- 2021年7月18日
“INDEPENDENT” 4th Season Selection / JAPAN TOUR オリンピックを超える一人芝居の祭典
出演者の一人である福田恵さんからお誘いを受けて観に行ってきました、最強の一人芝居フェスティバル“INDEPENDENT”……
演劇集団キャラメルボックスのサポーターズクラブ結成20周年記念公演『広くてすてきな宇宙じゃないか』に娘を連れて観劇してきました。
キャラメルボックスでは会員組織をファンクラブと言わず、サポーターズクラブ(CSC)と呼んでいます。 劇団員にJリーグの浦和レッズのサポーターが何人かいたため、劇団と『ファン』ではなく、『サポーター』のような関係を築きたいと結成されたものです。
そんなCSCも結成20周年。ウチはその期間の半分もサポーターではありませんが、劇場に伺う度にそんな精神を感じることが出来ています。
今回は劇団得意の”ハーフタイムシアター”。1本60分の短編演劇、しかも演者全てが入れ替わるトリプルキャストというお祭りです。 お祭りらしい公演を楽しんできました。 9月21日(金)の19:00の回は、偶然ながら劇団員の西川浩幸さんのキャラメルボックスでの通算3,000ステージ目の記念ステージ。
西川浩幸さんはキャラメルボックスで最初に好きになった俳優さん。
しかも東京の劇団なので、こんな記念ステージを観ることができるのは本当に嬉しいことです。
開場すると、いきなり入口から、お祭り気分。 他のチームでこの日は公演のない俳優の岡田達也さんと、温井摩耶さんが、西川浩幸さんの3,000ステージの記念品を配っています。
記念ステージの記念品は毎回趣向を凝らしているのですが、この日は……“コテ”!?
Twitterで「何でっ?」呟いてみると、「関西だからですっ!」と力強いお言葉(笑)
劇団一、笑いを大事にする西川さんらしいチョイスなのか、ついつい笑ってしまいました。来場記念品は「役に立たないもの」を目指している(だったはず)のですが、実はウチも娘も大喜びでした。
……近い内に家でお好み焼き作ろう。 ロビーでも、 がらくた市として役者さんが私物を販売していたり、サポーター向けの抽選会をやっていたり、終演後には各キャストそれぞれのネタバレありの壁新聞を100円で役者が販売していたり。
アンドロイドの民間利用が始まった時代。母親を亡くした柿本家に、アンドロイドのおばあちゃんがやってきた。料理から宿題の手伝いまで、なんでも完璧にこなすおばあちゃんに、長女のスギエと長男のカシオはビックリ。しかし、末娘のクリコだけは、おばあちゃんと口をきこうとしなかった。そして、1カ月後、おばあちゃんを家から追い出すために、クリコはある決意をする……。
「広くてすてきな宇宙じゃないか」は劇団の初期の作品で初演は1990年。
「銀河旋律」「広くてすてきな宇宙じゃないか」「僕のポケットは星でいっぱい」という3つの作品で、ニュースキャスターの柿本とその一家の物語を描いています。
死んでしまった母を忘れることが出来ない柿本家に”おばあちゃん”としてやってきたアンドロイド。
母親に似たアンドロイドに反発する娘。
機械と人、”おばあちゃん”と子どもの話なのに、普遍的な「人と人との絆」「人を思う強さ」をシンプルに描き切ります。
DVDなどの映像で何度か観ていても、個人的にはそれほどすごく好きな作品という訳ではなかったのですが、 生で観ると言葉の一つ一つがぐっと胸に染みます。
役者が言葉に命を吹き込む強さは、これほどに凄いものかと思いました。
終演後のロビーは中高生の演劇部らしい学生さんたちで一杯。
キラキラとした目で俳優さんの凄いところや、自分たちが演じるならと一生懸命話しているのをみているとなんだかウチもなんだか元気になってしまいました。
……でも、まぁ。CSC20周年の記念公演ということもあって、今回の舞台は「笑い」の多い舞台でした。
DVDで観ていた2005年の公演よりも、小ネタが30%増しくらいだったんじゃないでしょうか。
「トリツカレ男」「TRUTH」といった他の公演をネタにしたり、俳優さんの劇団外での仕事をネタにしたり、体型や声といった特徴をネタにしたり、ちょっと内輪ウケで大爆笑なところはありましたが、それも含めてお祭りをいうことで楽しい舞台でした。
さぁ、次回の冬の本公演は「図書館戦争」「阪急電車」「県庁おもてなし課」と今乗りに乗っているライトノベル作家・有川浩さんが原作を書くというコラボレーション作品「キャロリング」。本当に楽しみなクリスマス公演になりそうです。