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「ナミヤ雑貨店の奇蹟」さよならBRAVA!で奇蹟の公演

time 2016/05/08

ナミヤ雑貨店の奇蹟

さよならBRAVA! ということで、5月29日で閉館するかつての四季劇場、シアターBRAVA!に行って参りました。
演目は「ナミヤ雑貨店の奇蹟」。2013年に演劇集団キャラメルボックスで舞台化されたミステリ作家・東野圭吾さんの大ヒット作。

とはいえ再演だからなぁ~と、チケット販売からしばらくうだうだと悩んでいたのですが、チケットをポチる最後の一押しになったのは気になっている3人の役者さんが出演されること。
今のキャラメルボックスで一番注目している多田直人さんが初演と同じ桐生敦也役で。テレビドラマ「相棒」の伊丹役が有名な川原和久さんが物語のキーマン浪矢雄治役で。そして「無伴奏ソナタ」でのウォッチャー役で衝撃を受けた石橋徹郎さんが3役を。

いやぁ、観に行って大正解でした!

初演も素敵な舞台でしたが、今回の再演の素晴らしさは「初演観てるしいいや」と見逃した人をたっぷり後悔させてあげたくなるくらい凄く良かったです。

敦也・翔太・幸平は、同じ養護施設で育った仲間。
ある夜、ある家にコソ泥に入り、逃亡の途中で、廃屋になった雑貨店に逃げ込む。すると、表の方で微かな物音。
シャッターの郵便口から、誰かが封筒を入れたのだ。中の便箋には、悩み事の相談が書かれていた。
この雑貨店は、店主が生きていた頃、近隣の住民の悩み事の相談に答えていたのだ。
3人はほんの遊び心から、返事を書いて、牛乳箱に入れる。
すると、またシャッターの郵便口から封筒が。そこには、3人の返事に対する、さらなる質問が書かれていた。
しかも、差出人は、数十年前の時代の人間らしい……。

物語は手紙を媒体にしたタイムトラベルもの。
初演時に脚本・演出の成井豊さんが話していましたが、ジャック・フィニィの「愛の手紙」という作品で手紙が時を跳ぶというアイデアを自身でも書いてみたいと思っていたところ、東野圭吾さんの書いたこの小説が答えと思って舞台化したとのこと。

原作のエピソード(悩み)全てではなく、核になる悩みを3つ2時間10分にぎゅっと詰め込んでいるのに満足感が高いのは成井さんの脚本の巧さ。

再演になったこの舞台で予想以上に良かったのがコソ泥3人の演技
初演ではキャラメルボックスの3人の俳優さんが演じられ、内一人は原作と違い女性に変わっていたのですが、今回はより原作に近い3人で演じています。

初演の舞台で同役で出演されていた多田直人さんは、この3年間でさらに魅力的な演技をされる俳優さんになっていて一つ一つの台詞や、ちょっとした仕草が様になっています。

太田翔太を演じた松田凌さんはちょっと生意気そうな弟分を、背の高い鮎川太陽さんはちょっととぼけた感じの演技が印象的で3人それぞれ私みたいなおっさんが見てもカッコいいと正直に思ってしまいます。

そして、物語のキーマン、昭和初期生まれの雑貨店の店主・浪矢雄治さんを演じた川原和久さん。テレビドラマ「相棒」や、キャラメルボックスの舞台で「容疑者Xの献身」に出演されていた時のイメージが強すぎたんですが、落ち着いた演技で、かつて愛した女性への思いであったり、息子との関係であったり、それぞれの相談者に対する姿勢であったり素晴らしい存在感を示しておられます。

あとやはり外せないのは原作でも印象深い魚屋ミュージシャンのエピソードで登場する「再生」という歌
水原セリ(菊地美香さん)が舞台上で生で歌い、そしてその歌を作りながらも死んでしまった魚屋ミュージシャン松岡克郎(鯨井康介さん)が舞台に浮かぶ瞬間は小説では見られない舞台だからこその演出で鳥肌が立ちます。

2役、3役を演じるキャラメルボックスの俳優さんや石橋徹郎さんはメインのキャストたちの生き方を様々な角度から光をあて、それぞれのエピソードをこれ以上ないくらい輝かせます。
原作の魅力であるそれぞれのエピソードが最後にカチッと繋がって浪矢雄治と3人のコソ泥が”奇蹟”で繋がる瞬間は、そこまで頑張ってこらえていた涙が。

千穐楽ということもあって、多田直人さんの三本締めで締めるつもりが、観客誰もがそれだけでは足りず最後はスタンディングオベーションで舞台上の俳優さんたちに感謝の気持ちを届けました

キャラメルボックスの本公演ではなくプロデュース公演だったからこそかもしれませんが、なんというか抑制の効いた演出で、笑いもあるんですがそれぞれの俳優さんの素晴らしさを味わえた舞台でした。プロデュース公演もいいなぁ。
シアターBRAVA!という劇場が無くなってしまうのは残念ですが、こういう素敵なお芝居をやっぱり大阪でもっともっと観たいなぁと思ったGW最終日でした。

シアターBRAVA!

公演名 ナミヤ雑貨店の奇蹟
公演期間 [東京]2016年4月21日(木)~5月1日(日)
[大阪]2016年5月6日(金)~8日(日)
場所 [東京]Zeppブルーシアター六本木
[大阪]シアターBRAVA!
サイト 公演公式サイト

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