- 2013年10月12日
ニコ生雑記:Caramelbox「ケンジ先生 2013 mix1」
新しいことにはとにかく積極的に取り組む演劇集団キャラメルボックスさん。 古い話では新幹線の車内で演劇をやってみたり、イ……
劇団P・T企画の公演「英国庭園の謎」を観劇(参加?)してきました。
この劇団、「ミステリ名作編」と題して、大阪で古今東西のミステリを題材に芝居をやっています。
この劇団を知ったのは一昨年の末くらいだったと思うのですが、大阪市営地下鉄で配布しているフリーペーパー「Oppi」に掲載された広告でした。
興味を持って劇団のホームページを見たところ、有栖川有栖さんの作品やエルキュール・ポワロ、ホームズを題材に扱っている。
これは面白そう、と、夏の公演「魔女のブーケ」のチケットを予約して観に行ったのが最初でした。
こちらの公演は「参加型」の舞台です。舞台は劇場、ホールではなく、レストランだったり、会議室だったりして、役者は目の前で名探偵やその助手、犯人、容疑者を演じることになります。
観劇する客も「ある役」をあてられ、事件を推理することになるのですが……
今回の名探偵は有栖川有栖さんが描く国名シリーズ・英都大学助教授の火村英生です。
ミステリ好きにはワクワクする舞台、たっぷり楽しんできました。
この日の舞台は大阪市西区にある大阪木材会館の会議室。
100名ほど入る普通の企業の会議室がこの日は「英国庭園変死体事件捜査本部」になっています。
私を含めた観客は、火村英生が勤務する英都大学のゼミ生として、火村のフィールドワークに参加しているという設定です。
ちなみに、開演前に「飛び級されている学生さんもいるようですが、その辺は目をつぶって頂いて。」と府警捜査一課の船曳警部補から注意事項が(笑)。
この辺りから舞台を楽しんでもらおうという配慮が見えるのは好印象です。
(ですが、芝居中、資料を配るときに「お客様に」と言うてしまっているところがあるのが残念なんですよね。そこは「生徒に」か「学生さんに」 と言って欲しかった)
もちろん、捜査本部に大学の学生が同席しているとか、こんな大勢の中で事情徴収っておかしいやろっ! というツッコミはあるかと思うのですが、それを言っちゃうとミステリそのものが成り立たなくなるのでその辺こそ目をつぶってなんですけどね。
さて、開演すると火村のパートナーである有栖川有栖(知らない人は混乱すると思いますが、小説内でのワトソン役として推理小説作家の有栖川有栖という登場人物がいるのです)が、一枚の紙を見ながらあぁでもない、こうでもないとブツブツ言いながら部屋に入ってきます。火村はそれを見ながらあきれ顔でため息をついています。
しばらく状況が分かりにくい中、説明が。
大阪の郊外で資産家が殺された。容疑者は6人。容疑者は被害者から暗号文を 渡されて、被害者の邸宅内の英国庭園を動き回っていた。
と、いう状況。推理小説作家の有栖は暗号文が気になるが、火村は当然犯人が気になるという設定。
すぐに、府警の船曳警部補が室内に入ってきて、観客(=英都大学の学生)に協力を感謝する旨告げて、容疑者を部屋に招き入れます。
で、事情徴収。事件が発生前後の容疑者の行動を一通り聞くと、火村は「暗号文は解けた、犯人も分かった」と言う。
と、言うところで問題編は終了。20分間の推理時間のあとに解答編が演じられます。
「参加型」の舞台なので、英都大学の学生である観客は暗号解読に挑みます。問題編で火村が暗号解読のヒントを出してくれているので、それぞれは黙々と、友人と来ている人たちはワイワイと謎に挑みます。そして自分の推理をスタッフに手渡す。
そして、解答編。火村が犯人を指摘して謎解き。最後は、正解の犯人を指摘した観客にささやかなプレゼントが渡されて終演。
全部で1時間半から2時間ほどの時間なのですが、「参加したぁ」という意識になり結構楽しめます。
3回参加しているのですが、未だに綺麗な推理を披露できず、今回も惨敗。暗号の解読を失敗してしまいました。
気になって、帰りに書店によって原作を読み返してみたのですが、暗号と犯人は原作通り。ただし、犯人を絞るための根拠はオリジナルでした。推理では「なぜ、その人が犯人なのですか?(ホワイダニット)」をきちんと聞いているので単なる犯人あてクイズになっていないのが巧いところ。
ただ、基本的に会話劇なので、元ネタ(登場する名探偵)を知らないと楽しさが減ってしまいます。
ウチは小中学生の頃に国内外のミステリ、特に古典は読んでいたので役者がエラリー・クイーンやホームズ、火村を演じているのを見ると、「そうそう、こんな感じかも」と思うのですが、知らない人にはちんぷんかんぷんかもと思ってしまいなかなか他人に薦めることができない芝居なんですよね。
個人的には結構好きなので、次回公演のミス・マープルも観に行こうかなと思っているのですが。
あ、今年はミステリ名作編が10周年とのことで、冬の公演はスペシャル企画でルパンVS名探偵をやる模様。今回の公演中にもルパンの配下が潜り込んでいるらしく、ルパン様からのメッセージを手に入れました。
ミステリに興味のある方がいれば、ぜひご一緒したいのですが……なかなかいないんですよねぇ。
[…] 加型の芝居を、大阪の各所で積極的に公演をうっておられます。 ウチも過去に火村英生の「英国庭園の謎」、ミス・マープルの「秘密のレシピ」をご紹介させていただいていますが、今 […]