生活保護ケースワーカー仕事の基本

僕が生活保護ケースワーカーの本を書いたワケ

生活保護ケースワーカー仕事の基本

生活保護ケースワーカー仕事の基本昨日、初めての著作「福祉知識ゼロからわかる! 生活保護ケースワーカーの仕事の基本」が書店に並びました

仕事帰りに書店に立ち寄ったところ、必携の「生活保護手帳」の横に、自著が平置きされているのを見たとき、「本当に本になったんや……」とこんなにも嬉しいものかと高揚感に包まれました。
……正直にいうと、著者見本が届いても、「ホンマに書店に並ぶのかなぁ」と信じられない気持ちでいたんですが。

本の内容については、僕のことですからどうせここで書くのですが、発売日にはこれを書こうと思っていたことをやっぱり書こうと思います。

僕は本を書きたかった

後に担当編集者となる学陽書房のNさんからメッセージが届いたのは昨夏のこと。

そのメッセージを仕事上がりに見つけ、僕は「(とうとう)きたっ!!!!!」なんて思いました。
……いや、この書き方やと自意識過剰やな。
たまにTwitterのDMなどで執筆などのお話をいただく(ほとんどが胡散臭い話だったりします)んですが、いつかこんなチャンスがあるんじゃないかなと夢想していました。

子どもの頃の夢は、自分の名前で本を書いて、その本が書店に並ぶことでした。
小学生の頃は作家、中学生の頃は作家や系……今でいうを書きたいと思っていました。十代の頃にお付き合いのあった方で、実際に作家になった方もいるのですが、作品を読んで敵わないなと思ってしまいましたが。

それでも書くことが好きなので、ブログで色々と書いていたら、縁があって気がつくと「ニッポンごはん旅」で公認ライターをさせていただくようになって、小説家は無理でもどこかでチャンスがあれば、というのが正直な気持ちでした。

最初のメッセージから数日後にNさんと初顔合わせ。
このブログを見て興味をもっていただいたらしく、「どんなテーマだったら、書けますか?」と聞かれたとき、このチャンスを逃したくなかったので、僕の口をついて出たのが「だったら」という言葉でした。

とは言いつつも、この時点では一冊の本にできるほど語る言葉を持っていた訳ではありません。
むしろ、僕は自分の名前で本が書きたかった。そして僕を見つけてくれたNさんの依頼を絶対に断りたくなかった。ただそれだけでした。

僕は書くのが怖かった

僕は生活保護を含む福祉分野の専門家ではありません。
大学を中退したあと、夜間大学も中退しているので最終学歴は高卒。現在は生活保護の現場から離れていますし、社会福祉主事(任用資格)を得たあとの経験年数が少ないため社会福祉士の受験資格もありません。

書くのが怖くなりました。

専門家でもない僕が生活保護を語るのに違和感を覚える人もいるでしょう。書けば書くほどこの内容、表現で良いのか何度も書き直すことになりました。
不正受給など、慎重な表現を求められる内容もあり、何度も書き直して書き上げました。

今でも、どう受け取っていただけるか怖さは残っていますが、こんな方針で書きました。

  • タイトル通り、福祉知識ゼロでケースワーカーになった人でも理解できるように、平易な言葉を心掛けました。
  • 法律の解釈や利用者(本では生活保護にそって「被保護者」と書きましたが)視点の話ではなく、あくまで新人ケースワーカー視点に立って知りたいことを厳選しました。
  • 私の勤める大阪市だけでなく、どの地域のケースワーカーでも共感していただけるように、自身の経験を折り込みつつも実践的な内容に集中しました。

僕はあの二人に読んで欲しかった

僕には忘れられないケースワーカーの同僚が二人います。

ケースワーカー4年目、5年目に僕の前に座っていた先輩のOさん、左側に座っていた後輩のKさん。

仕事がうまくいかなかったときに上司との間に入ってくれ「お前のやっていることは間違っていない」と守ってくれたOさん。ケースワーカーがチームプレーだと感じることができたのは先輩のOさんのおかげです。

新採で入ってきたKさんは、長い公務員生活の中で僕の唯一の「弟子」といえる存在でした。
福祉知識ゼロではない、まっすぐにケースワーカーとして成長していたKさんは、僕のノウハウを徹底的に伝えていました。Kさんからの直線的な質問や疑問に答えていたことが今の僕に繋がっています

残念ながら二人とも読んでいただくことは叶わないのですが、お二人には「どう?」と聞いてみたい気持ちです。

お二人から得た言葉や経験は、この本に詰め込んでいます。

机は並べてはいませんが、全国のケースワーカーがOさん、Kさんだと思って、そして初めてケースワーカーになった時の僕自身を想像して書いた一冊です。

生活保護担当になって不安に思っている方、このブログに偶然たどり着いたあなたにこそ読んで欲しいです。