- 2014年12月11日
法条遙「リライト」イヤSFなタイムパラドックス作品
「イヤミス」って知っていますでしょうか?一時期、ちょっと話題になったバズワードで「読んだ後にイヤな気分になるミステリ」の……
今回は「ジャケ買い」ならぬ「タイトル買い」の一冊です。
小路幸也さんは「東京バンドワゴン」シリーズで有名。ウチの三弟や母がハマっているらしいのですが、私はまだ未読。でも、「蜂蜜秘密」「モーニング」とか、最近では「残される者たちへ」を読んでいて結構好きな作家さん。
宮下奈都さんは……1冊くらい読んでいそうなんですが……思いつく作品が見当たらないなぁ。
小学生のまどかと高校生の由一は、年の離れた仲のよい兄妹。ふたりとも、つむじがふたつあり、お母さんは「つむじダブルは幸運の証」と子どもたちに話している。
ある日、まどかがひとりで留守番をしていると、ひとりの女性から電話がかかってきた。お母さんは知らないひとだと言うのだけど、なんとなく様子がおかしくて――兄妹それぞれの想いが胸に響く、やさしい家族の物語。
柔道に打ち込む小学生の妹・まどかを宮下さんが、バンドに打ち込む優等生の由一を小路さんがそれぞれの視点から描く合作小説。
章ごとに書き手が変わるのではなく、ワンシーンごとに変わるという感じの合作でなめらかで違和感のないストーリーラインを楽しむことができます。
ある日、家にかかってきた知らない女性からの電話をまどかが取ったことから浮かぶ両親の謎。小学生と高校生の兄妹がそれぞれの歳らしいとらえ方をして、ゆるやかに成長していく家族の物語が穏やかで微笑ましく思えてしまいます。
中学生の娘にも読んで欲しいな。
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