週末、金曜日の夜に観劇のために梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティへ。
ワタナベエンターテイメント(ナベプロ)所属の男性若手俳優集団「D-BOYS」の10周年記念公演「駆けぬける風のように」を観てきました。
……と、サクッと書いてはいますが、正直な所、今年一番、チケットの購入を躊躇った舞台。
なんたってNHKのごちそうさんで泉源太役(源ちゃん)をつとめた主演の和田正人さんをはじめ、テレビで活躍するイケメン俳優さんがずらり。
うーん、守備範囲外
と、思っていたのですが、出演者の加治将樹さんは昨年のキャラメルボックスの公演「ずっと二人であるいてきた」での演技がもの凄く良かったことを思い出し、「えーい、行っちゃれ!」とチケット購入しちゃったのでした。
慶応3年10月、徳川慶喜は朝廷に対して大政奉還を申し出た。 大政奉還を影で画策したのは、元土佐藩士・坂本龍馬だった。新選組隊士・立川迅助は、沖田総司とともに、龍馬の潜伏場所へ向かう。 が、龍馬の仲間に見つかり、斬り合いとなる。その最中、沖田が喀血。 沖田をかばった迅助は、敵に背中を斬られてしまう。屯所に帰った迅助に対し、土方歳三は切腹を命じる。 沖田が自分も切腹すると言うと、土方は十日以内に下手人を斬れば、罪を免じると言う。迅助は龍馬の元に向かい、下手人の居場所を教えてくれと頼む。が、龍馬は断る。 そして逆に、新選組を辞めて、自分の仲間になれと誘う。迅助の心は揺れる……。
「駆けぬける風のように」は、キャラメルボックスの人気作、立川迅助シリーズの新作。
徳川慶喜が大政奉還し、坂本龍馬が暗殺された慶応3年(1867年)の京都を舞台に、新撰組の沖田総司と架空の隊士・立川迅助の関係性を中心に描きます。
この立川迅助シリーズの1作目「風を継ぐ者」を観た渡辺多恵子さんが「風光る」を連載したように、時代劇の堅苦しさは全くなく、立川迅助、小金井兵庫といったこのシリーズに登場する架空の隊士と、歴史上の人物の「人間くささ」が前面にでた作品。
足が速いのが唯一の取り柄の立川迅助、その友人でちょっと斜に構えた小金井兵庫、新撰組の勘定方の三鷹銀太夫といった架空の隊士の個性は当然のこと、土方歳三や沖田総司、坂本龍馬もその時代を生きた若者ならばこんな考えて「駆けぬけて」いたんだろうなぁと思わせる魅力に溢れた描き方がされています。
主演・立川迅助を演じるのは和田正人さん。箱根駅伝を走り、実業団にも所属していた経歴を持つアスリート。
そういえば、ついこの間「逃走中」でも走っていましたね……舞台上での走りが本当に様になる、まさに立川迅助を演じるのはぴったりの俳優さん。
キャラメルボックスで過去に迅助を演じた3人の俳優さんと雰囲気は全く違うのですが、存在感のある素敵な立川迅助でした。
迅助の友人・小金井兵庫にはD-BOYS卒業生の加治将樹さん。日誌を常に懐に入れて記録しているという物語の語り手でありながら、ところどころに笑いを差し込む結構難しい役だとは思うんですが、もの凄い存在感。
この役もついついキャラメルボックスで過去に演じた方を思い出してしまうのですが、全く違和感がなくて驚いてしまいます。
いやぁ、あまりにも自分のツボにはまったので、これから先、加治さんが出るというだけでチケット買っちゃいそうです。
キャラメルボックスから客演の岡田達也さん、三浦剛さん、筒井俊作さん、鍛治本大樹さんは安定した演技で舞台を落ち着かせます。
特に岡田達也さんの龍馬はもう「舞台で観るならこの龍馬しかない」という感じ。
あと……筒井さんの演技は、相変わらず反則。D-BOYS目当ての観客を一気に大爆笑の渦に引き込んでしまっていました。
正直な所、普段見ているお芝居と違う客層で、最初の台詞を俳優さんが噛んでしまったり、ちょっとした仕草だけで笑いがでたりと、開演して10分くらいは全く集中できなかったのですが、物語が進むにつれて全く気にならずにラストシーン、終演後のアフタートークまで存分に楽しませて頂きました。
沖田総司を演じた陳内将さんの美男子っぷりや、中岡慎太郎を演じた山田悠介さんの抑制の効いた演技(アフタートークのグダグダぶりも素敵でしたが)も好印象。
いやぁ、食わず嫌いは良くないわな。楽しかったです。機会があれば、またD-BOYSの作品も観に行きたいな
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