- 2014年9月1日
【速報】生活保護関係通知・通達総索引2014制作に入ります!
本日、ようやく生活保護手帳、生活保護手帳別冊問答集の2014年度版が配付され、ようやくウチの事務所にも届きました。 と、……

始まりは8年前、いや、10年前に「SIM熊本2030」を知った時から始まっていたのかもしれません。
架空の自治体「おおさか市」の幹部職員になって、万博を終えたあとの予算を作っていく自治体運営シミュレーションゲーム「SIMULATIONおおさか2025+」を、自治体財政のプロである元福岡市職員・今村寛さんの「出張財政出前講座」とのコラボで開催しました。
参加者は62名。
大阪市の職員だけでなく、遠くは東京や四国からも参加していただいて、多くの方に「脳に汗をかく」体験……いや、会場もちょっと暑かったのですが……をしていただけました。
ぜひ、これからも「SIMULATIONおおさか2025+」を様々な人に体験して欲しいということもあって、今回はあっという間の5時間を過ごした当日の模様をお届けします。

前半戦は今村寛さんの「出張」財政出前講座。
10年以上前に今村さんが財政課長として福岡市の職員だけでなく、全国の職員・市民に向けて100回以上も行った出張型の財政出前講座が元になっています。
予算ってどうやったら取れるんですか?
なんで財政担当って、予算案にケチをつけるんですか?
一件査定と枠配分の違いって?
(自治体の)財政が厳しいって本当ですか?
「財政健全化」って結局どうなったら健全なんですか?
財政のこと、予算のこと、聞きたいことを挙げていくと、今村さんは当意即妙なやり取りで、どこの自治体でも通じる「自治体財政の厳しさ」の本質に迫っていきます。

財政担当の職員以外の現場で働く自治体職員も実は結構大事なことを見過ごしています。
社会課題を解決するための新規投資(攻めの投資)は、既存の維持コスト(守りの支出)を削減する意思決定と不可分。
そんな無理難題を理解して、抱え込んだところで前半戦は終了。ゲームパートに移ります。

ここからは私が進行役になって「SIMULATIONおおさか2025+」を実際にプレイしていただきました。
6つの局長・1つの区長、人事ガチャの気分でキャラクターカードを引いて、それぞれのハンドアウト(設定資料)、各局区が所管する事業カード、そして人材コマが配布されます。

ふくおか版では、シナリオの読み上げがあってゲームがスタートするのですが、おおさか版ではハンドアウトに局長の役割や目標、それぞれの局区が所管している事業カードの内容などをまとめてあります。
これはマダミス(マーダーミステリー)のハンドアウトを模したもの。
各局区長のロールプレイをするといっても、参加者の年齢や経験の有無で大きな差が出てしまうのはもったいないと思ったので、設定資料でそこを埋めてもらおうという試みです。

ゲームが始まると、それぞれの社会情勢に合わせて各局区が考える新規事業に予算を付けるのか、実施すると決めたときにそのコスト(お金、人)をどの事業を廃止することで捻出するのか……テーブルごとに違った議論が進められます。
事業の数を大幅に増やしていたり、人材コストも議論の範囲に含めて実際に人の形のコマを動かしてみたり……ふくおか版とは異なるゲーム体験に今村さんも楽しそうにゲームの進行を眺めています。

2026~2030、2031~2035、そして2039年……3つのターンでそれぞれに議論を進めた各テーブルにできあがった未来の「おおさか市」。その姿は、皆が目指した絵姿だったでしょうか?

ゲームを終えた後の後半戦は、まず「SIMULATIONおおさか2025+」を作ったメンバーの2人から、おおさか版に込めた思いを語り、それぞれのプレイを振り返ってもらいながら今村さんに繋ぎます。
今村さんからはおおさか版のゲーム体験を踏まえながら、前半戦で語った疑問や課題を一つずつ丁寧に解き明かしていきます。
ゲームを通じて感じた事を今村さんが言語化して、それが「厳しい」自治体財政のなか、未来のまちの姿にどう繋げていくのかを一人一人の心に刻んでいきます。
一人の千歩より、千人の一歩
ゲームを体験した一人一人が、自身の自治体に持ち帰って実践していきましょうということで締めくくりました。

今村さんとのコラボは大成功。他では体験できないイベントになったんじゃないかと思います。
普段とは違う「出張財政出前講座 with SIMULATION○○」でしたが、懇親会では「楽しかった」との言葉をたくさん頂きました。
今村さん曰く、「ふくおか版よりも簡単」とのことでしたが、それはゲームデザインに携わった私もかなり意識していたところです。
私はゲーミフィケーション型研修は、何よりも面白くなければ意味がないと思っています。
理想を言えば、ゲームをプレイしているときは研修だとか勉強会だということを忘れてゲームそのものに没頭してもらえるのがベターです。
現実に近すぎる体験ではなく、現実の枠からきちんとはみ出さすようなゲーム体験と、体験を現実に融合させる振り返りを……そんなことを考えて「おおさか版」を作りました。

画像生成AIを活用してキャラクターカードや事業カードのビジュアル面を強化してみたり、
マーダーミステリー風のハンドアウトで個人目標を入れてみたり、
各局区ごとに新規事業を用意して、議論の幅を大幅に広げてみたり、
ふくおか版にはない「人」の要素をコマで表現したり、
色んな議論が浮かんで、試せるのが「おおさか版」になっています。
今村さんの「出張財政出前講座」は真似できませんが、その思いはしっかりと引き継いで「おおさか版」はいつでも希望があれば実施できるように用意しています。関西圏に限らず、ぜひお呼びください。
またどこかで「SIMULATIONおおさか2025+」をプレイしていただければいいなあ……

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