- 2020年6月1日
『公務員と語るホントの本音』今の公務員とこれからの公務員
イベント自粛が続く中、様々な分野で困ったことが起きています。 何より困るのは、今年・来年、人生の選択肢を迫られる世代。 ……
昨日、職場で普段は私の席の前に座っている保健師さんが宮城県に向けて出発しました。
3月11日の東北地方太平洋沖地震の発生から4日間がすぎました。
地震発生直後は事態の重大さに気づいておらず、帰宅途中にTwitterのTLを読み込み始めてから、とんでもない大事だということに気づき、帰宅後にTVの放送を見て愕然としました。
あの日、神戸で高速道路が路盤ごと倒れ、知っている場所が炎に包まれた風景を思い出し愕然としました。
週末はほぼTwitterとテレビ報道に齧り付いていました。激しく流れるTwitterのTLには地震の惨状を伝えるツイートの中に、被災者になんとか役に立ちたい、被災者を励ましたいという情報が色んなかたからツイートされ、そしてReTweetされていました。ウチも必死になって役立つだろう、役立つかも知れない情報を見つけては公式RTを繰り返しました。
ウチのフォロアーは900名強です。大した発信力があるわけではありません。それでも、ウチが地方公務員だと知ってフォローしてくれているフォロアーがRTしてくれるかもしれません。
神戸の時にはTwitterのようなツールはありませんでした。TLの激しい流れを見ながら、これは絶対に役に立つ、役に立てると思いながら、RTを繰り返しました。
震災から3日過ぎました。
私の勤める大阪市でも平松市長( @hiramatsu_osaka )や市の市民協働チームの公式アカウント( @do_kyoudou )が積極的に情報発信し、フォロアーの多い著名人が公式RTを繰り返し情報の伝播に努め、一個人が公式RTを繰り返す意味合いは減ってきました。
そろそろ落ち着いて「ウチができること」を考えてみる時間だと思いました。
大阪市から緊急に派遣されている消防局、水道局、ウチの職場の保健師や医師のような専門職はプロの集団です。私のように事務職の公務員はそんな場では役に立ちません。
でも、やっぱり地方公務員として働いていると、何か人の役にたってみたいという気持ちになるのです。いやいや、そんな高尚な気持ちやなくて、「格好ええ地方公務員」て言われるようなことをしてみたい気になるんです。
TwitterのTLを眺めていると、あることに気づきました。震災の発生時から多くの医師が、被災者からの相談に答え、質問があればそれに答えると表明しているのです。
一人の医師が相談に応じるよとツイートすると、それを見た人がRTを続けています。Togetterというツイートをまとめて一つのページにするサイトでは、まとめも作られていました。
しかし、私はTwitterとTogetterのまとめでは、被災者を支援する医師たちの力を束ねるには不十分だと思われました。
ここなら、ウチがもしかしたら役に立つかもしれない……
そこで、TwitterのTLをさかのぼって、Togetterにまとめられた医師たちのツイートを読み直して、Twitter上で被災者からの相談を受け付けると表明されている医療機関関係者のアカウントを診療科、専門ごとにまとめてリスト化しました。
急いでサイトを公開し、ツイートしたところ支援の輪は広がり、国内外から100名を超える医師、看護師、助産師等の方々をリスト化することができました。
当初は被災地の方からの相談を医師に繋げることが目的でしたが、#311care などのツイートを見ていると、専門外の相談を受けた場合に専門医に繋ぐという使い方もして下さっているようです。
正直な話、今日現在、被災地でTwitterを見ることができる方というのはそれほど多くはないはずです。Twitter上でしか相談できない医療関係者のリストがどれだけ役に立つねんというツイートも見ました。
確かにそうかもしれません。被災地では医師・看護師が圧倒的に不足しているという情報も耳に入ってきています。
ですが、現地に向かうことができない、それぞれの日常の中で彼らを必要としている人を支えたうえで、それでも被災地の方々を支援したいという医療関係者の方々はプロとして「自分のできること」をやろうとしているのです。
さらに、今回の震災は神戸の震災と同じように復興には長い時間が必要です。今、被災地で必要としている緊急的な医療支援だけではなく、復興に至る過程の中で医療関係者が果たす役割は決して少なくありません。
通信インフラが回復して、復興への道のりを歩み始めたときにこそ役にたつはずだ、そう思っています。
私はプロの医師でも、プロの看護師でも、プロの保健師でもありません。医療相談に応じることはできません。ですが、私は「人の都 大阪市」のプロの行政職員として人と人を繋げることならばできるんじゃないかと思います。
まずは、今作成しているリストの随時更新と、もっと活用しやすいケータイも含めたサイトの作成。長期的な視点で、「ウチがでくること。」に取り組んでみたいと思います。
えぇ、かなり格好つけてますとも。
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