- 2018年3月19日
「たちじゅう」ってなんのこと? 代替品ではないおいしいお重@阿倍野「たちじゅう 園」
「土用丑の日」って年に4回あるって知ってましたか?一番良く知られているのは夏ですが、他の季節にも土用はあるんですよ。ちな……
花火が打ち上がる真夏の夜、いつものメンバーで北新地湯木さんを再訪。
夏にふさわしい涼やかな懐石を頂いてきました。
筏を模した盆に美しく盛られた八寸
それぞれの料理も素敵ですが、器などの選択も素晴らしい。
団扇を模した小皿に乗ったほおずきを開くと新銀杏の翡翠揚。真夏に銀杏? そんな風に思えないほどのぷっくりとした丸い銀杏。甘味を感じられるほどの満足の一品です。
目を真ん中に移すと、朝顔の器に鰻ざく。器だけじゃなくて、ちゃんと朝顔の蔓も表現されています。この辺りが日本料理の素敵なところ。
帆立と湯木明太子和え、たたみ鰯、蒸し鮑 土佐醤油ジュレ掛け、河内鴨ロース、玉子蒲鉾、山桃焼酎漬け、カツオ胡桃、隠元豆旨煮、そして湯木唐墨大根。一品一品の美味しさは勿論のこと、特にカラスミの濃厚な旨味が既にノックアウト気味。
これは「飲まねばっ」と言うことになったので、お店の方にお薦めを聞いたところ、夏向けに長野県の日本酒「和和和」をご紹介していただきました。
精米率59%のキレのあるお酒。ラベルに書かれた「和(わ)の心で和(やわ)らぎ、和(なご)んで欲しい」という言葉が益々良いですね。
すっきりとしているので、濃厚なカラスミとちびちびと楽しんでしまいます。
関西の夏と言えば鱧。この日は鱧すき鍋を用意いただきました。
湯木さん自慢の出汁に新玉葱と冬瓜、柚子と合わせて。やっぱり出汁を味わいたいですよねと言うと、湯木さんより「ぜひ摺り生姜を溶いてから」とご指定が。
いやいや、この出汁だけで十分でしょと思いつつもお薦め通り生姜を添えてみると……
うわぁ、なにこれ。出汁の美味しさがさらに強まって悶絶します。
鱧もぽてっとした厚みで、歯ごたえも最高。旬のものを楽しむ幸せ。
「お替わりありますよ~」
いや、贅沢すぎますよ。お替わりは春菊に播磨麺と合わせて麺仕立てに。かなり太い素麺ですが、滑らかで良い弾力のある麺です。
こちらも摺り生姜を少し含むとあっという間に食べ尽くしました。
お造りには葛の葉が飾られています。夏の日差しを遮る木陰のイメージですね。おしどりの夫婦の器が素敵です。
この日のお造りは赤雲丹、このわた、のどぐろ霜降りみぞれ和え、あおり烏賊、縞鯵。
このわたは湯木さんの自家製。いつも頂いていますが、季節によって少しずつ味わいが異なっていて、酒飲みには楽しみが多いと思います。
あおり烏賊には生海苔を添えて、ねっとりとした旨味を味わえます。
熊本県天草の赤雲丹は、雲丹のイメージが変わりそうな逸品。
雲丹にはあまり使わない「さっぱり」でねっとりという感じ。粒子が細やかで、鋭い味の雪塩をほんのちょっとつけると甘味が増します。
お造りに合わせて新しい日本酒を。「伯楽星」が有名な宮城の新澤醸造店が醸造する夏限定の日本酒「ひと夏の恋」。食中酒としてふさわしいほのかな甘さの日本酒。ラベルが余りにも可愛くて、話が弾みます。
ひと夏の恋……良いですねぇ……
旬の鮎の塩焼きですが、白蒸しで。白蒸しにすることで、鮎はほっこりとして苦みがほとんどない感じ。
骨せんべいも美味しいですね。
太刀魚旨味ソテー、海老、アスパラガス、とうもろこし、丸十揚げ。
ちり酢か山椒塩で頂きます。
海老はおかき揚げで、塩味が良い感じ。どれも美味しいのですが、特にアスパラガスが絶品です。
夏野菜を煮たものを蓮の葉に盛った夏らしい一皿。穏やかな味付けの夏野菜で、そのままでも美味しいのですが、胡麻クリームが添えられていてそれをたっぷりつけて頂きます。
茄子、かぼちゃ、小芋、 新蓮根、無花果、万願寺青唐辛子、赤パプリカと彩りが良いので、ついつい写真を撮ろうとすると気合いが入ります。
お肉は宮崎牛のサーロイン。湯木さんは石焼きが名物だったりするんですが、今日は炭火焼きで。脂が乗っているので室内はモクモクとしてしまいましたが、肉質が良くて辛子醤油で頂くと素晴らしいです。
お酒は滋賀県の「滋賀・びわ湖の夏」。これも夏限定の涼やかな瓶が素敵ですね。しっかりと冷やして飲みたいお酒。瑞々しい辛さのあるお酒で……飲み過ぎてかなり危ないです。
土瓶炊きのご飯はすっぽんスープで炊いて、さらにすっぽんスープの餡をかけています。刻んだすっぽんの身と炙ってあるフカヒレを添えている本当に豪華な一杯で……悶絶します、これ。
あられをたぷりとかけて、慈しむように頂きました。
最後は氷の器にたっぷりの果物、添えられたアングレーズソースをまぶして最後まで涼やかに頂きました。
そして、最後は食後酒に自家製の梅酒をクラッシュアイスでロックで堪能。あぁ、飲み過ぎた、食べ過ぎた。
いつもながら季節に合わせた素晴らしい構成の懐石に感動しました。大事な人と大事な時に使いたいお店で、両親の今年の結婚記念日に招こうと思っています。
料理の品数や価格は柔軟に相談できますので、ぜひ多くの方に使って頂きたいです。
本当にごちそうさまでした。
店名 | 北新地 湯木 本店 |
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ジャンル | 日本料理、懐石・割烹 |
住所 | 大阪市北区曽根崎新地1-7-12 ダーリンビル 1F |
電話番号 | 06-6348-2000 |
交通手段 | JR東西線・北新地駅より徒歩5分 |
営業時間 | 11:00~14:30(L.O.13:30) / 17:30~22:00(L.O.21:00) |
定休日 | 日曜日・祝日 |
サイト | ホームページ |
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