- 2015年9月26日
「生活保護通知・通達総索引2015」唯一変わったのは、その……
毎年、毎年、更新を期待されます。もちろん、それに応えるため今年も作りました。 生活保護通知・通達総索引2015 生活保護……
10月13日、東京の大崎ブライトホールで開催された「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2024」(地方公務員アワード)の授賞式に参加してきました。
実は10月の1ヶ月間、区の選挙管理委員会に応援に行っており、授賞式は公示前の忙しい時期だったのですが、リーダーに無理を言って参加させてもらいました。
私自身が一昨年受賞させていただいた経緯もあったのと、以前から親交のある方が受賞されたので個人的にもお祝いできればという気持ちでした。
過去の受賞者もこの機会に集まって情報交換があったり、互いの仕事を思いやったりと、自身の仕事が立て込んでいる中、やっぱり行って良かったなぁと思います。
普段の仕事で煮詰まっているところを整理して、元気をチャージすることができました。
衆議院選も終わって、ようやくブログを書く時間を取ることができたので、さっそく、授賞式の模様と今年の受賞者をご紹介……といきたいのですが、その前に少しだけ「地方公務員アワード」に対して私が思っていることを書いておきたいと思います。
……本当は最後に書くようなことなんだけど、最後に書いたら、そう思っている人に届かないので。授賞式の模様などに興味のある方は飛ばしていただいて結構です。
ここに書くことは私個人の意見であり、アワードを主催するHOLGやその代表者の加藤さんの見解ではありません。また、加藤さんや同社から頼まれて書いている訳でもありません。念のため。
それぞれの受賞者が成し遂げたことに対して、SNSなどで「受賞者一人だけが目立つのはおかしい」、「広報、観光、シティプロモーションのようなマスコミに取り上げられやすい部署ばっかり」、「窓口職場など地味な職場の職員の方がすごい」などといったやっかみ半分の言葉を目にすることがあって、本当に残念に思います。
地方公務員アワードは、同じ公務員の他薦により選ばれます。
どんなすごいことをしても、それをすごいと思う周りの人がいなければ受賞することはできません。
どんなすごい事業成果であっても、その人がいなければその結果はでなかった、その事業などにおいて受賞者は車でいうエンジンだったと他人が認めているからこそ選ばれるものです。
受賞した本人の多くは、授賞式で自身の栄誉を誇ることよりも、まず同僚や関わってきた方への感謝の言葉を口にします。
私もそうでしたが、「すごいことをやった」という気持ちはみじんもなく、普通に自分のできることをできる方法でやったら、それが誰かの役に立ったという嬉しさが授賞式では溢れています。
私は生活保護の分野でしたが、上下水道や徴税、公民館、水産事業など、決して世間で言われるような花形職場ではない部署で働く受賞者も多数います。
公務員自身が妬みを寄せて自身の仕事を自ら貶めるのも、受賞者をスーパー公務員だと祭り上げるのももったいない、なんて思うのですがいかがでしょうか?
私たち地方公務員の仕事は、会社(自治体)が違っても、協働できる希有な仕事です。アワード受賞者を遠ざけるよりも、同じ公務員仲間として褒め合えればいいなぁ……と。
そういう訳で本題。今年の受賞者をちょっとずつですが紹介します。
自治体広報分野のレジェンドというイメージが強い池田次郎さん。親しみを込めて「次郎さん」と呼んでしまっているのですが、現在は「市長公室市制70周年記念事業事務局」で事務局長補佐という要職についています。
今回、推薦者が次郎さんを推したのは広報分野だけではなく、卓越した発想力と実現力で様々な事業に取り組んだことです。
待機児童問題、教育施策、コロナ禍でのオンライン成人式、そして市制70周年事業でも当事者目線でどう取り組むのが良いかというのを徹底的に実践しています。
表彰式ではひょうひょうとした口調で話しておられましたが、言葉には表れない熱さにあてられてこの人を追っかけたくなる、めざしたくなるかっこいい公務員です。
プライベートで実践されておられる自治体広報LABなどの発信は、私にとっても最高のお手本です。
全国の男性保健師を繋ぐ保健師界最強の光属性。
保健師といえばどうしても女性が多いなかで、磐田市や静岡県だけではなく、全国にその繋がりを深め、地域の保健福祉に貢献しています。
専門職でありながら、人事交流で様々な部署に異動し、NHKのど自慢の担当になったり、公営婚活の企画運営に携わったり、雪が降らない磐田での「いわたゆきまつり」をやってみたり、コロナ禍での集団ワクチン接種体制づくりと、分野を問わず「人々のより良い暮らしのために」奔走するかっこいい公務員・保健師です。
ウチの男性保健師にもぜひご紹介したいです。
地域の魅力をあらゆる手段で発信するシティプロモーションの達人が瑞浪市の伊藤さんです。
伊藤さんの取り組みで一番よく知られているのが市のシティプロモーション動画「奇跡の化石」の制作。市内の若者と参加型ワークショップ形式で原案をつくり、市民にエキストラで参加してもらい作成した短編動画は、自治体のプロモーション動画としては驚異の58万回以上の再生を誇り、英文連アワードで優秀企画賞、日本国際観光映像祭で優秀賞、フランスの映画祭でも入選しています。
もう一つ驚くのがBEAMS JAPANとのコラボレーション。2年間で市内事業者13社が参画して、ビームスの公式オンラインショップでも販売されるなど、地場産業の活性化に多大な貢献をしています。
自治体でそんなことできるの?ということに堂々と取り組むかっこいい公務員です。
ふるさと納税を軸に「未来を担う子ども」の力になる町のお兄さん。
返戻品競争で納税額の多寡ばかりが注目されるなか、肉や魚介類といった目玉となるものが無い宇治田原町は、ふるさと納税の寄付金の使い道を「未来を担う子どもたちのため「未来挑戦隊チャレンジャー育成PROJECT」(ミラチャレ)のみに絞りました。
何を売るかではなく、何に使うかという視点変換がふるさと納税とはどうあるべきかを考えさせられます。
子どもの未来のための50以上の取り組みをプロデュースし、町の未来を繋げる姿勢はかっこいい公務員そのものです。
水道事業のDX化を全国に広げたレジェンド。
最近では行政の取り組みにスマホアプリを導入する事例も増えています。しかし、単にスマホアプリを導入するだけで利用者が伸びず目的があいまいになってしまいがち。
水道料金の電子納入通知書をアプリ内で完結させることで、料金通知に必要な費用を大幅に削減させることに成功したばかりか、全国にも波及させ、さらには他の公共事業でも活用可能な道を作り出した郷田さんの取り組みはすごすぎて何がなんだかわからなくなるほどかっこいい取り組みです。
あ、私生活でのレジェンドマンホーラー(「マンホーラー」って言葉があるんだ)の活動にも興味津々です。
愛知県豊田市は昨年度、一昨年度に続き今年もアワード受賞者を輩出しました。 近藤さんは仕事もプライベートも、人を巻き込んで最大限の効果をあげる素晴らしい公務員です。
自治体で初めてのラリー世界大会を主催した際には、市民の認知度を95%(!)まで高めて、人口42万人の豊田市に54万人の観客を集めました。ラリーに興味のある方だけではなく、多くの団体の活動を通じ、その市民の興味につなげてラリーを広く知ってもらう手法は「知らせる」じゃなく「知ってもらう」ことの大切さなど他の自治体でも生かせる考え方だなと思います。
コロナ禍での豊田市の「豊」の豆の字を口に見立ててマスクをかけて幼い子供にもマスクの必要性をやさしく伝えるなど、柔らかな発想力と抜群のコミュニケーション力で、様々な部署の同僚9名から推薦を受けました。
仲間に信頼される職員というのは本当にかっこいいです。
愛媛県の農林水産研究所で研究員として活躍されていた武田さん。
彼女の見える世界は、過去の受賞者ともまた違うものかもしれません。
すでに愛媛県を離れ、今は北海道に活動の拠点を動かしているのですが、四方を海に囲まれた日本の水産資源を支える、漁業関係者に本当の意味で寄り添う研究者かつ実践者です。
大学院で研究に励み、その一方で水産業を中心においたちいきおこしの活動に励み、漁業の最前線にも躊躇なく飛び込んでいる姿に、推薦者が「これからの水産業を支える希望の光(あかり)」と書かれているのが非常に印象的でした。
授賞式で彼女をまぶしく見つめる地方公務員をバックに自撮りしている姿がもうかっこよくてしびれました。
「大阪最強のオールラウンダー」、それが辻村さんです。
私は縁を繋いでいただいて、昨年に初めてお会いしたのですが、こんなすごい人がまだ近くにいたんだとびっくりしたのを覚えています。
新型コロナウイルスのワクチン接種推進室で1日2,000人にワクチン接種をしてもらうために、地域の高齢者400人でシミュレーションをしたことは、地域とかかわっている公務員なら誰でもどうやって調整したんだと感じるに違いありません。
市長、上司が変わっても、働く場所が変わってもその場で最大限のパフォーマンスを発揮して目に見える成果を出す、私がめざしたかった最強のオールラウンダーがここにいます。まぶしすぎるかっこいい地方公務員です。
愛知県豊田市から今年二人目の受賞者、橋本さんは議会局総務課の皆さん21名からの推薦で受賞されました。外部の職員から推薦されるのもすごいのですが、こういう風に自身の職場から連名で推薦されるのも本当にすごいですね。
橋本さんの功績は自治体内でも大変だと認識されている債権管理に尽力したこと。多くの自治体ではどうしても縦割りになり、債権徴収業務はそれぞれの部署が持っていたりするところ、市の全ての債権を一元化し、それと平行して生活困窮者の支援の入口を整理しました。一元化によりコストを削減し、同時に福祉分野に波及させる取り組みは生活保護のフィールドを中心に働いている私にも響くものでした。
債権管理ってやりたくない職員も多いと思いますが、ボトムアップでそこに力を注いだ橋本さん、かっこいいです。
福島県初の受賞となった深谷さん。
交流型クラウド・ファンディングという手法で地域住民が起業家を応援する「地域クラウド交流会(ちいクラ)」で公務員で唯一のオーガナイザーの認定を受けており、多くの起業家を積極的に支援しています。
「社会起業家加速化支援プログラム」をゼロから立ち上げ、郡山市だけにとどまらない周辺市域を含む「産業クラウドファンディング事業」や補助金を用意したり、その視野の広さに驚かせられます。
推薦文を読んでいると、非常に慕われている兄貴としての姿が見えて本当にかっこいいです。
最後11人目の受賞者は埼玉県草加市の安高さん。
まず何よりもすごいのが、彼を押す推薦者が13人もいたこと。
入庁1年目は市民税課で申請書類の修正案を提案したり、要綱・規則に海底に取り組み、給与支払報告書の提出をおこなっていない会社があれば法令に基づいて出してもらえるように働きかける。
広報に異動になってからは広報紙のリニューアルに着手し、異動初年度で例年ランク外だった全国広報コンクールで県2位までたどり着く成果をあげる。
とにかく、公務員としての仕事への嗅覚が優れており、問題への情熱的な取り組み姿勢は本当に素晴らしいです。
公務員になる前、中学生の頃からボランティア活動に取り組み、18歳で子ども会を作って、その子ども会が存亡の危機に陥ると再び会長としてボランティアスタッフを集めるなんて、公務員の前に人としてかっこよすぎやしませんか??
今年から創設された30歳以下のネクストホープ賞。
兵庫県高砂市の茅野さんは、銀行からの転職組。産業振興の分野を希望して転職しましたが、現在の仕事は生活保護のケースワーカー。
まるっきり違う分野での仕事にもめげることなく、生活保護の勉強会にも参加して、前向きな姿勢で「やりたいこと」を置かれた環境で取り組んだ結果、商店街の活性化や大学との連携で地域活性化プロジェクトをすすめる正に「次世代公務員のリーダー」たる活躍を見せています。
甘いマスクに柔らかな人柄で、生活保護の上司だった吉川さん、いっちょかみで公務員を巻き込む兵庫県加古川市の栗林さんと播磨三兄弟で売り出し中ですが、三男坊に兄二人だけでなく関西の公務員はメロメロです。いやー妬ましい。
もう一人のネクストホープ賞は富山県滑川市の林さん。
うまく使われていいない駅前の都市公園にマルシェを企画。
イベント単発だけでなく、周囲の店舗への効果も狙って開催時間を16時開始、20時終了としてみる工夫は公務員ならではというところですが、その発想にたどり着くのはセンスがあります。私はグルメライターをしていたので、お店側からしたらこれは、協力したいというところも出てくるだろうなぁと感じました。
都市公園の価値を上げる取り組みとして、これからも発想力と巻き込み力で地域の力を付けていくだろうと思います。
いいなぁ、こういう企画に携わってみたいと妬ましいです!
授賞式を終えたあとは、受賞者と推薦者などの参加者を交えての交流会。この機会がなければ交わることがなかった、全国の公務員が受賞者を称えながら、情報交換や交流を深めます。
そんな交流会を支えるのが運営ボランティアを務める公務員たち。
ボランティアの中には、過去のアワード受賞者やその推薦者も積極的に参加しています。
もちろん、授賞式や交流会でそういうことが取り上げられることはなく、完全に黒子な訳ですが、そういう役割にも自然と自分を置くことができるからこそ「すごい」公務員なんだと感じさせられます。
授賞式でも司会は福井県の寺井優介COD(チャレンジ応援ディレクター・2022年度受賞者)がつとめ、
アワードの選考に加わり、当日はプレゼンターを務める人もいたり、
アワードの受賞者じゃなくても、献身的に会の運営を支える公務員がいます。
たくさんの地方公務員が支えて、たくさんの地方公務員が繋がって、たくさんの地方公務員が未来を描く、今年もとても素敵な授賞式でした。
来年は恐らく受賞者の累計が100名を突破します。できることならば、「すごい公務員100名展」みたいなイベント開催してみたい、なんて考えちゃいます。
[…] https://utatane.asia/blog/2024/13818/ →地方公務員アワード2024授賞式の裏側も知れるレポート。 […]