Pokemon GOスタート! 位置情報ゲームの可能性はまだまだ広がる
待ってました。もう誰もがご承知のとおり、昨日「Pokemon GO」が日本リリースされました。
昨年、Pokemon GOが出るっていうニュースが出た瞬間から、「これは絶対にはやる」と思っていましたが、予想を遙かに上回る人気沸騰ぶりに正直おののいています。
やっぱりポケモンは凄いな……あんだけウチがIngess凄いと言うててもほとんど反応なかったのに。
日本で唯一、Ingressを防犯施策に取り入れる防犯エージェント事業を提案したワタクシとしては、当然に行政施策として「Pokemon GO」をどう利用できるかを考えています。と、いうことで、配信初日、わずか30分ほどと、本日、休日出勤の行き帰りの30分ほどのプレイ時間ですが、「Pokemon GO」をどう行政施策に活用できるかをぬるっと書いてみます。
攻略とか裏技とか、歩きスマホや位置情報ゲームの注意、批判、Pokemon GOに便乗したステマなどは他に山ほど書いている人がいるので、そちらへどうぞ。
さらっとPokemonGOのご紹介
Pokemon GOは、google社の社内プロジェクトから独立したNiantic社が開発した位置情報ゲームです。2013年に世界的な大ヒットとなった位置情報ゲームIngress(イングレス)に、任天堂、(株)ポケモンからポケモンという良質のコンテンツを加え今回の超絶な大ヒットとなりました。
開発者のメッセージにあるように、「ポケットモンスター 赤・緑」をベースに、Ingressでも大事にしていた「みんなが外に出て、もっと歩き、新しい場所に向かい、友だちと楽しむゲーム」です。
外に出て、実際の町中、公園、山や海でポケモンを捕まえて、育てて、戦うというポケットモンスターというゲームの面白さのエッセンスはきちんと捉えたゲームになっています。
ポケモン自体が、ある意味「ゲームを外に持ち出して、友だちと遊ぶ」ということを実現した最初に近いゲームでしたので、Ingressとのコラボというのは、親和性が高いと思います。
Pokemon GOの行政活用の可能性
さて、ここからが本題。
Pokemon GOの前にNiantic社がリリースしたIngressは、行政施策にスマホゲームを活用するという新たな素材を提供しました。
岩手県や神奈川県横須賀市のように、ゲーム内のポータルを観光資源として活用し、ゲーム内のミッションで、実際にその地に訪れて貰うという地域活性化の手法として取り組まれたところが多いようです。
ゲーム内のミッションを達成したAG(エージェント=プレイヤー)に、ゲーム内のバッジ以外にレア感のある商品をプレゼントするという仕組みも良く使われました。最近では行政ではありませんが、日本赤十字社が献血に来られたAGにオリジナルカードをプレゼントする取り組みもしていましたね。
ウチの区ではIngressを題材に、AGに子どもの防犯ボランティアになって頂くという取り組みをさせていただいたんですが、大阪市の中の一つの区の小さな公園を対象にした事業とは思えないくらいAGに協力いただけました。
Ingress以上に一般の人々に認知されたPokemon GOですが、Ingress同様の取り組みで観光などの地方活性化に活躍できるかというと……ちょっとそう事は単純に行かなさそうです。
IngressとPokemon GOの違いと活用の方向性
Pokemon GOのリリース前に4月頃からテスターがβ版をプレーしてたのですが、あまり評判が良くなかったと言います。Ingressのポータルが、ほぼそのままPokemon GOの「ポケストップ」「ジム」に転用されていることもあって、どうしてもIngressのAGはIngressのゲーム性を引きずって考えてしまいますが、IngressとPokemon GOは全く別物の位置情報ゲームと考えるべきです。
つまり、Ingressを行政施策に活用してきた自治体が、Pokemon GOの方が人気だし新しいからといって、IngressをPokemon GOに置き換えて同じことをすれば絶対に失敗します。
例えば、Ingressはポータルがある意味ゲーム上で最も大事なスポットですが、Pokemon GOではポケストップ、ジムというスポットよりも現れるポケモンの方が重要です。つまり、「ポータル(=ポケストップ、ジム)に行く」という動機だけでは、Pokemon GOでは人を動かすことができないということになります。
一方で、こんなツイートも
@Nintendo お願いいたします。投票率上げるため、投票所にレア系ポケモンを配置してください。日本の未来をポケモンGOか創る。カッコいい!皆さんも、リツイート!
— Isseki Nagae (@Isseki3) 2016年7月18日
うん、これは巧い。でも、これが使えるのはほとんどのポケモントレーナーがやり始めた今こそ使えるやり方なので、東京都の選管は今すぐにNiantic社に連絡をとって全ての投票所で投票時間限定で「おこう」(30分間、野生のポケモンを呼び寄せるアイテム)の効果を付与してもらえるように交渉した方がいい。
正直、駅前で選挙啓発のビラやらティッシュペーパーを配ったり、職員に着ぐるみ着させて町を歩かせるくらいなら、その予算を全部つぎ込んでも良いと思う。
……これはまぁ使えてここ3~6か月以内の選挙だなぁという実感
リリース前は子育て施策や健康施策でPokemon GOやと思っていたんですが、これはまだまだ頭をひねって色々と考える必要がありそう。
でもね、こういう想像上の世界とリアルな世界が繋がって、それをお堅い役所のお堅い施策にちょっと取り入れるだけで、ちょっとでもその町が「いい方向」に進んでいく可能性を秘めていると思うだけでちょっとワクワクしてきませんか?
もうちょっと、ウチもトレーナーとして楽しんで、何か仕事に活かせないか考えてみることにします。
そうそう、ウチの区役所、Ingressでもポータルになっていたんですが、Pokemon GOではポケストップではなくて、マクドナルドなんかと同じ「ジム」になっていました。
これは、嬉しいなぁ。他の自治体の庁舎はどうやろう? と思っていたらポケストップの所もあるんで。
リリース当日。昼休みにアプリをDLして、終業後にさて「やろうか」と思ったら既に区役所のジムは占拠されていました……くそぅ、いつか取り返してやる……
区役所にお越しの際は、熱中症に注意して、1階の「涼ん処」で一息ついてからまたしっかりと歩いてくださいませ。あ、庁舎内では常識の範囲でPokemon GOを楽しんでくださいね。
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