- 2019年8月24日
日本一の公務員広報マンが書く仕事術 佐久間智之「公務員の速効ライフハック」
(株)ホルグが主催する『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード』という2017年度から行われている表彰があり……
新年が明けて一ヶ月が過ぎました。行政職員にとっては、年度末と次年度に向けて色々と仕事が重なってくる時期。上司から予告もなしに飛んでくる仕事を通常業務に組み込むためにはタスク管理アプリは欠かせません。
私が現在使用しているのが「Remember the milk」。2004年にサービスを開始したタスク管理サービスとしては最古参ともいってよいサービスです。名前の通り「ミルクを買うのを忘れない」と「タスク管理」を分かりやすく表現して、アイコンなどの可愛らしさが結構気に入っているのですが、2月がちょうど有料サービスの更新月にあたるので、こういう機会なので他のタスク管理アプリ、サービスとの比較をして継続使用するかどうするか決めようと思います。
前もって書いておきますが、こういう比較記事を書くときは、文章かなり長いです。
私がタスク管理サービスに求める条件は次の通り
必須条件
希望条件
サービス名 | Remember the Milk |
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有料サービス料金 | $39.99/年 |
無料時の制限 | ・サブタスク使用不可 ・タグが単色(黄緑色)のみ ・タスクをグループで共有できない ・リマインダ、バッジ、ウィジェット機能無し など |
現在使用しているRemember the milk(RTM)ですが、Web上での表示は2016年2月にリニューアルされてかなり見やすくなりました。以前はリストやタグをタブ表示して画面が広く使えないことが不満だったんですよね。
RTMの一番の魅力は、キーボードショートカットが充実していること。タスクを入力したあと、スペースをあけて[!]+[1~4]で重要度、[#]+[語句]でリストやタグ、[^]+[日時]で締切、[//]でメモなどキーボードから手を離さずにタスクを簡単に入力することができます。仕事中はスマホをあまりいじれないですから、PCからWebアクセスすることが主になるので入力しやすいというのはありがたいです。
不満は多くはないのですが、凝ったフィルタ(スマートリスト)が作りづらいという点でしょうか。用意されているスマートリスト作成用のフォームは複数条件を「and」で繋ぐばかりで、狙ったとおりのフィルタを作ろうとすると、クエリエディタで検索演算子を繋げて作らないといけません。検索演算子の説明は簡単な英文になっていますが、以前はあった日本語ブログがなくなっており用例などの紹介がないのは痛いですね。
ちなみに、私は仕事中、最初にみるスマートリスト「職場でやれ!」を作っています。「((dueWithin:”1 week of today” OR dueBefore:today OR due:never) AND status:incomplete AND location:区役所)」、締切が1週間以内もしくは既に過ぎてるか設定していないに加えて、完了していない場所が区役所になっているタスクというもの。未だに、これにサブタスクも表示させるという式の作り方が思いつきません。
あと細かなことを言うと、付けたタグはタスクの冒頭、文末に表示できますが、冒頭だとタグを複数付けるとタスク自体が見づらく、文末だとタグが見づらいというのも小さいことですが不満点。
スマホアプリもリニューアル時にデザインが変わって、他のタスク管理アプリ同様のシンプルな表示に。以前は使用しているフォントが手書き風のものでサービスのイメージにあったものだったのですが、個性が無くなったかなという印象。ハンバーガーメニューで左側にありますが、右フリックでも表示可能。スマートフォンでのタスク管理アプリのお手本のような作り方だと思います。
有料アカウントの価格は$39.99。以前の履歴を見ると2011年、2013年に購入したときは年間$25だったので、今の価格はリニューアル後の価格でしょうか。有料アカウントでないとタグの色づけが出来なかったり、リマインダがスマホに飛ばなかったり、スマホでタスクを常時更新できなかったりするので、この値段が割に合うかがポイントになりそうです。
memo【おすすめユーザー】複雑なフィルタを必要とせず、PCでサクサクとタスクを入力していきたい人向け
サービス名 | Nozbe |
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有料サービス料金 | ¥980/月、¥9,360/年(PRO) |
無料時の制限 | ・グループ共有できない(PROで3人まで) ・プロジェクトは3つまで など |
Nozbeも古参のタスク管理サービスです。
Nozbeを話すときに忘れちゃ行けないのが、GTDの考え方。デビット・アレンの「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」という書籍でGTDに触れた人にとっては、Nozbeは本当に魅力的なサービスでした。Evernoteなどのサービスとの連携も、他のタスク管理サービスと比べても早かったんじゃないかなぁ。
サービスリリース当初は、他のタスク管理アプリと比べてデザイン性に優れていたので、「カッコいい」と思っていましたが、今は見た目ではあまり変わらないですね。
EvernoteやDropbox、Googleドライブに保管しているデータをタスクの添付ファイルとして使えるのはパワフルですが、ウチの職場はこういったオンラインストレージにはアクセスできないので、この優位性が生かせないのは残念なところ。
グループ共有は元のプロジェクトを立てた人間だけが契約していればOKなんですが、有料でしかも3人まで(+1人ごとに¥380)なのも、価格的に他サービスと比べると微妙。
スマホアプリもWeb版と同様に飾り気のない表示で、左側から右にフリックでプロジェクトやカテゴリなど、右側から左へのフリックで、選択しているプロジェクトの設定などが調整できますが、これも結構素っ気ない感じの表示ですね。
また、カテゴリはRemember the milkでは、タグとしてカラー表示+文字なんですが、こちらではアイコン表示しかされない上に、30種類のアイコンにいくつか微妙なものがあって、カラーでの分類もできないことからカテゴリ(タグ)をたくさん作る人にはお薦め出来ません。これ、ウチが数年前に使用していた頃からの不満ですが未だに解決されていないですね。
年払いで¥9,000以上するサービスとしては、ちょっと今はお薦めしづらいサービスです。
memo【お薦めユーザー】他のストレージサービスとの連携を存分に活用できる人向け
サービス名 | toodledo |
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有料サービス料金 | $19.99/年(SILVER)、$29.99/年(GOLD) |
無料時の制限 | ・タスク共有不可 ・ストレージ容量無し ・1つのリストに30までのタスクしか登録できない など |
古参でいうなら、toodledoも外せません。GTDをやるツールとしては最古参ともいうべき存在で、私も4年前に使用してみようとやってみたのですが、結局リタイヤしました。そういう訳で、添付している画像もその残骸のタスクが置いてある様子です。
機能としては「なんでもできる」パワフルなサービスで、他のタスク管理サービスでは使えないことも多い「いつからこの作業を開始するか(StartTime)」、「どこでやるか(Location)」、「作業にどのくらいの時間がかかるか(Length)など、タスクそれぞれに細かい情報を付与して、GTDの基礎「頭の中をすっきりとさせる」という形を取りやすくしているサービスです。
また、ノート機能、リスト機能、アウトライン機能、ハビット(習慣)機能などが私が使用していた頃と比べると追加されており、toodledoだけで色々できるという感じになっていますが……それは余計なお世話なような気が。どの機能も、専用のサービスがあってそこと比べるとかなり劣るという印象しかうけませんでした。
タスク管理サービスとしては昔から有名なので、Toodledoと互換しているアプリも多く、公式のアプリの使用心地は決して良くありませんが、手に馴染む互換アプリを使えばスマホでの運用はかなり快適になると思います。
とはいえ、Web版の表示はExcelの表のように横長で、スクロールしないと登録した内容すべてを見ることができないなどUIに古さを感じますし、機能が多いと言うことはその分使いづらいというのも確かです。また、参考書籍やWeb上に使い方に関する情報は多いのですが、日本語化されていません。
個人的には無料サービスであれば、後発のタスク管理サービスで十分、有料サービスだとサービス自体が古いという印象です。
memo【お薦めユーザー】ガッツリとGTDをやってみたい人向け
サービス名 | Todoist |
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有料サービス料金 | ¥3,500/年(PRO) |
無料時の制限 | ・リマインダ機能が使用できない ・ラベル(タグ)、フィルタが使用できない ・メモ、ファイル添付(Dropbox,Googleドライブ)ができない など |
Todoistはタスク管理サービスにゲーミフィケーションを持ち込んだ(私が知る限り)最初のサービス。
「カルマ(日本語版では生産性)」という数値が、タスクをこなすと+、締切を過ぎると-され、数値を挙げることで、仕事を完了させていく快感を味あわせてくれます。これ、馬鹿にできません。数値が下がると「やらなきゃ」という気持ちになるんですよ、本当に。
Remember the Milkやtoodledoよりも後発のサービスなので、リリース当初からUIがこなれており、ラベル(タグ)やフィルタ、他のストレージサービスとの連携もきちんと組み込んでいます。
が、リマインダ機能もラベル(タグ)も、メモにファイル添付も、さらにはフィルタも全て有料サービスで、無料時に試用できないのは「このサービス良さそうやねんけどなぁ……お金出すのは躊躇うなぁ」と思わせてしまって勿体ないなぁと思います。
また、キーボードショートカットもあり、タスク登録時にラベルなどを登録できる……はずなんですが、日本語IMEでは反応せず、IMEを切っても巧く反応しない場合があります。Rmember tht Milkだと日本語IMEが立ち上がっていても反応するだけに不満が残ります。
Todoistを利用する上で、他のサービスとの優位点で取り上げたいのは、IFTTTとmyThingsの2つの連携サービスのどちらにも対応していること。連携サービスとは「あるWebサービスとあるWebサービス間を自動的に連携する機能」を提供するサービスなんですが、米企業が運営するIFTTTにはToodledoやTrelloも対応していますが、Yahoo!Japanが運営するmyThingsにも対応しているタスク管理アプリはTodoistだけです。
myThingsは連携できるサービスにTポイント、ニコニコ動画、LINEといった日本のローカルなサービスがあり、連携サービスを利用すればTodoistの機能を大幅に拡張できます。運営のブログではIFTTTのレシピも公開されており、簡単に使用することができます。
memo【お薦めユーザー】連携サービスを利用して色々な作業を自動化してみたい人
サービス名 | Wunderlist |
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有料サービス料金 | ¥450/月 |
無料時の制限 | ・添付ファイルが1つあたり5MBまで ・タスク共有が25名まで ・サブタスクが1つのタスクにつき25まで など |
2015年にMicrosoftが買収したタスク管理サービス。Todoistなどと同様に後発のタスク管理サービスということもあり、サブタスクやDropboxと連携したファイル添付など基本的なサービスは揃っています。
何より素晴らしいのは、無料サービスで出来る範囲。特に無料で25名のメンバーとの共有ができるのは良いですね。
PCでもアプリでも表示はシンプル。タグ付けはバッジ表示などせず、SNSでのタグ表示といった感じで表示されます。サブタスクはメモなどと同じで、メインのタスクをタップしないと見ることができないのはちょっと残念。
myThingsに対応しているので、簡易的なタスク管理サービスの中では使いやすいと思います。
memo【お薦めのユーザー】お金を掛けずにグループでタスクを共有したい人
サービス名 | Any.do |
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有料サービス料金 | $2.99/月、$26.88/年 |
無料時の制限 | ・繰り返しタスクの設定 など |
Any.doは、リリース当初よりデザイン性が高いと評価の高いアプリです。当初はiPhone版だけでしたが今はWeb版も存在しており、白ベースに爽やかな青で色合いを統一しています。
機能は必要最低限という感じで、アプリでの表示もタスクを消化していくことだけに専念させる感じ。良い意味でも悪い意味でも「シンプル」です。
毎朝、設定した時刻になると軽快な音で、タスクの見直しを促すのがお気に入りです。
スマホでの表示では、連携しているGoogleカレンダーの予定も表示されるようになっており、簡易的に一日の予定を把握することも出来ます。
memo【おすすめユーザー】シンプルなタスク管理を望む人
サービス名 | Trello |
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有料サービス料金 | $5/月、$45/年(PRO) |
無料時の制限 | ・ファイル添付の上限が10MB など |
Trelloは、最近話題になった「カンバン式」のタスク管理、プロジェクト管理アプリ。
タスクをカード型で作成し、ドラッグ&ドロップで状況を変更していく「見た目で状況を把握する」という仕組みです。
スマホアプリもWeb版と同様の操作形態ですが、さすがにスマホの表示では「カンバン式」のタスク管理の利点が全く活かせないので、Web版やタブレットのように広く画面を使用できるもの向けといった感じがします。
無料サービスと有料サービスとの差異は少なく、他のサービスとの連携(Power-up)が不要であれば、無料サービスでも十分使えると思います。一人で使うよりは、グループでプロジェクト管理をするのに向いたサービスではないでしょうか。
memo【お薦めユーザー】カンバン式で、タスク管理をしたい人
様々なサービスがありますが、それぞれの用途にあったタスク管理サービスを利用してはいかがでしょうか? 私はRemember the MilkからTodoistへ移行してみます。
よろしくお願いします。現在Nozbeを使いはじめたのですが、あまりにひどいので、個人でTo-do管理をして、グループとしてはTrelloを使うつもりです。Nozbeは現在のUIとNozbeのマニュアルとのディスクレがあまりあるので、使えません。
ディスクが少ないソフトはないでしょうか
RTMからTodoistに乗り換えて半年以上経ちましたが、まぁまぁという感じですね。
Nozbeは価格の割に性能もUIも付いて来ていないという感じで、今は使う気になれないというのが正直な所です。
Todo管理については、どの媒体から見ても見やすく操作しやすいということを最優先に考えているのですが、今あるサービスはどれも「帯に短したすきに長し」で、今使用しているTodoistが最適とは思っていません。
スマホ単独で使用されるのであれば選択肢は広がるかもしれませんが、PC、タブレット、スマホなど複数の媒体からアクセスしてという条件だと、RTM、Todoistが今も選択肢にあがるのかなぁと思っています。
回答ありがとうございます。
TodoitとMRTを考えています。
それぞれ一長一短あるので、少し使ってみてディスクレが少ない方を選びます。
まだ、TodoitとMRTは使っていないのですが、Nozbeの中にあるタスク、プロジェクト、カテゴリー、ラベルに関して整合性がTodoitとMRTはとれているのでしょうか。
Nozbeのタスク、プロジェクト、カテゴリーに関してですが、それぞれ結びつきはあるのですが、ラベルはタスクに結びついていないので、ラベルはあっても同じではないでしょうか。
https://gyazo.com/800106738af5eb4bc8c45bc02f732b67
URLのようにやりたいのですが、プロジェクトとラベルを関連付るためにはラベルはすべてChinaとUSAにしなければなりません。
こうみると、どのアプリもなにか抜けているみたいですね。