- 2018年8月15日
Xperia XZ2 Premium、夜間撮影も凄い。でもこのデザインがiPhone3GSを思い出して嬉しい
(引用:SONY) 板状通話機能着きカメラ(=スマホ)を機種変更しました。1ヶ月ほど前に「おサイフケータイ」の反応が怪し……
六甲山上で行われている現代美術の芸術祭『神戸六甲ミーツ・アート2025』に行ってきました。
以前より気になっていた芸術祭だったのですが、なかなかタイミングが合わず……というより、場所が六甲山上ということもあって一人で行くには腰が重くなってしまっていたのでした。
以前は、月に一度はカメラを持ってフォトウォークをしていたのですが、最近は講演や研修に呼んで頂いたり、公務員仲間の勉強会や交流会ばかりでして。
ちょっとふらっと行ってみようということが少なくなっていたので、これはいかんと3連休の中日に行ってみることにしまいした。
『神戸六甲ミーツ・アート』は、六甲山上のエリアで秋に開催される現代アートの芸術祭です。初の開催は2010年で今回が16回目なので、町中……とはちょっと違いますが、美術館やギャラリーの展示ではなく野外で行われているアート展としては、結構長い歴史を積み重ねているものです。
今年のテーマは「環境への視座と思考」とのこと。
現代アートにあまり詳しくないので、素直に感じるままに見て回るのですが色々と感じることの多いアート展でした。
六甲山は昔から観光開発が盛んにされていて、今でもレジャー施設や行ってみたいスポットもたっぷりあります。その一方で廃墟になっている会社の保養所やホテル、かつての別荘跡など、まぁ、日本全国のかつての避暑地なんかと同じような問題も抱えていたりする訳ですね。
自然豊かな山系と、不似合いなレジャー施設、荒廃する建造物やぽっかりと空いた土地。「環境」って何だろうなと考えさせられます。
刺さる作品も、なんだろうコレ?って作品もあるのですが、アート作品を目的に六甲を訪れる人もそうでない人も、スタンプラリー目当ての人も自然とアートに触れられるというのはいいなぁと思います。
個人的に気に入った作品をいくつかご紹介
この作品は、観劇好きのウチにはめちゃくちゃ刺さりましたね。
廃業したホテルのラウンジに設けられた4つのシート。その真ん中には朽ちた井戸があり、9人の女性がそれぞれ話をしています。
ソファーに身を沈め、江戸から昭和にかけて芸術に身を捧げた女性の会話に聞いていると、井戸端会議なのかラウンジでお酒を飲みながら女性の愚痴を聞いているのか、酔ってしまいそうな感覚に陥ります。
自由に見ることができるシナリオが公開されていたり、それぞれの席にはそこに居る(であろう)女性の顔が描かれたグラスが置かれていたり、総合的なアート空間として堪能できる作品でした。
このアート展で一番見たかったのがこの作品。
安藤忠雄が設計を手がけた「教会三部作」の一つ「風の教会」。
いかにも安藤忠雄さんのアート作品らしいコンクリート打ち放しの躯体の造りの教会に、朽ちた建造物が白くランタンの様に浮かびます。
このエリアも「風の教会」の周りは建造物が消えてしまって荒れた土地が晒されているので、人工的な構造物と手の入らなくなった自然との差異が感じられて、座り込んで結構な時間を過ごしてしまいました。
結婚式会場としても使用されている空間ではありますが、アート空間としての親和性が素晴らしかったですね。
1kg単位の作品を1000個作ることで完成する「1ton彫刻」
1000の金属パーツで作られた「1ton 彫刻」を、今度は1000のピースに分散させて世界中の場所で展示する同時空間プロジェクト「1000kg 千箇所プロジェクト」として発展させたという作者自身も「デリケートで個人的な景色」がここに詰められています。
故人とのセッションという背景も含めて、無機質なパーツからウエットな部分をのぞき込むような、熱さを感じる展示でした。
廊下、部屋に備え付けられたパーツは圧巻で、ある種の恐怖を感じます。
この芸術祭のカバー写真にも使われている作品で、愛らしい少女の顔が「ROKKO森の音ミュージアム」の森の中に急に現れます。
作品の原型は奈良さんが造形した粘土でその拡大作とのことですが、素朴な笑みを浮かべ、異質でありながら不思議と周囲の木々に馴染んでいる不思議な協調が見られる作品です。
親子連れが一緒に写真を撮っていたり、その大きな笑みの前で同じように笑みを浮かべて立っている子どもを見かけたりしました。
それを見ているウチという構図が、第三者視点で見ると気持ちが悪いのですが、自分自身としてはそういう所も含めて楽しいなぁと思いました。
こちらの作品は会期後も常設展示ということなので、長く親しまれる作品になっていくのでしょうね。
まだまだ暑さの残る大阪から、ほどよく涼しい六甲山で楽しんで、帰りは有馬温泉で湯につかってと楽しい一日でした。
9月20日からは「ひかりの森~夜の芸術散歩~」という光の展示も始まるようなので、ちょっとだけ気持ちを緩めたい方は行ってみてはいかがですか?
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