本日、休暇をいただき新神戸オリエンタル劇場で千秋楽を迎えたキャラメルボックス「無伴奏ソナタ」の千秋楽を観劇してきました。
キャラメルボックスでは主に本公演が年4回あるのですが、その合間に若手公演だったり、音楽劇だったり、名作劇場だったり、比較的小規模の企画公演を挟んだりします。
今回は”アーリータイムス”と題して、劇団の創設初期に取り組んだ作品(の原作)に、今取り組んだ温故知新な作品になっています。
そして、その作品が「エンダーのゲーム
」などの作品で有名な
その人の持つ能力で仕事が決められてしまう近未来の世界。
演奏家”プレイヤー”の両親から産まれたクリスチャン(多田直人)は、類い希なる音楽の才能を見いだされ、”メイカー”としての人生を決められる。
2歳で両親から引き離され、深い森の奥で創作活動に集中するクリスチャン。
“メイカー”既製の音楽を聴くことも、他人と接することも禁じられている。
30歳になったある日、音楽を聴き評価する”リスナー”の一人から、バッハの曲が入ったレコーダーが渡される。
“君に欠けているものが、ここにはある”
人の幸せが「法」によって守られている世界。
定められた職につくことで、人は必ず幸せになるとされている世界。
音楽の才能を持ち、音楽を創造することに幸せを覚えるクリスチャンが、音楽に関わることを禁じられた時 、彼はどうするのか。
物語はクリスチャンの一生を一つ一つ切り取るように演じられます。
自身の子どもの幸せを祈って、クリスチャンを手放し、”メイカー”としての人生を送らせる両親。
森の奥で創作に没頭しながらも、投げ込まれたバッハの音楽に感じ悩むクリスチャン。
そして、”メイカー”の職を奪われて、音楽を禁じられた人生を送ることとなるクリスチャン。
クリスチャンが送る苛烈な人生。音楽に接することができている時、接することができない時それぞれのクリスチャンの顔の違いが忘れられません。
けっしてハッピーエンドではありません。
しかし、彼の送ってきた人生に”喝采”の拍手を贈ることに躊躇いはありませんでした。物語を閉じる暗転の前に必死に拍手をしました。
拭う暇なく気がついたら泣いていた。手が痛くなるほど手を叩いた。喝采を送った。歌った。観たのは千秋楽だけ。でも、観て良かった。見逃さなくて良かった。そんな舞台だった。無伴奏ソナタ。もう一回観たいような、この気持ちを大事にしたいような。#caramelbox
— 山中正則(があ)@大阪さん (@gar_osaka) 6月 4, 2012
正直なところ、見終えて何時間もたった今でもどう表現して良いのか分かりません。
ただ、もの凄い舞台を観たという気持ちで一杯です。
ダイジェストムービーでシュガーの歌を聴くと、正直なところ”ヤバい”です。
主演の多田直人さんはこの後、夏の公演「アルジャーノンに花束を」で阿部丈二さんとのダブルキャストで主演のゴードンを演じることが決まっています。
本当に楽しみでたまりません。
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