- 2016年11月3日
新世界らしさ満開のリノベーション串カツ店@新世界「王将倶楽部」
「大阪の人って、そんなに串カツ食べないんですか?」以前、東京からきた同業者さんから、そう聞かれたのですが、はい、そこまで……
大阪の建物の印象ってどんな感じでしょう? 意外とイメージがないんやないかなぁ?
例えば京都言えば、どこもかしこも町屋や寺社仏閣のようなイメージがあったり、神戸だと洋館だとか外国からの影響を受けたイメージ。
大阪は? というと、建物よりも「グリコの看板」みたいなメディアから垂れ流されているイメージはあっても、なんとなく都会って感じにしか写っていないんじゃないでしょうか。
個人的には「いやいやそんなこと無いねんで」とは思っているんやけど、なかなかそれを巧く説明することができませんでした。
そんなある日、書店で見つけた「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」の公式ガイドブック。
「おぉ、これやん!」
レトロだけじゃない、ダイビルや英・タイムズ誌で「世界の建築物トップ20」に選出された梅田スカイビルといった現代建築にも光をあてた「大阪の“生きた建築”が扉を開く特別な2日間」との言葉にしっかりと感化されて、11月6日にちょっとカメラを持って町歩きしてきました。
あ、ブログに書くのが遅くなったのは、この「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」に併せて開催された展示を見てからにしたかったので。こちらも素敵な展示でしたよ。
「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」、通称「イケフェス」のスタートはミナミの“ひっかけ橋”こと戎橋から。グリコの看板の前に集結している観光客を避けながら東へ。宗右衛門町にある焼き肉の「食道園宗右衛門町本店ビル」も参加されていて、この日は朝の開店前から店内を特別公開していました。
イケフェスでは、現役で使われている建物の普段は見られない姿を見ることができるということもあって、人気の建物には行列もできた模様。事前申込とか5日だけの特別公開が多かったので、ほとんど参加できませんでしたが。
ミナミのエリアで一番興味深い建物は、役所の人的には横浜市、尼崎市、宝塚市の各庁舎の設計もされた村野藤吾さん設計の「浪花組本社ビル」。昔は夜になると、このエリアで唯一明かりがないのでホステスに「幽霊ビル」と揶揄されていたとか。左官体験といったワークショップ的なイベントも開催されていました。
「日本基督教団島之内教会」、「原田産業株式会社大阪本社ビル」と11月5日だけの公開だった素敵なビルを悔しく眺めながら歩きます。
見えてくるのは「大阪農林会館」。三菱商事大阪支店として建設されたというビルで、廊下にある金属扉はその頃名残だとか。この建物は私も何度か行っている好きな場所。「煎茶と靴下、そして薬草」でほうじ茶を買ったり、文具マニア向けの「フラナガン」とか、物欲も刺激されるテナントが今も営業中です。
この建物はやはり入ってすぐ見える柱時計と、高い天井につるされたシャンデリアからの優しい明かりのエレベーター前のスペースが大好きです。重厚な手すりの階段をゆっくりと上がっていくのもワクワクします。
その後は、そのまま北へと思ったのですが、ついでにと思って少し離れた「オーガニックビル」に。有名なミネラルウォーター「ヴィッテル」のデザインも手がけたイタリアの建築家、ガエタノ・ペッシェの設計とのこと。無機質なビルの中で、ここだけ“作品”ですね。 オレンジの壁面に配された植木鉢はコンピューター制御で水がやられるとか。館内のデザインも同氏が手がけているとのことなので、これはちょっと建物内も見たかったなぁ。
中央通りを過ぎると“レトロ”という言葉に似合うビルがたっぷり。その中でも私が好きなのは「船場ビルディング」。外観はあまりパッとしないのですが、エントランスを通って奥に進むと、そこはちょっと大阪じゃないみたい。なんというか、ロの字型に中央部が吹き抜けになっており、欧風の街角といった感じの雰囲気が素晴らしいです。建築系やデザイン系のオフィスとして使われているとのことですが、確かにこの雰囲気で仕事をしていたら、良いアイデアも浮かびそう。
この日は屋上部も公開されていたので、初めて足を踏み入れたのですが……イイっ! なんですか、このおしゃれなテラスはっ。あぁ、ここでお弁当広げてランチタイム楽しみたい。
蔦の美しい「青山ビル」、名ショコラティエ「TIKAL by Cacao en Masse」のある「芝川ビル」、「五感」のある「新井ビル」とレトロビル好きも美味しいもの好きも納得の建物巡り。
私のイケフェス最後の建物は中之島に建つ大阪中央公会堂と府立中之島図書館。
Facebook以外のアカウントのアイコンを中央公会堂にしている位、私はこの建物が好き。
冬になるとOSAKA光のルネサンスのメインになる建物として、毎年美しいイルミネーションで飾られますが、普段の姿も見ているだけでほっとします。
建物の正面がまっすぐに開けているので、建物に向かって一歩一歩歩くだけでワクワクするんですよね。外観の意匠も素敵ですが、特別室の天井画も良いので、機会があれば中も見て欲しい建物です。
その隣、府立中之島図書館は、色々と政治的な動きもあって、今は一部カフェとして使われていて大人気。
外観はルネッサンス様式、内部空間はバロック様式を基本にしている素敵な建物。中央ホールは撮影可なんですが、この雰囲気、大好きです。
76件も参加されていたイケフェスのほんの一部、外観だけ見てきた建物も多いのですが、個人的にはたっぷり楽しめました。大阪にこんなにも魅力的な建築物があるのを知るだけでも、町の歩き方が変わってしまいそう。
来年はもう少しガッツリと参加してみたいです。
イベント名 | 生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪2016 |
---|---|
開催期間 | 2016.11.5(土)~6(日) |
開催場所 | 府内76施設 |
サイト | 公式ホームページ / 公式Twitter |
イケフェスに平行して様々な関連イベントが開催されていたのですが、私が一番気になったのが大江ビルヂングで開催されている「みんなの建築ミニチュア展」。
建築物のミニチュア……お土産店で売っているような建築物のミニチュアを集めて1,000個を越える建築物を展示。細かいところまで良く出来たものから、ゆるゆるの造形のものまで。建築に携わる方がついつい集めてしまう気持ちはなんとなく分かるなぁ。ミニチュアを町中に配置して撮った写真とか、ダンボー写真を撮るウチから見ても魅力的。
いやぁ、楽しい。
イベント名 | みんなの建築ミニチュア展 |
---|---|
開催期間 | 2016.10/25日(火)~11.25日(金) ※日曜日はお休み |
開催場所 | 大江ビルヂング115号室 |
サイト | イベント紹介ページ |
コメントを書く