写真(人狼村の祝祭)

フーダニット「人狼村の祝祭」マーダーミステリー専門店で大いに悩む

写真(人狼村の祝祭)

写真(トークン)

「Who Done it?」

ーマニアにはおなじみのフレーズを店名に掲げた専門店がにオープンしました。しかも、お店をプロデュースするのはグループSNE。少年期に「ロードス島戦記」や「ソードワールド」でずぶずぶにこの世界にはまり込んだおじさんにとってはまぶしすぎる名前です。

マーダーミステリーは、体験型のエンターテインメントです。
その名の通り、殺人事件をテーマにした推理で、プレイヤーはそれぞれ登場人物の一人になって犯人を探すため奔走します。
犯人は登場人物の中に含まれているため、プレイヤーは「探偵」でありながら「容疑者」そして、一部は「犯人」だったりします。
登場人物には「犯人を見つける/探偵の追求を逃れる」という基本的な勝利条件に加えて、個々の思惑による勝利条件も組み込まれており、プレイヤー間では「犯人を見つける」ためのお互いの協力の裏で虚々実々の駆け引きが展開されるなかなかに奥の深いゲームです。

今回オープンした「フーダニット」では、新作「人狼村の祝祭」がオープニング作品として提供されており、タイトル通り人狼ゲームが好きな人にも「ん??」と刺さりそうなので、「ネタバレなし」でご紹介したいと思います。

マーダーミステリーって?

写真(人狼村の祝祭)

人狼伝承の残る小さな村。

古から続く祝祭の翌朝、旅の商人の死体が発見された。死体はおぞましくも殴られ、毛髪をむしられ、喉の肉をえぐられていた

——あたかも人狼に襲われたかのように。

村では2か月前にも鍛冶屋の妻が同様の死体となって発見されている。

これは本当に人狼の仕業なのか? 王都から派遣された騎士はどこに消えた? なぜ占い師がふたりいる……?

人狼ゲームをプレイしたことがある人、好きな人はニヤっとするオープニング

祭りの翌朝に死体となって発見された商人を殺した犯人について、プレイヤー8名はそれぞれ容疑者となった村人らとなって活動します。村長、狩人、屋、といった人狼ゲームでよく知られた役割が登場するばかりか、2人の占い師が登場しお互いに「あいつは偽物だ」「あいつはペテン師だ」と罵るあたりも面白いところ。

ゲームマスターによるプロローグの紹介の後、それぞれのプレイヤーには、担当する登場人物の設定や事件当日の行動、その登場人物独自の勝利条件などが記されたファイルが手渡されます。他のプレイヤーに見られないようにして、ある程度自身の役割を知ったところでゲームスタート。

各プレイヤーの「キャラクターとしての」自己紹介を行ったあとは、30分の捜査時間が開始。
それぞれに渡されたファイルに書かれた自身の当日の行動で見聞きした内容から、怪しいと思われる人物の部屋を捜査(テーブルに置かれたカードをそれぞれに手渡されたトークン[行動単位]を使用して引く)して証拠品を見つけたり、登場人物に関する村人の噂話(これもカードを引く)を探ってみたり。

何より捜査で大事なのは、やはり容疑者となる他の登場人物(=プレイヤー)との会話。捜査時間中、全員で集まって話し合うことは許されていませんが、4人までの人数であれば事件についてどんな話をしても良いし、証拠品を交換したり譲渡してもOK。
もちろんその中には「犯人」も含まれているので、嘘をついたりごまかしたりということもおきるので、手に入れた情報や証拠が全て役立つとは限りません。

捜査時間後は各1分間の途中推理を披露する時間がありここまでが1ターン。

もう1ターン、捜査と推理披露が行われたのち、初めて登場人物8人全員での議論時間があり、多数決による投票で「犯人」が拘束されます。
そして、最後に犯人として拘束された登場人物以外の7人が「ある行動」を行い、その行動の結果に基づいてゲームマスターより、エンディング、犯人は誰か、そして村はどうなったのかが語られます。

エンディング後は、プレイヤー同士で感想戦が自然と発生し、それぞれの登場人物が何を考えてどういう行動を取ったのか、あの謎はどうなっていたのか? と話がなかなか尽きません。

プレイヤーが置き去りにならないシステムが楽しい

プレイ時間は約2時間、それに合わせて感想戦や休憩時間を入れると3時間くらい会場で過ごしました。

犯人への投票や、推理披露などという場面もあるので(さらに今回体験したのが「人狼村の祝祭」なので)、人狼ゲームみたいと思う方もいるかもしれませんが、人狼ゲームが苦手な人でもマーダーミステリーは色んな意味で楽しめるゲームだと思います。

人狼ゲームと違い、ゲーム内で追放されたゲームから途中除外されることはありませんし、「犯人を見つける」という勝利条件以外に、個々に設定された勝利条件があるので、謎解きができなくても、推理ができなくても、あなたに与えられた登場人物としての行動で物語を最後まで楽しむことができます

また、「犯人を見つける」までの道筋も千差万別なので、謎解きが得意な人、人狼ゲームが得意な人、カードゲームが得意な人、ロールプレイが得意な人、それぞれにあったプレイスタイルでゲームを楽しむことができます

私はこういうゲームの場合、的にきちんと登場人物としてロールプレイするのが好きで、人狼ゲームであれば「霊媒師全員吊っちゃえば(全員殺してしまえば)いいじゃん」みたいなプレースタイルよりも、人狼TLPTのようにその物語の中に生きる人物としての行動をとりたいんですね。

この日は、女性の登場人物を配役にあてられたので、普段は「僕」や「ウチ」と言っている一人称が「私」になって、女性言葉になりながら、疑いが向けられたら変に隠したりせず必死に弁明してみました。

参加した回は、実は著名な某ミステリ作家さんが参加していたり、カードゲーム制作者やマーダーミステリーを何回も参加しているという人いて、オープン直後ということもあってどちらかというとロールプレイよりもゲームの勝利をシンプルに目指すプレースタイルのプレイヤーが多かったように思います。

プレースタイルが異なっていても、お互いに持つ断片的な情報を組み合わせることで真実に近づくことができるので、本筋から離れてもプレイヤーが置き去りになることがないのはとても楽しいです。

ゲームの特性上、1つのシナリオは2度と参加できないのは難点ですが、未体験の人はぜひ体験してみて欲しいなぁ。
私もまた別のシナリオで参戦してみたいと思います。

写真(人狼村の祝祭)

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