生成AI体験会補講「知識ゼロからパワポ資料作成」

生成AI体験会補講「知識ゼロからパワポ資料作成」

先日、HOLGで「生成AIであそぼ 初心者のための仕事で活きる生成AI体験会」という主に地方公務員向けのセミナーに登壇させていただきました。

生成AIは知っているし、職場でも使えるような環境は少しずつ広がってはいるものの、まだあまり使いこなせていないという方に向けた講座です。
私の使い方を紹介するという内容だったのですが、ちょっと事例を詰め込みすぎて駆け足の説明になってしまったので、体験会で紹介した事例をもう少し丁寧にブログでいくつかの記事に分けてご紹介したいと思います。

中には「ウチの職場の環境では同じ事ができない」というものもあるかと思います。実際、私の勤める大阪市では、専用のAIチャットbotはあるものの、今回紹介する内容はそのまま職場で使うことができません。

それでも、今後、職場でもどんどんと生成AIの活用の幅が広がる中で業務外で試してみるだけでも生成AIへの理解が深まるかと思います。

今回は、「知識ゼロからパワポ資料作成」ということで、生成AIを活用したパワポ資料の作り方を説明します。
パワポとは言っていますが、パワーポイントの資料作成だけではなくあらゆる業務での資料作成に転用可能な方法になっています。

具体的な作業工程は2つ

  1. Deep Researchで必要な情報を集めてレポートを作成させる
  2. レポートを元にパワポ資料を作成する

例えば、職場で新人向けの研修講師を頼まれたとき、国の通知など長文で分かりにくい情報を部下や同僚に説明するとき、上役に簡単な説明資料を作成するときなどに使用することができます。

Deep Researchで必要なデータを収集する

体験会で紹介したのは、比較的若手の職員が新人職員向けの研修講師を依頼されたときのパワポ資料作成事例です。

まずは資料集め。これまでは、こういった研修資料を作成するとなると講師役にある程度の技量が必要でしたが、今では極端なことを言えば知識ゼロでも資料作成に取り組むことができます。

今回は、Geminiを使用して講義資料の作成に必要な知識などをDeep Researchで集めてもらうことにしました。他のAIサービスでもDeep Researchできますので、必ずしもGeminiでないとダメと言うわけではありません。
Geminiでは、使用できるモデルが2.5Proと2.5Flashがありますが、今回は2.5Proを使用、プロンプトは次のとおりで試しています。「Deep Research」を選択するのを忘れないようにしてください。

【入力したプロンプト】
生活保護ケースワーカーの初任者への研修にあたって講義資料を作成するため、ケースワーカー業務の詳細、業務に必要なスキルとその習得方法、参考となる資料、図書をまとめてください

この例では幅広く情報を集めるためにプロンプトに入れていませんが、内容によっては「公的資料に基づいて」などと含めると、信頼できる情報ソースからリサーチすることができます。

しばらく待っていると、詳細なリポートが右側に表示されます。
リポートの参照元となるURLも表示されているので、そのリンクをたどることで、理解を深めることもできます。

おっと、参照元に私の著書や紹介まであるじゃないですか。ありがとうございます。まだお読みでない方はぜひご購入ください(笑)

Manusを使ってパワポ資料を作成する

さて、できあがったリポートを元に、さらにGeminiにWebページやインフォグラフィックスとして作り上げることも可能なんですが、今回は別のAIサービスを利用します。

使用するサービスはManusというAIエージェントサービスです。
有料のサービスではあるんですが、1日あたり300クレジットの無料枠があり、それだけでも今回紹介するパワポ資料作成が可能です。

ちなみに下記の招待リンクで登録頂けると、紹介ボーナスとして私と登録者が500ポイントの追加クレジットを受け取ることが可能です。

さて、先ほどGeminiで作成したリポートはGoogleドキュメントとしてエクスポートするか、リポートをコピペすることができます。
今回は、Googleドキュメントにエクスポートした後、PDFで自身のPCにダウンロードしましたが、コピペでも同様の結果を得られると思います。

Manusの入力欄に次のようなプロンプトを入れて、リポートのPDFを添付します。入力欄の下にある「スライド」をクリックし、右下の「スピード」を「品質」に変えてクオリティアップを試みます。

【入力したプロンプト】
添付のリサーチ結果をもとに、新人ケースワーカーを受講対象にした90分の講義スライドを作成してください。
対象者が新人なので、専門的な用語は知識が乏しくても理解できるよう簡易な表現に留めるようにしてください。スライドは配布資料として使用しますが、読み物ではなく、要点を捉えたものとして講師が解説し、語ることで研修として成立するものとします。

ここでのポイントは、受講対象が新人であることと、スライドの文字量を抑えるために「読み物ではなく、要点を捉えたもの」であることを明示することです。

実はこのプロンプトでは指示が足りず資料の修正を依頼することになるのですが、次のようなプロンプトも含めると、より良い資料が作成できます。

【追加するプロンプト】
(案1)スライドに使用するイメージは著作権フリーのものを使用するか、内容に則した画像を生成してください
(案2)スライドに写真やイラストをイメージとして挿入できるようイメージ枠を単色のグレーで配置してください

また、今回は90分の講義スライドと指定していますが、例えば○○ページで作成してほしいとか、全体の色調などを統一したりといったデザイン面での指定を入れるのも効果的です。

できあがったスライドは「編集」をクリックすることで文字の修正が可能です。

パワーポイントのデータとして出力したり、googleスライドに変換することができるので、イラストを差し替えたり細かなデザインを整えるのであればそちらでやるのが良いでしょう。パワーポイントが使えない環境でも、Canvaなどのサービスでデータを読み込ませて使用するという方法もあります。

パワポデータを作成後、Canvaなどのサービスでも画像の差し替えやレイアウト変更ができます

さて、いかがでしょうか?

イラストをManusで生成させないでスライド作成を指示した場合、170クレジット程度で10ページのスライドを作成させることができました。その後、画像生成を指示したところトータルで602クレジットが必要でした。
画像生成を行わなければ無料の範囲でここまでのデータが、自分の手をほとんど使用することなくできあがるのは脅威だなぁと思います。

今回は講義資料として作成するという内容ですが、例えば自身の担当する仕事についてリサーチして、理解しやすい資料を作成するという用途でも使えるんじゃないでしょうか。

ぜひ一度お試しくださいませ。

私がこの記事を書いたよ!

があ

があ 男性

大阪生まれ・育ち・勤めの雑食系公務員。 福祉職だと勘違いしている人が大多数ですが下っ端事務職。濃い顔付きから沖縄人やらトルコ人やら間違える人大多数。違う、違うんだよ~

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