- 2022年9月12日
清和源氏発祥の地でまちブラしてきました@兵庫県川西市
公認ライターとして参加させていただいている『ニッポンごはん旅』での自主企画「公務員グルメ旅」 そのまちのおいしいものや魅……
神戸に行ってきました
集合場所はこちら
…大江千里。うん、歳がバレる。
先日、全国の公務員のオンラインプラットフォーム「オンライン市役所」の庁内放送で、神戸市の渡辺祥弘さんが代表を務めているNPO法人ファンローカルの紹介がありました。
運良く、11月に渡辺さんと三宮や北野のようなキラキラとした神戸でない神戸のまち歩きする機会があるとのことだったので、ただ乗りして参加してきました。
塩屋は神戸の中心部から車や電車で20分くらい。
三宮を過ぎて、須磨のあたりから海が見えてくると一気に町の雰囲気が変わってきます。神戸は「海と山」のイメージですが、ここはその中でもかなり海と山の距離が近く、海っ!山っ!といった感じです。
線路沿いの細い道から、ランドマークになっている「旧グッゲンハイム邸」に向かいます。
緩やかな坂をのぼり見えてくる海。天気が良いこともあって、とんでもなく気持ちよい風景です。
「女子高生も自転車に二人乗りして、釣り竿を持って海に向かっちゃう」
へぇ、そんな風景も。
この日は、旧グッゲンハイム邸は朝からウエディングで利用されていたために中は見学できず。
築100年を超えるこの洋館は、現在は様々なイベントが行われる地域のハブ的な役割を持っているとのことで、次回来るときには、内部を見学して、イベントにも参加してみたいですね。
渡辺さんのおすすめは旧グッゲンハイム邸だけでなく、その脇にある細い坂道をぐんぐんと上って、あるアパートの入口へ。
そこからは塩屋の町並みに空と海が全て収まった風景が。明石海峡大橋までもが収まっています。
「このアパートに住んだら、こちら側に椅子出してずっと見てられるよね」
うん、本当にそうやね。
一旦、駅前に戻ってきて、次は短い商店街を通り抜けると、細い路地と坂道が入り組んだ塩屋の古くからの町並みを見ることができます。
「田仲とうふ店」のように最近では見ることが少なくなった町の豆腐屋さんがあるかと思えば、蕎麦打ちの体験ができる「Sobar」や、テイクアウト中心でドリアを販売している(しかも激安)お店があったりして、和洋折衷、新しいも古いも緩やかに混じり合う、なんだか不思議な時間の流れる町です。
続いて、「シオヤコレクション」へ。
地域の人から寄付された古着を販売し、収益の一部を地元の福祉団体等へ寄付するというチャリティーショップを立ち上げようと現在クラウドファンディング中で、現在は仮店舗で色々と試行錯誤しているところ。
単なる慈善事業ではなく、ローカルで経済を回し「気持ちの良い」暮らしを考えるという熱い思いがダイレクトに伝わります。
[blogcard url=https://motion-gallery.net/projects/shioyacollection/collectors]
ランチは商店街にある小さなカレー店で。ちょっとだけ無愛想な感じの店主さんの出すカレーは、コロナ禍で周囲のお店が営業を停止する中でも続けていて、渡辺さんによると「助かった」とのこと。
牛すじカレーやタイカレーもおいしいとのことでしたが、地元の田仲とうふ店のゆし豆腐を使ったふわふわの食感の田仲とうふカレーに、揚げ野菜をトッピングしていただきました。
辛さは控えめですが、じんわりとうまい「毎日食べられそうな」カレーです。
空家になっていた古民家を買い取って、一から改装して作った店舗。
最近では、雑誌等にも取り上げられて徐々に遠くからお客さんもやってきていると言います。
産地ごとに異なる特性を持つカカオ豆をBean to Barで販売するだけでなく、自家製のホットコーラやスイーツも販売する「来る人それぞれが、自分に合ったこの場所の使い方を見つけてもらえたら」というカフェ使いもできるお店です。
店舗の2階はNPO法人ファンローカルの「秘密基地」のようなフリースペースで、シオヤチョコレートの店舗と合わせて地域の発信スペースにもなってきている様子です。
この日は、旅する雑貨店Kemonoss(ケモノス)さんが、顔出しパネルの制作・展示・体験などを楽しそうにやっていました。
シオヤチョコレートの2階でまったりとした時間を過ごした後は、渡辺さんのもう一つのフィールドである長田へ。
長田の出発点は新長田駅の西側、若松公園内にある鉄人28号モニュメントから。
「金魚屋古書店出納帳」という私が好きな漫画で知ったこのモニュメントですが、震災復興と地域活性化のシンボルとして建てられて、今やまちの風景として異質なのになんだか馴染んでいるのが不思議です。
横山光輝さんといえば、鉄人28号と同じくらい有名なのが「三国志」
全60巻を親父の店で読んでいた私にとっては孔明といえばこの顔ですね。
三国志と粉もんの町、長田。震災で大きな被害があったまちをじっくりと紹介していただきながらうろうろとしてみました。
最初に連れてきていただいたのが、新長田の大橋地下道の南側にある「ウォール・ギャラリー」
賑やかな商店街とちがって、ここは地下道そのものがアートスペースになっています。
震災よりもずっと昔から栄えてきた長田のまちの写真が通路の左右に展示されており、その突き当たりにあるのが「ウォール・ギャラリー」です。
ここでは、阪神淡路大震災、当日そして変わってしまった長田のまちの記録がきちんと残されています。
神戸大空襲や阪神淡路大震災の火災も耐え抜いた防火壁で、現在は淡路島の北淡震災記念公園に移設されている「神戸の壁」の基礎部分はベンチの背もたれとして保存されています。
震災から四半世紀が経ち、駅前の様子は当時とはまるで変わってきているかもしれませんが、こういうスペースが残っていることが本当に大事に思います。
ふたば学舎は2008年に閉校した小学校の再活用したスペース。
かつての校舎はほぼそのまま講座やイベントスペースとして活用されており、油を引いた木の床がなんとも郷愁を誘います。
ライブラリもあり、校庭だったスペースはそのまま大きなオープンスペースとして使われており、災害時には一時避難場所にもなります。
少子化に伴い、大阪でも学校の統廃合が顕著ですが、こういう活用はあまりされていないのでもったいないなぁといつも思っています。
コロナ禍で館内のオープンスペースを閉鎖するなどしていますが、ふたば学舎を見ていると結構うらやましく感じました。
[blogcard url=https://futabasyo.jp/]
ふたば学舎を出て、まちの南側へ。海に近づいて小さな路地を抜けていきます。
駅前の再開発されたあたりとは違って、交差点に出て、左右を見渡すと東から西に長くまっすぐな道が続いていたり、海に近い細長い公園は船を陸にあげるために細長いんだとのことだったり、私のまちでも見なくなった駄菓子やさんがまだ営業していたり。
長田の路地は行き止まりがないんだ、と言われました。
どこを曲がってもちゃんと突き抜けて、他の道に繋がっている。
明治期からの町割りが未だに残る長田は、「粉もんのまち」とひとくくりにできない濃密なまちでした。
たっぷりと長田のまちを歩いた後は、渡辺さんの紹介で「はっぴーの家ろっけん」へ
[blogcard url=https://helpmanjapan.com/article/8161]
施設の中で写真の撮るのはさすがに失礼かなと思って、写真は一枚だけ。お借りしたトイレで見つけたこれ。
「はっぴーの家ろっけん」が建てられるときに、徹底的に行ったというワークショップのまとめ。これが全てなんだろうと思います。
形としては「介護サービス付き高齢者住宅」なんだけれども、ここで働いておられる方に「ここって何?」って話していただいた30分近くのお話は濃密すぎて。
介護とは、福祉とは、地域とは、コミュニティとは?
なんだか自分が仕事で今まで関わってきた「福祉」というものの概念がなんだかゆらゆらとさせられる時間でした。
これ、たった一日のまち歩きなんですよね。
濃密で濃厚で、グラグラといろんなところを揺さぶられる面白い1日でした。そのまちを知る、そのまちに飛び込んでいる公務員の方に案内していただくまち歩きって最高ですね。素敵な一日本当にありがとうございました。
コメントを書く