「風水害24」超大型台風と人の行動と災害の備えの相関関係
先日、防災×ゲーミフィケーションでお話させていただいた縁で、issue+design(特定非営利活動法人イシュープラスデザイン)さんが考案された「風水害24」の体験会に参加させていただきました。
地球規模の気候変動で、台風などによる大規模な風水害のニュースを聞く機会が年々増えています。
私たち防災担当は、そういった自然災害に対して、一人でも被害を被ることがないように様々な啓発方法を考えるわけですが、大規模風水害の備えといっても、それぞれが住んでいる場所や家庭状況によっても考えないといけないことは多種多様です。
そんなぼんやりと「ヤバイ」と思っている大規模風水害への備えをゲーム形式で学ぶ「風水害24」、実際に体験してみて、これはなかなかイイぞと思ったので、ご紹介いたします。
人は災害時に理想の行動を取ることが難しい
「風水害24」は超大型台風が町を直撃・通過する24時間前からの行動をシュミレートする体験ゲーム型のプログラム。
プレイヤーはこの町に住む一人の人物になって、この24時間をそれぞれの判断で行動します。
私がこの日選んだのは沿岸部に住む「民生委員」の女性。海も川もあるこの町では超大型の台風が接近すればこの場所が危険なのは容易に想像できます。となると、早めに海や川から離れた高台方面に避難することが大切。
24時間は10ターンで構成され、1ターンに取れる行動は1つだけ。高台に向かって移動を開始するのですが、他のプレイヤーの行動を見ているとなぜか海や川に向かって移動する人が複数います。
「なんで??」
どうも、それぞれの役割に添った目的があって、それに向かって移動しているようです。
防災担当からしたら、台風が接近している時になぜ海に行く!というものですが、実は「民生委員」の私もまっすぐに高台に進んではいません。
そうか……理想の行動、正しい行動があったとしても、人はそんな簡単にそういう行動を取らないんだ……
「風水害24」を実際にやってみると、そんなことが分かってしまいます。
……これは、防災担当としては防災啓発の感覚のずれを直すええ機会かも。
プレイヤーにはライフポイントがあり、町に暮らす人々だけでなく自身も死を迎えることもあります。
今回のプレイではプレイヤーは誰も亡くなりませんでしたが、私も含めた4人はライフポイントを半分以上失った重傷者。取り残された13人の町民が亡くなってしまいました。
振り返りでは、それぞれが演じた役割がどんな人で、台風の接近が迫る中どういった行動を取ったのかを共有して、何がベストだったのかという気づきを得ることができます。
私が勤める天王寺区は河川や海が近くに無かったり、土砂災害警戒地域がないので、ゲームの想定とはかなり違ってしまうのですが、そういうことを取っ払っても十分に面白く、風水害への備えって何をすればいいか気づきの多いゲームでした。
そうそう、リアルプレイではありませんが、こちらでも「風水害24」を体験することができるんですよ。
選択式のマルチエンディングのADVです。ぜひ体験してみてください。
[blogcard url=https://issueplusdesign.jp/fusuigai24_movie/?fbclid=IwAR1pPER9n39IOkASMW508o_csgn04baWflb5iY-ssqnzkteAX4TEwBGR5z0]
開発を担当しておりますissue+designの佐藤と申します。
体験記をわかりやすくご紹介いただき感謝です!
「風水害への備え」として何をすべきなのか?
このゲームを通してこれまで関心のなかった方にとっても考えるきっかけになったらと思っております。
こんにちは。コメントいただきありがとうございます。
「防災×ゲーム」は今、私自身が仕事で取り組んでいることの一つなので、とても参考になりました。本当に様々なきっかけの一つになればいいなぁと思っています。