新世界、通天閣を中心としたエリアで今年も行われたデザイン&アートイベント「ツムテンカク2015」、今年も行ってまいりました。
街に飛び出して、アートをデザインを体感できるイベント「ツムテンカク」。facebookで繋がっている友人が携わっているのもあって毎回楽しみに参加させて頂いています。
イベントの中心はスパワールド付近で、様々なクリエイターが作品を紹介物によっては販売していたりするんですが、今回は新世界を飛び出して、あの味園ユニバースでは「ツムオト キャバレ~なう!」と題して音楽イベントを開催していたり、小劇場in→dependent theatre 1stで演劇公演をうったりしています。
先約があってなかなか全部を体験することはできませんでしたが、参加したなかで面白かった演劇公演「ひもろぎ異人抄」をご紹介。
いつかのとき、どこかのところ、とある村あり。
村の長老には娘がひとり。この娘、盲いた娘で、
長老、かねてよりの悩みをひとつ、貌に痣持つ変人博士へ打ち明けた。「どうか、娘に婿をひとり、見繕ってはもらえぬか。」
人間嫌いの博士はチッと舌打ちしたが、頭下げられ、金を積まれて、
ようやくしぶしぶ引き受けた。
どんな男を?どんな手で?さて、どんなことに相成るか?……それは、貴方次第。
通常、演劇の公演では開演前にスマホ、携帯電話の電源を切るのですが、こちらの公演はスマホの電源を(マナーモードにするものの)切らないことを推奨されます。
と、いうのも物語の展開をスマホで観客に選択させる仕組みで演じられるので。物語の途中で、登場人物の講堂を二択で観客が選択し、その通りに物語が分岐します。
物語は、目の見えない長老の娘からの独り言からはじまります。
そして、貌に大きな痣を持つ変人博士の元を訪れた村の長老が、その娘に婿をあてがってもらいたいという所で最初の選択肢。
長老は変人博士を説得するのに「金を積む」か「脅す」か。
ちなみに私は「脅す」をチョイス……ですが、多数決で「金を積む」に決まり物語は進行。
自身の考える以上の金を積まれた博士は、長老の娘の婿となる「人間を造り出す」。
あぁ、なるほど。フランケンシュタインの物語になるのか。
造り出した人間は、博士自身が忌み嫌う醜い男。自身の過ちを認められない博士は、自身が造り出した「人間」を貶し、失せろと言い放つ。
村で暮らす男の誰より健康で、明晰な頭を持つ男は、博士にたったひとつの願いを伝えるのだが……
面白い公演でした。お芝居を盛り上げる音楽は役者でもある一二三礼さんが直接ピアノで演奏し、要所で一二三さんと音楽ユニット「YAGU-LA」を組む落合ゆかりさんの美しい歌声が劇場に響きます。
観客が選択する機会は2回なので、物語は4つに分岐。最初の選択肢では主人公が変わると言っていたので、もしかしてもう一方の選択肢を選ぶと、人造人間ではなく博士が主人公になったのかな……役者さんは大変だろうけど、もう少し分岐が多かったり、選択の幅が大きく違うという感じになっていれば良かったかな。
脚本・演出と、主要な役どころの長老、博士を演じた役者さんは劇団「夢歩行虚構団」という劇団に所属の模様。奈良の劇団みたいなので、機会は少ないだろうけど、また観る機会があればいいな。
公演名 | 「ひもろぎ異人抄」 |
---|---|
公演期間 | 平成27年5月23日(土)・24日(日) |
場所 | in→dependent theatre 1st |
サイト | ツムテンカク内公式サイト / 夢歩行虚構団ブログ / 夢歩行虚構団facebook |
コメントを書く