- 2021年1月23日
防災担当の使命は『大災害時に100人のLv1防災担当が生まれる仕組みを作ること』だと思う
僕ら下っ端の地方公務員は、おおよそ3年に1度、ほぼほぼ転職と同じくらいの人事異動で新たな仕事につきます。4年目以降はエキ……
「住民(市民)の要望ってのは『丸(○)』い形をしている。でも役所のやっていることは『四角(□)』なんや。だから、全部なんとかしようと思うと四隅にムダがでる。役所の仕事は基本、ムダがあるのが当たり前なんや」
20代の若手だった頃、先輩にこんなことを教えてもらいました。25年以上も公務員として働いてみると、「丸」なんて生やさしいものでなく、「アメーバー」のように不定形でぐにゃぐにゃとしてるんじゃないかなんて思ってしまいますが……
今ではそんなムダは許されず、限られた資源・財源のなか、ぐにゃぐにゃとしたはみ出していく社会課題を四角四面の様々な施策で支えていくのが「役所の仕事」だと思っています。
おっと、前置きが長くなりました。
昨年より大阪市職員・元職員の有志で制作していた『SIMULATIONおおさか2025+』がようやく完成し、5月11日(土)に完成披露+体験会を行うことになりましたので、そのご紹介と参加のお誘いです。
『SIMULATIONおおさか2025+』はプレイヤーが仮想の地方自治体「おおさか市」の局長・区長に就任し、大阪万博が開催される2025年からの社会課題に対応するシミュレーションゲームです。
私は2016年に『SIMULATIONふくおか2030』を初体験。
2013年に熊本県庁の自主活動グループ「くまもとSMILEネット」さんが制作した『SIMULATION熊本2030』(当時の名称は『SIM熊本2030』)をベースにカスタマイズされた「ふくおか版」は、元財政調整課長だった今村寛さんの財政出前講座とセットになった構成で、自治体財政について初めて本気で意識するようになった最高の体験でした。
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翌年に大阪に今村さんを招きローカル版の作り方講座をしていただいたのですが、財政担当を経験したことがない私が作るにはちょっとハードルが高すぎました。
しばらく悶々としていたのですが、私と同じように『SIMULATIONおおさか』を作りたいと熱意を抱えていたてるみんから誘われて、有志を集めて体験会や勉強会を重ねて「おおさか」版を1年間作ってきました。
そして、その結果分かったことがあります。自治体財政について精通していなくても『SIMULATIONおおさか』は作ることができるということ、そして、自治体「財政」を知るではなく自治体「運営」を知るアプローチでも『SIMULATIONおおさか』は成立するということです。
[blogcard url=https://note.com/sim2040osaka]
私が『財政出前講座+SIMULATIONふくおか2030』で体験したことをそのまま味わってもらおうというものではなく、自治体職員でもそうでなくても「おおさか」の未来に思いをはせることができるゲームになったと思います。
『SIMULATIONおおさか2025+』を制作するにあたって、単にふくおか版から舞台を大阪に変えるというだけでなく、こんなところをカスタマイズしています。
ふくおか版はプレイヤーが6人の局長に就任ますが、おおさか版はそれに加えて政令市らしい「区長」の役職を追加しました。勉強会で区長のお話をお聞きすることがあり、局長とはまた違った悩みをもっていて、いかにも政令市らしいアレンジが聞くなと思いました。
『SIMULATIONふくおか2030』は、人口の約1/3が高齢者になり、労働力人口の減少や社会保障費の増大する2030年を念頭に、2030年に向けて2020年からスタートします。
ふくおか版もその後「2030」が「2035」と進化していますが、大阪の未来を考えるなら大阪万博の2025年からスタートしたいと思いました。2025年から未来に「プラス」する思いを繋げたいです。
ふくおか版では検討する事業はそれぞれ1億円の事業になっていますが、おおさか版では事業費に差をつけ、さらにその事業に必要な職員「人材コスト」もゲームに盛り込みました。
大阪市に限らず、どこの自治体でも人材確保が問題になっています。職員は減るのに仕事は減らない、これからの少子高齢化社会のなか、お金の問題以上に人の問題が強くなってきます。ゲームが複雑化するかなと思いましたがそういうこともなく、「事業の先には人(市民も職員も)がいる」ということが感じられるよいアレンジになりました。
私が制作メンバーのひとりとして特に力をいれたのがココです。
防災担当で仕事をしていたときに、「防災ゲーム」として色々なものを体験しましたが、その多くはゲームの形を取っていても、ゲームとしての面白さを体験できるものは少なかった印象です。
ゲームの形で訓練や研修をするとき、私は訓練や研修という雰囲気をできる限り消したいと思っています。ゲームをプレイしているときは、ゲームだけに集中して楽しんでもらい、それでも終わった後にはゲームの面白さと同じくらい「考える」「感じる」ことが残るのが理想です。
『SIMULATIONおおさか2025+』で使用する局長カード、事業カード、資料の一つ一つまでリッチな体験ができるよう用意しています。
何言ってるか分からない?そういう人にこそ、『SIMULATIONおおさか2025+』を体験していただきたいです。
そんな訳で、大阪の未来を対話で導く自治体運営シミュレーションゲーム『SIMULATIONおおさか2025+』の完成披露+体験会を開催します。
「SIMULATIONおおさか2025+」完成披露+体験会
2024年5月11日(土)13:00~16:00
場所:いくのコーライブズパーク(いくのパーク)1階 多目的室
大阪市生野区桃谷5丁目5-37(元御幸森小学校)
参加費:500円
終了後、懇親会も(プール跡を活用した屋上BBQ!)予定されています(参加自由・会費制)
仮想の自治体「おおさか市」の局長・区長になってみませんか?
ゲームの舞台は「おおさか市」、もちろん大阪市の職員には参加していただきたいのですが、『SIMULATIONふくおか2030』を体験したことのある・ない自治体職員もぜひご参加してほしいなと思っています。
申込フォームは下記のnote記事から。当日、会場でたくさんの人とお会いできるのを楽しみにしています。
[…] https://utatane.asia/blog/2024/13427/ →仮想の自治体を運営するゲーム、面白そうです […]