広報板

「解釈」の本を解釈したデザインの思考を読んで刺激された公務員のデザイン思考の話

広報板

大好きなコピーライターの阿部広太郎さんが「それ、勝手な決めつけかもよ?」という「解釈」の本を書かれて、このブログでも感想を書いてみたりしていたのですが、その書籍のデザインを「解釈」したnoteが本当に素晴らしくて、阿部さんに伝えたところ、こんなTweetをいただきました。

デザイナーの新八さんが、依頼を受けて、「解釈」して一冊の本のデザインを仕上げていく仕事の過程が丁寧に書かれていて、本当に刺激を受けました

ポスター

普段の仕事で、(デザインを外注するほど予算がないので)ちらしやポスターのデザインをする機会があります。

なかなか自身の仕事を振り返る機会はないのですが、新八さんの記事を読んで、そういう思考の流れや、作業をまとめてみると良いなぁと思いました。

先日、Facebookで自身が作成したポスターを紹介して、「こういうのって、作成までの作業経過をnoteとかブログにまとめたら読む人いる??」っと書いて、一人でも反応があれば書こうという思ったら、ありがたいことにある自治体の方から読みたいと言ってもらえたので、記事にします。

読んでくれる人がいるってだけで、書く気になるんです。
元になった新八さんの記事もぜひ読んでみてください。

note(ノート)

noteについて、これからはゆるくやっていこう、そう決めた。 そう決めたはずだったんだけど、さっそく、そうはいかなくなっ…

普段ブログに書くときにはすっ飛ばす解釈や思考の流れも書くので、かなり長文です。お時間のあるときにどうぞ

仕事のきっかけから企画まで

6月下旬のある日、広報担当の係長からこんな内線電話が入りました。

「(があ)係長、(区役所の)広報板に空きがあるんですが貼るポスターとかありませんか?」

私の勤める天王寺区は76か所の広報掲示板があります。
掲載する際には、あらかじめ時期を決めて事前に広報担当に依頼するのですが、普段はあまり空きがでません。地域のイベントの周知や今だったらワクチン接種の案内などのお知らせを掲示したり、時には選挙啓発などのようにこちらの予定などお構いなしに送ってきて貼らなきゃいけないポスターがもあったりします。

しかし、去年来、新型コロナの蔓延であらゆるイベントなどが中止になり、ポスターやちらしの掲載がかなり減りました。そんなこともあって、「空きがあったら教えてね」と言っていた私に連絡をくれたようです。

空いているスペースはA4サイズが横に3つ分くらい。
A3縦のポスターであれば以前に作ったものがあるのですが、空いているスペースに合うポスターはありません。かと言って、A4サイズのちらしを貼るのは、広報板という媒体を考えてもあり得ません

「貼るポスターないけど作るわ」

私の答えはこれ一択です。
市民・区民の周知・啓発できるスペースがあるのに、それを空けたままにするのは「機会の損失」にしかなりません。
大げさかもしれませんが、76か所もの広報(広告)スペースを空けたままにしたら、お金を出してでも広告したい企業もあるでしょうにもったいなすぎます

企画ノート

さっそくノートを開いて、企画を考えます。

3年前の大阪北部地震から一時期依頼の多かった防災出前講座が、このコロナ禍でほとんど無くなってしまいました。そこで、昨年から防災出前講座で行っていた内容を少しずつ動画にして区役所のYouTubeチャンネルで配信しています。

現在15本の動画を掲載しているんですが、視聴数はまだ多いもので800ほど。
まずは本数をあげることが大切だったので、視聴数はあまり気にしていなかったのですが、本数も増えた、防災啓発という意味でそろそろ視聴数をあげていけるようにしたいところ。

となると、

  • サイズはA3横
  • 防災啓発動画の視聴数を上げる→区役所が防災啓発動画をYouTubeにあげていることを知ってもらう
  • 広報板に貼ったときに埋もれないビジュアル重視。紹介ページに動画の内容などは書いてあるので無駄な説明は不要
  • 区役所の紹介ページへのQRコードは必須

といったところが、基本的なポイント。
そこから、自分の頭で思いついたデザインをラフでいいので描いていきます。

この時に思いついたデザイン案は3つ

  1. 背景は夏っぽい青空、のぼり旗で「冷やし中華はじめました」ならぬ「防災動画はじめました」
  2. スマホから飛び出して、動画が浮き出しているようなSFチックなもの
  3. YouTubeライブをPCで閲覧したときの見た目を再現

この段階ではデザイン案に枷はかけず、思いついたらとにかく描いてみます
ただ、この作業は自身のデスクでやっているので、長い時間を取ることができません。窓口に区民の方が来られたり、電話がかかってきたり、その日のうちに済ませないといけない仕事があったりで、このときは5分くらいでこの作業は中断です。

そのあとは仕事の合間にデザイン案を考えて、場合によってはこのノートに付け足すのですが、まぁ多くはラフを描くところまで放出できず、頭の中で消えて無くなってしまいます。もったいない。
とはいえ、この辺りは専業でない以上、仕方ないと割り切らないといけません

作業前の思考整理と作業環境

さて、デザイン制作の当日。
ここから、変に文体が変わったりのはそういう仕様やと思ってください。
この日はテレワークを申請して、在宅で作業開始。
コロナ禍でテレワークが推奨されているのもありますが、職場のPCよりも自宅で使用しているPCの方が単純にスペックが高いので、効率的に作業できます。

まずは、デザインの絞り込み。
ノートを広げて、ラフを見ながら、どのデザインが最初にあげたポイントに添っているかを思考整理します。

一つ目の案「防災動画はじめました」

  • そもそも、それおもろい(面白い)か? 役所のポスターとして許されるおふざけか?
  • 防災動画の1本目アップしたの1年以上前やし「はじめました」というのはちょっと遅すぎる
  • 一見して、防災動画の周知だと分からないかも

二つ目の案「スマホから浮き出る3D風」

  • スマホから動画が浮き出すような表現はTVのCMとかでも使われているし意外とありがち
  • 単にそういう画像を自分が作りたいだけかも
  • スマホからでも見られますよということは分かりやすい

三つ目の案「YouTubeライブ風」

  • PCで動画を見る人って意外と少ないんじゃないか。娘もYouTube見るのスマホからだし。だとしたらPCから見た時の画面をイメージしたデザインじゃダメじゃない?
  • 単発の動画にリンクするなら直感的にYouTubeだって分かりやすいけど、区役所のホームページ上にある動画一覧のページにリンクするからちょっと違う
  • YouTubeライブなどを見ている層に向けたデザインではターゲットが狭すぎる

と、こんな感じで自分の案にダメ出し
区役所のポスターなので、おふざけが過ぎるといけません。また、年齢層や性別、趣味・嗜好などターゲットをしっかりと設定する商業広告と比べるとターゲットの設定が結構広め……というか、考えていない人が大半で、たまにそういうことを同僚に尋ねてみても「市民」とかあいまいな答えがでることばかりです。

私もこのターゲット設定が苦手で、今回も結構あいまいになっていますが、広報紙をしっかりと見る中高齢者層ではなく、広報紙を読まない若中年齢層といったあたりをターゲットにしています。
広報板は区内の結構色々な所に設置してあるので、建物や風景に依存したり影響するデザインも難しいので、悩んだ結果、二つ目の案をベースに3Dとかホログラム的な要素はのぞく方向でデザインすることにしました。

Affinity Designer
画像引用:Affinity 公式サイト(‘21.7.10確認)

自宅での作業なので、作業環境は職場よりも少しだけ良い感じ。
印刷物を作るとなると、一般的にはAdobe Illustrator(イラレ)を使います(職場では広報担当のPCのみ使用可能)が、イラレは個人で使用するには価格が高すぎます。
簡単なチラシなどを作るとき、職場ではPowerPointやWordを使っているのですが、自宅ではAffinityDesignerを使用しています。
定価で6,100円、度々セールをやっていて半額で買えるので、本格的にデザインをしようとおもう人は買うといいと思います。
AffinityPhotoやPublisherもおすすめですが、話題が脇にそれると、この記事、終わらなそうなので、その話はまた別の機会に。

素材を探す

デザインの方向性は決まった。
そこで必要になるのが、スマホを操作する写真。自身で撮影しても良いのですが、自分の手はあまり綺麗じゃないし、娘に頼むにしてもその時間は学校に行っている。

自分で撮影すると、撮影する時間もその写真を加工する時間も必要になります。

テレワークしているのはこの日、一日だけ、そんなに時間をかけられません。

そこで便利なのがフリー素材と呼ばれるもの。
無料、著作権フリーの写真素材を、「写真AC」や「ぱくたそ」といったサイトで探します。

今回は、スマホを操作する手元が入った写真を探しているので「スマホ 手元」で検索。

PhotoAC検索結果
Photo ACでの「スマホ 手元」検索結果(‘21.7.10確認)

あとから文字を入れることを考えると、スマホがど真ん中にあるのは違うし、背景にごちゃごちゃと物があるのもちょっと違う。

……で、ここで気づく。

スマホの画面に、YouTubeで再生しているような写真をはめ込むんだから、指が入っていると作業工程が増えるぞ。うん、それは良くない。
それに指の位置次第で大切な情報を隠してしまう可能性もある
そこで方針転換。スマホの画像が大きめで背景はシンプルな素材をいくつかチョイス。

素材写真

最終的にこちらにしました。左側や上に直接文字を置いてもスマホの画面を隠さないし、YouTube動画の再生画面は上1/3くらいあれば差し込めるし。

コピーとフォントをしっかりと選ぶ

さて、ここからが本番。
ポスターに目をひいてもらうための言葉選び。

コピー

まずは何も考えずに文字を置いてみる。

「防災啓発動画 やっています」MS明朝・128pt

うん、ダメだ。スマホの画面に文字が被さる。スマホの画面にはあまり文字をかぶせたくない。

防災啓発動画っていうのも微妙やな、「啓発」って言葉は見てもらう人につかう言葉じゃない。「やっています」も堅いな、「やってます。」の方がいいか? 「。」がつくと変化があっていいかも。

文字の大きさはこの位ないと、遠くから見て何が書いているか分からないな。
となると、文字は1行4文字……「防災動画」かな。分かりやすい言葉なら。

コピー

なら「やってます。」は文字のサイズを小さくして左右の幅を揃えてみるか……

うーん、イマイチやな。文字数は「防災動画」に合わせて4文字単位(4文字・8文字)がいいな。
「やってる」? どこでやってるねん。
「YouTube」って入れる? 余計にバランスが悪くなる。

右にスマホを入れるんやったら「スマホ」を使うか。

コピー3行になると、「防災動画」が一番下の行にくるのが嫌やな。

「スマホで 防災動画 見られる」「スマホで 防災動画 チェック」

いや、いらんな。
「スマホで 防災動画」だけで、「見ることができる」は伝わるし、「スマホ」と「防災動画」のワードだけがちゃんと頭に残るはず。

うん、それでいこう。足りないところはキャッチコピーを添える方向で。

さて、次はフォント選び。

今回は動画に注目してもらうことが大切なので、あまりフォントで遊ばない方がいい気がする。遠くからでも文字が読み取れるゴシック体から選んでみる。

フォント選び

メイリオ・Bold・128pt

ん? 悪くない。
メイリオはWindows標準フォントの一つなので、できあがったデータを後任の職員が一部変更するなどの時でも使い回せるのもいい。

でも、メイリオは若干だけれども平体(縦の幅を圧縮して少し横長にした文字)っぽく見えてしまう(個人的な感想)のと、カタカナ、ひらがなが若干直線的なのが気になる。

ほんの少し柔らかい感じがするゴシック体を探そう。

Windows標準では、ゴシック体の太文字はメイリオの他にはHG創英角ゴシック体、BIZ UDゴシックくらいしかないので、選択肢が少なすぎます。
そのため、職員が作るちらしはPOP書体が乱用されていて見られたものではありません。
フォントも日本語フリーフォントが公開されているので、イラストや写真のようにちゃんと選んで欲しいものです。
コリス

個人でも商用でも無料利用できる、日本語のフリーフォント699種類を紹介します。 Webデザイン、アプリ、動画、紙のデザイ…

私の環境で使用可能なフォントから、ゴシック体を中心に色々と試してみて、最終的に「やさしさゴシックボールド」(リンク先はver.upされてました)をチョイス。
コピー
背景写真としっかりと区別をつけるために、白の縁取りを入れて、「スマホ」と「防災」の文字に色を入れてみる。
うん、クドい。
スマホ、防災の文字が浮くけど、8文字中5文字が色がついているのは多すぎる
「スマホ」か「防災」だけにする?
いや、違うな。色を入れるなら一文字だけや。
候補は3つ。先頭の文字の「ス」、唯一ひらがなの「で」、そして災害の「災」。
先頭文字を大きくしたり色を変えたりするドロップキャップという意味で「ス」やけど、単に読みにくくなるだけやな。
「で」も同様。大切な文字だけ大きくして、「で」のような文字との差を付けるのはよくやるけど、ここは2行とも4文字ずつで揃えているから、文字のサイズを変えるのはルール違反やわ。
「災」は一文字でも「わざわい」の文字だしドキッとするから、そこの色だけ変えておくのは注目させる意味でいいんじゃないか?
色は注意や警告の赤系の色にしたいけど、原色はキツすぎる印象があるので黒以外の原色は基本的に使わない自分ルールにしているので、何度もモニタから離れてどの色がいいか試行錯誤。
あと、同じような理由で単なる白縁だと写真から浮きすぎるので、ここも調整。
単に縁取りを入れるだけやなくて、さらに白色で「光彩」処理をかけて文字の周囲をぼんやりとにじませます。今回は、くっきりで馴染む風にしたいので、「縁取り」+「光彩」で。
余談ですが、PowerPoint(パワポ)で文字を目立たそうと思って「文字の輪郭」を使って縁取りするのはやめた方がいいです。
あれは、縁取りではなくて文字の内側に色を入れるので、文字の形が崩れてしまいます。やるならば、文字の効果>光彩で、光彩の色を白、透明度を0とか10%とかにするのをおすすめします。
コピー再度文字のサイズや、文字・行の間隔を調整して、メインの文字は完成です。
基本的にはこの8文字が全てなんですが、背景に使用している写真を見ると、ちょっと上1/5くらいのスペースに余白があってバランスが悪い気がする。
下には問い合わせ先を入れないといけないので、入れると上が妙に空いている。
スマホ画像とのバランスからこの8文字はもう大きくできないので、何か別の仕掛けをここに入れたい

広報板に貼るポスターなので、遠くから見たときのデザインに影響を与えないけれども、近くでポスターを見ているときに防災動画を見ようと思う仕掛け……何か少しドキッとする言葉を入れよう。

「災害が起こっていない今だから動画を見よう」
「どこでも見られる防災動画」

んーーーーーー違う。ここの塩梅が結構難しい。不安をあおりすぎたり、ふざけた言葉だと「炎上」とまで行かなくても望んでいない反応があるかもしれない。

コピー

結局、「地震・台風が来てから見ても遅すぎる」(だから、動画を見よう)という言葉にしました。

ここを深く解釈して書けていないのは、やはり今でも「もっといい言葉があったんじゃないか」と考えているからだと思う。
ちょっと、あきらめてしまった感はあるなぁ。
文章を決めたので、先頭を下の「スマホで」に揃えてレイアウト。
左側と比べて右側の余白が大きめになるので、文字を1文字増やす、例えば「…」を入れるか、文字と文字の間の感覚を広げるか、文字を平体(横長)にして左右の余白を揃えるか、文字サイズをもう少し大きくするなど複数試しましたが、どれもしっくりと来ず、このままの文字サイズ、余白幅にしました。
これはかなり感覚的なものですね。
フォントは、明朝体で「A-OTF 太ミンA101 Pr6N」を意図的にチョイス
これはポスターを遠くから見たとき(2m以上離れたところを想定)には「スマホで防災動画」だけが目に入って、近くで見る(50cm~1mを想定)と「地震・台風が来てから見ても遅すぎる」も目に入るということを狙っています
そのため、明朝体は太すぎず、カチッとしたフォーマルなものを選んでいます。
左右の余白を揃えるために文字サイズを大きくしなかったのも、この効果を狙っているためです。
これで、メインのコピーなどは完了です。

写真の加工は大胆に細やかに

スクショ

次はスマホの画面に実際のYouTubeチャンネルの視聴画面を合成します。

自身のスマホで区役所のYouTubeチャンネルを開いて、どの動画のどの画面を視聴しているところを使うかを考えます。

で、選んだのが5月20日に変わったばかりの災害情報の発信に関する動画。
比較的近い時期に変更があったので、TVニュースなどでも取り上げられているので、この表があることでポスターを気にする人が増えるかもしんない。

自身のスマホで該当する動画を使用してスクショしてその画像を素材写真の前面に配置。
スマホの表示面に合わせてサイズや角度を調整して、重ねます。

ただ、単に重ねても元々の写真と明るさが違っていてちょっと浮いてしまいます。
そこで、配置した画像を細やかに調整。

スマホ画像この辺りの調整の詳細はまた別の機会にと思いますが、ここでは

  • 写真の明るさ、コントラストを調整。今回は若干暗め、コントラストを緩く修正
  • 画面に映っているように見せるため、透明度を100%から92%に変更(元のスマホ画面が透ける形にして、スマホの画面に周辺が映り込んでいるように)
  • 透けさせた元の画面はニュース画像で不自然なので、公園の風景写真を元のスマホ画像と、スクショ画像の間に挟んで調整
  • 動画部分に視線を集中させたいので、タイトルより下の部分のスクショ画像にブラー(ぼかし)を入れる

といった調整をいれています。
四つのうち最後の一つ以外は元の素材と配置した画像の違和感を抑える調整。

最後の一つが実は肝で、注目させたい部分にちゃんと目線が行くようにYouTube動画以外を読める程度の緩いぼかしを入れます

正しい表示ではなく、どう見せたいかに向けて、大胆に細やかにやり過ぎないというところ。

ん? 分かりにくい??

写真の加工は、自分自身の引き出しがまだまだ少ないなぁと思っています。
スマホに周囲の風景が映り込む表現は、また調べてもっと自然に表現できる方法を覚えておきたいです。

最後にQRコードについて。

QRコードを作るサイトは色々とあって、中には色を変えたりアイコンなどを入れたデザインQRコードなどというものもありますが、役所のポスターに使用するなら「正しく読み取ることができる」ことが一番大切

デザインQRコードではなく、シンプルなものをしっかりと分かりやすく配置することを意識しています。

QRコード

サイズと配置する場所は色々と試してみましたが、結果的には「スマホで防災動画」と先頭部分を揃える形で配置しました。

QRコードはチラシなどでも「必要やけど結構デザイン要素として邪魔」なところがあるんですが、最近は邪魔(他の要素と親和性がない)部分をどう目立たせるかというところでサイズ、位置を考えています。

今回は「防災動画」の「災」の文字に必ず目線が行くようにデザインしているので、その側で、ちゃんと整列させつつも邪魔(違和感がある)ような位置に置くように考えました。

アイコンにも気をつかう

問い合わせ先

最後に問い合わせ先の部分。

ウチの役所のポスターやちらしでは、ここの部分は単色の背景色を入れていることが多いんですが、私は黒か白を置いて透明度を変更して、元の画像を透かせるようにしています。

これは動画を自身で作るようになってから、テロップを入れる時に元の動画をできる限り隠したくないなぁという感じで多用するようになりました。ここでも写真を全面に使っているので、写真を隠さないで、しかも文字は読みやすくということを意識しています。

今回は黒を置いて、透明度は60%の設定。
フォントはフリーフォントのスマートフォントUIを使用。スマホなどアプリなどで使うことも想定されたフォントで「小さくても見やすい」フォントです。

そして、電話番号の前にはスマホのアイコンを設置。
未だに何も考えずに☎のマークを置いているポスターやチラシを見るんですが、もう30代以下は黒電話使ったことがない人の方が多くない??

アイコンは「ICOOON MONO」などのサイトから検索して使用します。


完成品ということで、完成品がこんな感じ。

本当は職場のプリンターで出力して、色を調整(カラーキャリブレーション)したり、できた物をラミネート加工したりとかいう諸作業があるんですが今回の話では省略。

広報板とまぁ、一枚のポスターの制作の過程や、そのとき解釈したことを記事に起こしてみましたが……

自分でもまぁ、色々と考えて作業しているんだなぁ、と変に感心してしまいました

ちなみにパソコン上でのデザイン作業は概ね2時間くらいで仕上げています。
この日は自宅でテレワークだったので、午前中にこのデザイン制作をして、午後は防災動画の編集をやってました。

ということで、今回はここまで。

ここまで読んでくれてんから、そら、ウチの防災啓発動画見てくれますよね????

大阪市

災害への備えを様々な視点で紹介する天王寺区役所公式の「防災出前講座」をYouTubeチャンネルで公開しています…