「なぜ山/」
「ジョージ・マロリー!」
「正解」
のっけから何言うてるねん、という話ですが。
なぜ山に登るのかという質問に、「そこに山があるから」と答えたという登山家を答えるクイズのベタ問のように、良く聞かれるのが「どうしてこんな索引をつくったのか?」
その答えは一つしかありません。
必要なのに、誰も作らなかったから
生活保護に携わるケースワーカー、査察指導員に必須の索引。iPhone6並にボリュームもアップして2014年度版の登場です。
総索引 2014って何?
生活保護を担当するケースワーカー、査察指導員はいつも悩んでいます。
被保護者は実に様々な人がいます。
身体や精神の障害を抱える障害者、認知症を抱える高齢者、DVが原因で夫から逃げてきた母子世帯、様々な理由で住居を失ったホームレス……ケースワーカー自身が想像することも難しい状態に置かれた被保護者を助言、援助、指導する際に、まず真っ先に参照するのが「生活保護手帳」であり、「生活保護手帳 別冊問答集」ですが、この2冊、手帳と呼ぶには分厚すぎます。
ウチが最初にケースワーカーになったとき、指導してくれた先輩ケースワーカーは仕事のコツを「保護手帳を読み込め」と言いました。
が、記憶力がミジンコ並みのワタクシ。はっきりといって覚えられません。周りを見てみると、ベテランのケースワーカー頼りで、時として曖昧な常識や感覚で判断してしまう危険性もありました。
いや、ダメだろ、この仕事のやり方じゃ……。そんな思いを強くしていたときに、私が奉職する前年(平成4年)に先輩職員によって作成された索引を見つけ、「これだろ!?」と思い、一からコツコツとデータベース化し作成しました。(先輩職員が作った旧索引はワープロ専用機で作っていて、それはそれで凄いなと思います)
この「生活保護通知・通達総索引は」、「思いついた語句」から関連する通知・通達が生活保護手帳をはじめとする10の資料のどこに掲載されているかを一瞬で検索することが可能です。
例えば、
「家出した息子が東京の○○警察署で保護された。迎えに行くので交通費を出して欲しい。」
という相談があれば、「家出」「引き取り」「移送費」を、
帝王切開で産まれた子どもが未熟児なのでそのまま入院になった場合に医療扶助や出産扶助の関係で悩んだら、「帝王切開」「出産」「未熟児」「入院・入所」などの項目から検索することで、
あ、「生活と福祉」誌の1967年12月号の20頁の相談室に「家出人の引き取りの際の移送費」について書かれてる! とか、異常分娩については別冊問答集の246頁の問7-127に問答があるんだな、ということが瞬時に分かってしまうという大変便利な代物です。<(`^´)>エッヘン。
2014年度版の改善点
昨年、2013年度版の公開以降に頂いた意見などを踏まえて、次のような改善を行いました。
最新データへの対応
生活保護手帳及び生活保護手帳別冊問答集に掲載された通知・通達等を最新版の2014年度版に更新しました。
また、その他の収録資料についても平成26年9月12日現在に入手したデータに適宜更新しました。
これにより平成26年7月の法改正により新たに発出された問答や通達も検索できるようになりました。
新しい資料の追加
今年、大阪市のケースワーカー数名が横浜市へ視察に行かせて頂き、同市が作成した「生活保護問答集ー実施要領編ー」を資料提供いただきましたので、全問答を新たに索引に追加させて頂きました。
さらに探しやすく
昨年度版よりしおりを付けましたが、あ行、か行…と行ごとにメニューを階層化して、さらに探しやすくなりました。
さらに見やすく
見やすく実用性の高い索引となるよう全体的にフォントや改行幅を見直しました。
特に項目は、2013年度版で使用したフォントでは文字が潰れて見づらいというご意見を頂きましたので、可読性の高い「フォントな」さんのロゴタイプゴシックを使用させて頂きました。
収録資料について
この総索引では、次の10の資料に掲載されている通知・通達などを索引化しています。
- 生活保護手帳 2014年度版
- 生活保護手帳別冊問答集 2014年度版
- 生活保護関係法令通知集 平成24年度版
- 生活と福祉
- 大阪市生活保護関係通知集
- 大阪市生活保護疑義照会集
- 総合福祉システム(生活保護システム)疑義応答集
- 生活保護百問百答 平成24年3月版(兵庫県)
- 生活保護運用事例集2013 (東京都)
- 生活保護問答集ー実施要領編ー 平成26年度版(横浜市)
収録資料の提供について
索引化している資料のうち、市販されていない資料については、大阪市、東京都、兵庫県、横浜市がそれぞれ作成したものですので、索引の編者からは提供できかねます。
それぞれの資料の提供については当該機関にお問い合わせください。
市販されている資料のみで索引が作れないか? とのご意見も頂いていますが、しおりなどの作成作業が面倒なので……希望者が多ければ対応しようかな……という感じです。ご意見頂ければ幸いです。
総索引の入手方法
この索引は編者が通常業務外で、個人的に作成した資料で大阪市の公式な資料ではありません。
また、生活保護の現場で働くケースワーカー、査察指導員などの実務者向けに作成した資料なので、無用なトラブルを避けるため、基本的には実務に携わっている方のみに配布を限定させていただいています。
- facebookを利用されている方は、facebookの編者のページからメッセージを送ってください。
- facebookを利用されていない方は、編者のメールアドレス gar@utatane.asia (@は半角に戻してくださいね)に配布希望のメールをください。(可能な限り、所属の分かるメールアドレスから送信お願いします。)
- メール、メッセージともに、所属と職種(例:○○市役所生活保護担当CW)を明らかにしてください。
- 編者よりfacebookメッセージ、メールでデータの配布について返信させて頂きます。
- 2013年度版をご利用頂いている方には、別途こちらよりメールさせていただきますが、いつまで経っても届かないという方はご面倒をおかけして申し訳ありませんがご連絡ください。
ケースワーカー、査察指導員の皆様へ
部下のケースワーカーから、被保護者から質問されて、写真みたいに冷や汗書いていませんか。ウチは毎日のようにヒヤヒヤしながら仕事しています。
困っている人をサポートする仕事だからこそ、サポートする側も真剣に困っています。そんな困った現場で、少しでも助けになることができればと思って、この索引を日々更新しています。
今まで、1つの事例に対して法的根拠を掴むまで10分掛かっていたことが、この索引で1分になれば、残りの9分は困っている人へのサポートという本来の仕事に充てることができます。
絶対的な答えがある訳ではない仕事ですが、悩みを乗り越える一人一人のケースワーカー、査察指導員のそんな愚直な繰り返しが、きっと良い仕事に繋がってくるんだとウチは信じています。
総索引について、ご意見などがありましたらコメントやメッセージにお寄せください。索引に限らず、もっと何か役に立つような取り組みができればと思っています。
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