蓮葉盛り
お造りは蓮の葉を器に盛られています。こういう辺りも日本料理の季節を大切にする心ですね。
この日は鯛と縞アジ、あおりいかの3種。湯木さん特製のこのわたをあおりいかにのせて頂くとお酒が進みすぎて困ります。
縞アジは新鮮そのもので味が濃く、鯛の好ましい弾力、北海道産雲丹の濃厚な甘味。それぞれの味、食感、香りがバランス良く用意されているのも魅力です。
鮎の塩焼き白蒸し
鮎も旬物。塩焼きにした鮎の身を餅米にのせて白蒸しにしています。天然の鮎は西瓜の香りがするなんて言いますが、器からはふんわりと良い香りがします。餅米と一緒に頂くと上品な鮎ご飯を頂いているような感じ。
そうそう。骨煎餅がまた素晴らしいんですよ。パリッと揚がっていて、あんばいが良くて。丸ごと頂けますよ。
鱧すき鍋
関西の夏というとやはり鱧。湯木さん自慢の出汁で作る鱧すきは本当に絶品です。
店主自ら仕立ててくださったので、茹ですぎという心配はなし。見事に花の広がった鱧に、出汁が染みこんだ冬瓜、豊かな味わいの椎茸など一つ一つの完成度が違います。
出汁が本当においしいので、そのままで飲みほしてしまうのですが、生姜を出汁に含ませると、また出汁のうま味がズンと浮かび上がってきます。
淡泊な味わいと思われがちな鱧ですが、このお鍋では堂々と美味しさを主張しています。
銀鱈西京焼き、鰻八幡巻きフライ
まだまだ料理は続きます。次は焼き物・揚げ物。
西京焼きというと鰆のようなイメージを持っているのですが、ここでは銀鱈で。味噌の甘味と鱈の力強い味わいとのバランスが取れており、とにかくおいしすぎます。こんなの出てきたら「白ご飯頂戴!」なんですが、ここでは日本酒で楽しみます。本当にお酒が進むったらありゃしません。
鰻八幡巻きをフライにするという料理は初めて頂いたのですが、衣が軽く八幡巻きのお美味しさが強烈に感じられる逸品でした。
地味にコーン、枝豆のかき揚げがとんでもなくおいしいんですが、このおいしさどう書けば伝わるものか悩みます。
冷製仕立て 彩り夏野菜焚き合わせ
金縁のガラス器に盛られた夏野菜。かぼちゃや人参、長芋などが一つ一つに出汁が「しゅんでる」ので、食べやすくそしてさきほどの揚げ物の油がすっと消えて無くなる感じです。
個人的には生麩が凄くおいしい。
宮崎牛A5サーロイン塩焼き
脂がしっかり乗ったサーロインはシンプルに焼き野菜を添えて。
わさび、トリュフ塩、辛子醤油が添えられているんですが、どれを選んでも肉のおいしさはきちんと伝わってきます。
炊きたて新生姜ご飯
〆のご飯というには豪華すぎる土鍋一杯の桜えびが鮮やかさ。新生姜を刻んで、桜えびもたっぷりで「凄い!」としか言いようがありません。
これだけ桜えびが乗っていると、生姜の香りも飛んでしまいそうですが、全くそんなことはなく、生姜と出汁が効いたおいしいご飯に桜えびの香ばしい香りと食感が楽しめます。もう本当にお腹が一杯のはずなのに、同行者ほとんどがお替わりをお願いするという本当に素晴らしい料理でした。
水菓子、八朔大福
そして最後はデザートに白桃と西瓜を閉じ込めた水菓子に、苺大福・蜜柑大福ならぬ八朔大福。酸味がしっかりとした八朔大福は心地良いデザートでした。
どれもこれもがメインのような素晴らしい構成で、五感に響く料理の数々、堪能させていただきました。ごちそうさまでした。
店名 | 北新地 湯木 新店 |
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ジャンル | 懐石、日本料理 |
住所 | 大阪市北区堂島1-5-39 マルタビル 1F |
電話番号 | 06-6348-2777 |
交通手段 | JR東西線・北新地駅より徒歩5分 |
営業時間 | 11:30~14:30 / 17:30~22:00 |
定休日 | 日曜日・祝日 |
サイト | ホームページ |
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