- 2022年2月12日
大阪中之島美術館の開館で、中之島の魅力は更に高まった
1983年の構想から約40年の月日を経て、2月2日に開館した大阪中之島美術館に行ってきました。 公認ライターとして記事を……
前から気になっていたんです。
何度かスペシャルな夜の懐石料理を頂いている「北新地 湯木」さん。
こちら、名料亭の「吉兆」の創業者・湯木貞一氏のお孫さんが経営されているお店なんですが、お昼の営業では弁当の代名詞「松花堂弁当」を頂ける松花堂御膳を提供されています。
Wikipediaでも紹介されていますが、「松花堂弁当」は茶室「松花堂」での茶事に湯木貞一さんが、茶室の名前になっている江戸時代の茶人・松花堂昭乗が愛用した煙草盆を模して器に使ったのが始まりとされています。
そんな本家「松花堂弁当」を実直に受け継いでいる料理が食べられるなんてなんとも興奮するじゃないですか。
お料理はまず湯木さんの名物の「海鮮の石焼き」から。
酒盗で下味を付けた海老、帆立を熱々に熱した石に乗せて焼き上げて頂きます。
酒盗というとちょっとクセのある香りで苦手な方もいるかと思うのですが、焼き石に具材を乗せた瞬間に立ち上るのは、漁港などで地元の漁師さんが作るような磯の香りの混じった甘い香り。
海老を口にすると、元々の素材の旨みをグッと引き出しており、ちょっと焦げたところも香ばしくて良い感じです。
海鮮の石焼きでほどよく食欲が増進された頃に、松花堂弁当が提供されます。
深い弁当箱の中は十字に仕切られており、煮物、焼き物、揚げ物、お刺身と綺麗な小鉢とともに納められており、見た目にも本当に美しいのですが、この作りはそれぞれの料理の味や匂いが互いに移らないようにしているという機能的な面もあります。
どの料理ももちろん美味しいのですが、焼き魚とともに添えられている「生麩の蒲焼き」は、これも祖父・湯木貞一さんから受け継いだお店の名物。
生麩の滑らかな柔らかさと、心地よい弾力の食感、そして他の調理法ではなかなか味わえないタレと合わさった力強い旨みが何よりも特徴的な逸品です。
柚子の香りと噛みしめるほどに心が和らぐ煮物、旬のお魚の美味しさをそのまま味わうお刺身、サクッと食感の心地よい天ぷら、ご飯との相性が素晴らしい山椒しらすと、どの料理も日本料理の素晴らしさを感じさせていただけるのですが、それも含めてどうしても味わって頂きたいのがこちらのお味噌汁。
具材は厚揚げと旬の鰤、白味噌仕立てのお味噌汁。
一口、口にするとふわっと味噌の甘みを追いかけるように出汁の美味しさが広がります。大きめにカットされた長葱と厚揚げを包む出汁の美味しさは言葉が出なくなるくらい驚いて、一拍おくとため息がでてしまいます。
日本料理の基礎はやはり出汁で、その出汁の美味しさを本当に目一杯学ぶことができます。
柚子シャーベットを頂いて、ほうじ茶でくつろいで、席を立つ頃には料理以上のものを頂いたような気分にさえさせてくださいます。
お昼のメニューは、¥1,800円の鯛茶漬御膳から、¥5,000のミニ懐石、お祝い事にお薦めの¥7,000の特別懐石まで。
なかなか普段使いにはお薦めできるお店ではありませんが、卒業、就職、結婚、両親への感謝の席、ここぞという時に、本物の日本料理を味わっていただければと本当に思います。
あぁ、大満足の昼食でした。
店名 | 北新地 湯木 新店 |
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ジャンル | 懐石、日本料理 |
住所 | 大阪市北区堂島1-5-39 マルタビル 1F |
電話番号 | 06-6348-2777 |
交通手段 | JR東西線・北新地駅より徒歩5分 |
営業時間 | 11:30~14:30 / 17:30~22:00 |
定休日 | 日曜日・祝日 |
サイト | ホームページ |
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