- 2014年8月22日
Caramelbox「TRUTH」悲劇だけどそれだけじゃない
今日は仕事を定時で終了して、西梅田のサンケイホールブリーゼへ。キャラメルボックスの時代劇代表作「TRUTH」の大阪初日で……
今日、9月21日は宮沢賢治の命日。
宮沢賢治の作品は、多くの人は何らかの形で触れているはず。
そんな宮沢賢治の作品を、映画、ドラマ、アニメなど多彩な分野で作曲を手がけられている冨田勲さんが表現するのに選んだのは、2007年に生まれたヴァーチャルシンガー初音ミクでした。
「イーハトーヴ」交響曲と名付けられた作品は、2012年11月に東京オペラシティで演奏され好評を博し、今回再演。
再演の今回、8月29日に岩手県花巻市で開演し、名古屋、東京を経て、大阪。4都市で行われた公演の最終日、大阪・オリックス劇場での公演を鑑賞してきました……実は、娘が合唱団の一員でミクと共演しまして(笑)
オリックス劇場(旧・大阪厚生年金会館)に行くのは初めて。
以前のスペースの半分程度(残りは超高層マンション建設中)ですが、この場所に2,400席のホールが残ったこと自体が嬉しい限り。
ラウンジなどはまるで新築マンションのモデルルームかと思うほど、華美な要素がなくて現代的なホールやなと感じました。
座席はちょっと横幅も前との感覚もちょっと余裕がないなぁという感じですが、音の響きはすっと馴染むので、意外と嫌いじゃありません。
2部構成の今日の公演は、第1部が冨田勲さんの作品で
そして、第2部が
話題になっている初音ミクが登場するのは第2部の「イーハトーヴ」交響曲。
と言っても、大阪交響楽団(旧 大阪シンフォニー交響楽団)のオーケストラと大阪すみよし少年少女合唱団と大人の混声合唱団の合唱に、ソリストとして初音ミクが参加しているのが凄いところ。
冨田勲さんの言葉によると、初音ミクを初めて知った時に子どもの頃に接した宮沢賢治の世界を表現できる唯一の存在だと思ったそうです。
だからこそ、初音ミクを幻想的な声を持ったソリストとして登場させました。
初音ミクは音声合成技術を用い、3D映像技術を駆使して映し出されたヴァーチャルな存在な訳ですが、冨田さんは「人形浄瑠璃だってヴァーチャルな人形に命を吹き込んでいるじゃないか」と言います。
初音ミクの映像に合わせてプログラミングされた音楽をあてるのではなく、緩急のある指揮に合わせて自在に歌い踊っている姿というのは確かに舞台表現を超えた何かを魅せてくれます。
舞台上では合唱団の中高生たちと同じ位のサイズで舞台上に映し出される初音ミクは、確かに一人の出演者であり、宮沢賢治の世界に登場する異次元的な存在感を持った存在でした。
初音ミクって何? の母にとっても興味深い公演だったようです。
アンコールはこれまた冨田勲さん作曲のリボンの騎士、青い地球は誰のもので。リボンの騎士では初音ミクが再登場し、華やかな帽子でサファイア王女のように踊り歌っていました。
個人的にはこのリボンの騎士が可愛くて良かったですね。
ちなみに娘の感想は「生ミク可愛い!」とのことでした。……生なの?
再演があればまた行きたいなと思える公演でしたが、ミク目当てのお客さんの一部のマナーの悪さには閉口しました。
開演までずっとPSPやって、第1部が始まるとずっと寝て、ミクが登場する時だけオペラグラスでミクを見ているおじさん……うーん、なかなか受け入れられない、これは。
改めてボーカロイドや映像表現の可能性を感じた一日でした。
コメントを書く