写真(朝劇天王寺出演者)

朝劇天王寺「モーニングドリーム・ビリーバー」朝から観劇、これは“有り”だ

写真(朝劇天王寺出演者)

きっかけは、昨春に活動を休止したキャラメルボックスさんの所属俳優さんからでした。
活動休止後、劇団員の出演情報をまとめていたら、生田麻里菜さんがこんなお芝居に出演していることを知りました。

マチネとソワレ(フランス語で朝・午前と日が暮れた後の時間を表す)と言われるお芝居の観劇時間というと午後と夜がほとんど。
そんな中、朝にカフェで朝食付きの観劇ができるという公演。
「それは面白そう!」と呟いたところ、大阪でも朝劇ありますよとご紹介がありました。

調べてはいたのですが、知った俳優さんが出演している訳ではなかったので、躊躇っていたら、てんしばの公演が千秋楽とのツイート。
それが最後の一押しになって、初めて朝劇してきました。

上演時間50分、おはようございますが心地いい

写真(朝劇天王寺出演者)

あべのハルカスを望む天王寺公園「てんしば」。
そのてんしばにあるクレープカフェで、常連客のお笑い芸人(中尾周統)がいつもと変わらない時間を過ごしていると、一人の女の子(岩本沙希)が来店する。

彼女は、このお店で踊る夢を見たという。ちょうどてんしばでイベントを企画していた新人店長(赤松英実)は、彼女に出演を依頼するが、彼女は……

上演時間は約50分。ベテランバイトのハラマサさん、そして夢の神様・ゲストの亀山貴也さんを加えた5人の出演者が、観客との距離ほぼ0で演じるぜいたくなお芝居です。

写真(メニュー)

お店に着くと、既にほぼ満員。

実際のカフェを舞台に、朝食付きの観劇プラン。こちらではシンプルなフレンチシュクレとドリンクがセットになっています。

開演前にドリンクメニューをオーダーすると、出演者の中尾周統がまるで店員さんのように、きびきびとお客さんを誘導し、クレープやドリンクが提供されていなければすかさず(本当の)お店の方にお伝えするという働きっぷり。

提供された朝食のクレープはバニラアイスとフロストシュガーが添えられたシンプルなものですが、朝食にはこれくらいがちょうどいい感じ。

温かい紅茶とともにお腹を満たすと、お芝居が始まります。

物語はカフェで出会わせた4人(+神様)が、それぞれ一生懸命、自身の「やりたいコト」に向き合う前向きなもの。ちょっとシンプルすぎるかなと思いつつも、出演者がそれぞれ大阪らしいネタをぶっ込んできて、笑いが絶えません

朝の8時30分開演で、「なんで朝からこんなに笑ってんの」と思いながら、お芝居が終わるとカーテンコールの第一声が「皆さん、おはようございます!」

わぁ、これ、すごくイイっ!

いつもならこの時間、自宅でウダウダとしているのに、お芝居を観てまだ丸々休日の一日が始まる、という。芝居を観て一日が終わるんじゃなくて、一日が始まるという……

おぉ、これはけっこう幸せかもしれない。

写真(お土産のカイロ)

終演後は、キャストの皆さんに気軽に声をかけて感想を伝えられる良い雰囲気。

私は特定の出演者目当てで観に来たのではなかったのと、次に用事があったので比較的早めに退場したんですが、お見送りでカイロをいただいたり、本当に素敵な公演でした。

今日出演された5人の他のお芝居も観てみたいなぁ。

写真(中尾周統)朝劇天王寺はとりあえず今回は終了ですが、3月には京橋でも朝劇をしますし、名古屋でも朝劇がはじまるとのアナウンスも。

休日の朝を気持ちよく始められるお芝居。最高でした。