- 2014年11月16日
「印刷EXPO vol.4 宇宙のっとり大作戦」印刷の可能性ってなんだ?
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10月26日、Windows8の販売が開始されました。 ウチは体験版を使用していて、それほど買い換えの必要性を感じていなかったのでしばらくは待ちかなと考えていたのですが、Amazon.co.jpを見ていると5千円ちょいで購入できるのを見てついポチっちゃいました。
ちなみにダウンロード版ですと3,300円でした……うーん。とはいえ、数千円でOSを買えるなんて良い時代になりましたね……( – -)トオイメ
販売開始後のネット上での評価を見てみると、散々なものですが、実はウチの評価はちょっと違っています。
そんなわけで、使用してみてのファーストインプレッションと、職場の同僚や弟、親父から「買った方が良い?」と聞かれたらどう答えるかを書いてみたいと思います。
Windows8のパッケージ版はCDジャケットサイズで、デザインが5種類。
OSのパッケージといえばB5くらいのゴテっとしたもので、むやみに分厚い説明書が入っていたりしたものですが、今回はマイクロソフトらしからぬ デザイン性に富んだものになっています。
Windowsの名称に添って窓枠がきちんと切り抜かれていて、イラストの一部を覗くことができるようになっていたり。
プロダクトキーはパッケージを開けると内側にまるでホテルのドアキーのようにしまわれています。
これまでであれば分厚いマニュアルの表紙などにべたーっとシールで貼ってあったりとセンスの欠片も感じられないものでしたが、これを見るだけでマイクロソフトがちょっと本気で力を入れているんやなと感じることができました。
パッケージデザインの美しさといえばApple社のiPhoneやiPadなどが有名ですが、今回のWindows8のパッケージデザインはAppleの真似をするのではなく、それでいて良いデザインだなと感心しています。
さて、本題です。
今回購入したパッケージ版はアップグレード版です。旧バージョンであるWindows7からアップグレードしたのですが、WndowsXP,Vistaからのアップグレードも可能です。
アップグレード自体はCDを差し込んでしばらく放置。Wi-fiなどいくつかの選択をするとそれほど長い時間がかからずにインストールは完了。
が、ここでちょっと問題が……アップグレードなのにスタートメニューから、Windows7で使用していたアプリケーションが全て消えているっ!
当然、設定を引き継ぐでやったのですが……まぁ、新しいOSになったのを気に、アプリケーションも整理しましょうかね。
このスタートメニュー。Windows Modern UI design (旧 Metro UI)と名付けられた特徴的なメニュー。基本的には従来にもあったアプリケーションのランチャーソフトと同じような扱い。大きめのボタンをクリックするとアプリケーションが動作します。大きめの窓(ボタン)には、ライブタイルと呼ばれる機能もあり、メッセージなどが随時表示されます。
デスクトップのショートカットメニューを用意するのと同じで、よく使うアプリケーションを登録しておけば、ボタン一つで起動することができるのですが……正直な所、デスクトップPCで使用していると、このボタンの大きさに戸惑います。
またWindows8ネイティブのアプリケーションのタイルと、対応していない従来のアプリケーション(写真右側)のタイルがずらずらと並ぶのはどうにも美しくありません。
今までのWindowsで階層化されたメニューを整理していた方にはどうにも許せないデザインかもしれません。
Windows8ネイティブのアプリケーションは、スタートメニュー同様、UIのデザインに合わせて、全画面表示、タイルメニューと全体に渡って統一されています。
例えば、標準の地図アプリでしたら、起動すると全画面にゼンリン社のデータを使ったBingのマップが表示されます。
メニューなどは一切表示されず、右クリックするとようやく画面の下にいくつかのメニューが表示されるといった感じ。
そのメニューも「ピンの追加」「地図の種類」「現在地」「検索」とシンプルなもの。
従来のアプリケーションを使用している人からすると本当に物足りなく感じてしまうかと思います。
もちろん、下位互換性もかなり丁寧に作り込んでいるので、Windows7以前のOSで稼働していたアプリの大半はデスクトップを表示させ問題なく使用できます(少なくとも、私の使用しているアプリは全て問題なく稼働しています)。
例えば、EvernoteではWindows8ネイティブ版も従来のウィンドウ版もどちらも稼働します。
ウィンドウ版は「デスクトップ」上に、従来通りサイズ変更可能な形で表示できます。
左側にツリー表示のノートブック、ノートブックに含まれる一つ一つのノート、そしてプレビュー表示。
上部には操作に必要なメニュー表示と、Windowsのアプリケーションでは標準的な構成です。
一方、Windows8ネイティブ版のEvernoteはタイル表示。
ノートブックに含まれるノートを一部分(文章、画像)をプレビュー表示したタイルで並べています。
メニューは一切表示されず、地図アプリ同様、右クリックすると上下に簡易なメニューが表示されます。
どちらが使いやすい?? と、聞かれると、
間違いなく従来のウィンドウ版です。
もちろん”慣れ”もあるのですが、Windows8ネイティブアプリはどう考えても従来のデスクトップPCではなく、スマホ(WindowsPhone)やタブレット向けの設計がされています。
タッチパネルで操作しやすいことを全面に押し出した結果、デスクトップPCでキーボードとマウスで使うにはどうにもストレスが残る結果となってしまっています。
また、Windows8ネイティブアプリはWindowsストアで販売されていますが、従来のアプリをそのまま全画面で表示するだけのアプリや、デザインだけをWindows8に添うようにしたアプリが大半で、まだまだ革新的な操作感、機能を有したアプリケーションに出会えていません。
こうした現状が、WindowsXP,Vista,7からアップグレードした人からの不評に繋がっているのではないかと思います。
Windows8は起動も含めて体感上のレスポンスはWindows7以上と感じますが、全体的に見た場合、従来からWindowsが搭載されたPCを仕事や家庭で使われている方にアップグレードはお薦めできません。
が、一方で、ごく一部の人には絶対にWindows8にアップグレードすべきだとお薦めしたいと思います。
今回のWindows8、マイクロソフト社にとってはとんでもない挑戦だと私は思っています。
2012年9月のデスクトップPCのシェアはWindowsが91.7%(→参考記事)。
私の職場でもそうですが、Windows系のPCに触れないで仕事ができる職場はまだまだ少ないのが現状です。
その高いシェアのおかげで、WindowsはWindows3.1や95の時代からほぼ基本的なUIを変えずに乱暴に言ってしまえば、数年ごとのマイナーバージョンアップでもやっていくことができました。
むしろ、「変えないこと」で操作感の統一が図られたというメリットがありました。
ですが、Apple社のiPhone、iPadの成功が世界を変えました。
2012年9月のモバイルOSのシェアはiOSが63.48%、Androidが22.1%。そこにはWindowsPhoneの存在感はほとんどありません。(→参考記事)
PCよりも前にiPhoneやiPadに触れるという世代も増えてきており、存在感を増しています。
「iPhoneやiPadで出来たことができない、操作方法が違う。」ということがストレスとして感じられることが出てきています。
そんな中、Windows8は完全にUIを自身が高いシェアをもつデスクトップPCをベースに考えるのではなく、自身がほとんどシェアを持っていないモバイルデバイスをベースに考えて、しかも統一するという方向性を打ち出しました。
iOSで成功しているApple社ですらデスクトップPC向けにはMAC OSという別のOSで展開している中、UIを統一するということで、モバイルデバイスでWIndowsOSに触れ、そのままの使用感で圧倒的なシェアをもつデスクトップPCへ違和感なく移行できる。iPhone、iPad以降の世代を見越した戦略だと考えます。
未だ大きなシェアを持つデスクトップPCでの戦いの場で、他社の進出を防ぐためには今しか(OSを大幅にいじるタイミングは)ないというところなのでしょう。
そういう意味合いで、職場などでWIndowsPCを使いこなし、むしろ色々な方に操作方法を聞かれたりするようなウチのような方は、今後を見越して今のうちにWindows8の使用感に慣れておくべきだと思います。
現時点では評価の芳しくないWindows8ですが、現状は初代iPhoneが販売された頃のiOSのようなものだと思います。
Windows8のネイティブアプリも少なく、iTUnesストアのような販売経路もまだまだ整備が足りません。今、この時点でWindows8を「使えないOS」と判断するのはナンセンスだと考えます。
せめて、iPhone3GSや4が販売されるまでに待った時間が経過しないとWindows8の評価はできない
……ですが……マイクロソフトにその時間は残されているんでしょうか?
デスクトップPCがタブレットやスレートPCに置き換わるという未来もありえます。
1年後、2年後にマイクロソフトがまだ戦いの中心に残っていることができるか、勝負はまだついていません。
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