劇団レトルト内閣「モダン・ガールはネコを探して」モダンでポップで魅力はマシマシ

劇団レトルト内閣「モダン・ガールはネコを探して」モダンでポップで魅力はマシマシ

写真(公演ちらし)

今年の初観劇は劇団レトルト内閣の「モダン・ガールはネコを探して」へ。
12月にモンゴルズシアターカンパニー『Choose My Life!』で、私をときめかせた後に、「ときめいた時間を返してくれ!」と思わせた女優・福田恵さんの主演作品です。

どこを切り取っても「素敵」しかない

はいからさんが街を彩る大正の頃。

銀行員の妻であったイネは、夫の病から職業婦人となり、
日本にはじめての女探偵事務所を作るなりゆきに。
最初はご近所のネコを探したり、
お見合いの素性調査をしたり。

しかし、日の丸が街角にひるがえり始めると、
信頼していた所員たちに不思議な動きが・・・

レディー・ホームズの、痛快にして大胆な冒険譚。そして、現代に何かを問いかけたりする、かもしれない物語。

「わたし、調べます!」が口癖、お年頃ガール・滝本イネ(福田恵)。
伯爵夫人から持ち込まれた縁談、そして結婚、夫が病に伏せ、家計を支えるために探偵に……そんな彼女の周りが突然と不穏な空気が流れてくる。

面白い!

劇団レトルト内閣のお芝居は、今まで生バンドでビシバシくる音とそれに負けないくらいの熱量のあるお芝居という感じで楽しんでいたんですが、今回はちょっと個人的には別物。

まず物語が素敵。導入部で物語りの主人公であるイネの魅力を描き、彼女に関わる登場人物の個性が溢れ、次第に物語の謎をちりばめ、怒濤の展開で一気に魅せる。
ミステリでもあり、サスペンスでもあり、アクションでもあり、ラブストーリーでもある。結構色んな要素を詰め込んでいるのに物語が破綻せず、ラストシーンでイネたちのこれからを観ている側に優しく提示する感じも素敵。
細かいくすぐりが実は伏線だったり、終盤は椅子の背もたれに預けていた体が前のめりになって物語にのめり込んでしまいました。

キャラクターがいい。イネさんの「わたし、調べます!」はもちろんのこと、イネの友人である菊枝(伊東卯咲)、真知(たはらもえ)はそれぞれのキャラクターの距離感や立ち居振る舞いのバランスが良くて、仲良しの3人だということがすぐ分かる。
女中のキヨ(佐藤みか)、ツル(平本真弓)はちゃんと女中だし、踊りの師匠(もりようへい)や樺山伯爵(石原正一)はちゃんとうさんくさい。

身体表現が素晴らしい。オープニングダンスは物語のタイトルロールのようでワクワクするし、御庭番(ネコザゴースト)と佐野(寺井竜哉)のアクションはお芝居と分かっていても手に汗握る。

映像、音楽、舞台がモダンで、ポップな雰囲気があって気持ちいい。
舞台上の書き割りが照明も合わさって妙に立体的に書かれているのに、役者さんがその前に立つと絵画のような平面的な感じが出てきて好き、かなり好き
今回は生バンドの演奏ではなかったけれども、要所要所でグンと物語への没入度を高める音楽の選択も素敵で、プロジェクションマッピングの入れ方もおしゃれ。

写真(フォトスポット)

御庭番が開場してからしばらく庭掃除をしていたり、イネと真知の前説が観劇初心者にも刺さる面白さだったり、パンフレットにも描かれている福田恵さんのイラストが階段前でフォトスポットになっていたりと、来場者を最初から最後まで楽しませてくださる仕掛けも満載で、すごく良かったです。

今年、一番の観劇になりました……って、今年最初の観劇なんですが。
明日(26日)までというのがもったいないくらい。

[blogcard url=https://www.retoruto.com/moganeko/index.html]

公演名 劇団レトルト内閣 第29回本公演「モダン・ガールはネコを探して
公演日時 2020.1.24(金)~26(日)
公演場所 HEP HALL (大阪市北区角田町5-15 HEP FIVE 8F)

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があ

大阪生まれ・育ち・勤めの雑食系公務員。 福祉職だと勘違いしている人が大多数ですが下っ端事務職。濃い顔付きから沖縄人やらトルコ人やら間違える人大多数。違う、違うんだよ~

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