今日は仕事を定時で終了して、西梅田のサンケイホールブリーゼへ。
キャラメルボックスの時代劇代表作「TRUTH」の大阪初日です。
平日の公演とは言え、なんたって夏休み。開場後のロビーには高校生たちが楽しそうに劇団のキャラクター・豚のみき丸や、主役の弦次郎の等身大パネルで写真を撮ったりワイワイと楽しい雰囲気。
ブーランジェリー・ブルディガラで買ったパンを開演前に食べて、さて突撃。
慶応4年(1868年)1月、上田藩士・野村弦次郎は、京から2年ぶりに江戸の藩邸へ帰ってきた。同じ道場に通う仲間たちに、鳥羽伏見の戦いを報告する。そして、もはや幕府の命運は尽きた、我が上田藩も倒幕のために立ち上がるべきだと訴える。ある日、弦次郎と仲間たちは、五味隼助が改造した銃の試し撃ちをするため、浜辺に行く。ところが、その銃が弾詰まりを起こし、弦次郎の耳元で暴発してしまう。聴力を失った弦次郎に、帰国の命が下される。しかし、弦次郎にはやらなければならない仕事が残っていた……。
キャラメルボックス初の「悲劇」として1999年に初演、2005年に劇団結成20周年として再演された代表作。
初演、再演は主人公の弦次郎を岡田達也さん、相手役の鏡吾を上川隆也さんが演じた作品です。
今回は再演時に三郎太を演じていた畑中智行さんが弦次郎、初演・再演時に英之助を演じていた大内厚雄さんが鏡吾とまるっきりキャストを変えた新しい「TRUTH」です。
それに合わせてか、舞台の雰囲気も初演・再演とはがらっと変わり、以前はいかにも武家屋敷といった感じのセットだったのですが、今回は高い柱で、暗闇と光を象徴的に写す幾何学的な雰囲気に。襖も障子も、竹のような木々もないのに、役者の立ち居振る舞いですっとその風景が浮かんでくる。やっぱりお芝居って面白いなぁ……
耳が聞こえなくなってしまった弦次郎に、襲いかかる鏡吾たち。そんな斬り合いから始まる2時間全てがクライマックスのようなビリビリとする物語。
映像だけで見ていた「TRUTH」とは殺陣の迫力が違いすぎます。
そして、そんな緊迫のシーンの合間に、幕末の若者たちの熱い思いと日常の関係性が伺える素敵なシーンの数々。クスッと笑わせるシーン(月真和尚は初代同様に反則ですが)も、すっと馴染むほどに交えて時代劇初見の人でも飽きさせない、飽きる暇もない作品です。
仲間として登場する6人の若い武士たち、その成長を見守ってきた師匠、彼らと時間を共にする女性たち……それぞれが、誠のこころ「TRUTH」に支えられて、まっすぐに目一杯突っ走る熱い、暑い物語。
青臭かったり、泥臭かったり、眩しく荒々しいそれぞれの思いがクライマックスが近づくにつれて、ついつい拳を握りしめてしまいます。
禅寺で吹き続ける風の中、斬り合う弦次郎と鏡吾。
弦次郎「それがお前のトゥルースか!」
鏡吾 「何がトゥルースだ。最初から俺にはそんなものは無かった!」
「涙を数える」で9年前の鏡吾を知ってしまうと、この9年間も鏡吾が辛酸をなめ続けてきたんだろうなと思ってしまって、尚更にお互いの思いがグサリグサリとつきささってきます。
そしてラストシーン。弦次郎の慟哭に、もう茫然自失。
やはり、凄い物語でした。
暗転すると、会場からは一斉の拍手が。
はぁ~、来て良かった。
終演後に、ロビーで制作総指揮の加藤社長をお見かけしたので、ちょっと声をかけて感想を…………と、思ったのですが、なぜか会話の大半はあるカップ麺のお話に。なんでやねん。
この大阪公演、23日の土曜日の夜がかなり座席に余裕があるとのことなので、当日券でも良い席で観られそうですよ。
幕末の無名の若者たちを描いたこのお芝居、暑い夏を熱く(でも観劇中は涼しく)過ごしてみませんか?
ちちなみにこの公演、「日替割(ひがわり)」という素敵なシステムをやっていまして、お薦めの土曜日は、
8/23(土)【関西人のこだわり】
すべての関西の方。関西弁で「関西人のこだわりで」と伝えてください。
または、関西ならではのものを提示してくれてもOK。ですが、たこ焼きやイカ焼きといった匂いがでるものはご遠慮願います。関西人でない人は、関西弁に挑戦してください。スタッフが見破ればNGです。
ということで、該当すれば当日券のチケットが3,000円オフ(S席7,300円→4,300円)で購入できます。何やってんだ、この人たち……
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