- 2016年11月3日
新世界らしさ満開のリノベーション串カツ店@新世界「王将倶楽部」
「大阪の人って、そんなに串カツ食べないんですか?」以前、東京からきた同業者さんから、そう聞かれたのですが、はい、そこまで……
研修などで登壇するときの自己紹介で、最近はこんなスライドを一枚挟んでいます。
一方的に話を聞くだけでなく、質問したり、研修後に話しかけやすくするためのもので、色々とツッコミどころはあるかと思うのですが……今回はその中でも「儒烏風亭らでん」さんのお話。
元々、娘経由でVTuberに興味を持った古のライトおたくな私ですが、儒烏風亭らでんさんは娘を経由せず知って、ゆるゆると推しております。
学芸員の資格を持ち美術界隈に詳しく、お酒好きというななんともまぁ他のライバーにない特徴がある方です。特に美術関連の知識に加えて、言葉のチョイスが素敵で「本当にこれ好きなんだなぁ」と分かる配信をしているのでいいよなぁと思ってしまいます。
普段は箱根の森美術館や関東の美術館を紹介していることが多いのですが、ここしばらく大阪、関西の展示紹介が続いたので、年度切り替えの残有休を使って巡ってみたら楽しすぎました。
ということで、体験記を兼ねてミュージアム+らでんさんのご紹介。
最初は兵庫県西宮市にある(公財)白鹿記念酒造博物館が運営する「酒ミュージアム」。
ワタクシ、そこまでお酒に強くないので(好きは好きなんですが)、この配信がなかったらここに行くことはなかったなぁという……
「酒ミュージアム」は記念館と酒蔵館の2館構成です。
記念館では日本酒に関する展示だけではなく、山桜・里桜のミュージアムも兼ねています。らでんさんは「花見」と言っていますが、確かにお酒と桜は相性が良すぎますね。
とくに記念館での展示では、大阪の春の風物詩、造幣局・桜の通り抜けを支えた伝説の桜守・笹部新太郎のコレクションなども見ることができて、なかなかに興味深いものでした。
桜を読んだ短歌やそれを飾る桜が描かれた短冊や扇子なども美しかったですね。
あ、らでんさんが読んだ短歌も特別展示していましたが……字が綺麗すぎて惚れました。
酒蔵館は、昔からの日本酒造りの過程を実際に使用されていた酒樽の様な酒造道具に加えて、酒造りの過程を学ぶことのできる構成です。
関西の人間にとっては注目して欲しいのは、阪神・淡路大震災で旧の酒蔵館が倒壊したときの資料も展示されていること。シンプルだけど、ここ来て良かったです。
ミュージアム見学のあとは、併設されているレストラン「白鹿クラシックス」へ。白鹿のお酒に加えて、おつまみなども販売しています。
季節限定やショップ限定のお酒があって、らでんさんが紹介した数量限定の「花ひらく」と、夏限定の「夏酒」を試飲(有料)させていただいて、ついつい「夏酒」を購入。
「花ひらく」は白鹿独自のもち米も仕込んだ日本酒。広がる甘みで「うまいなぁ」と声が上がってしまう飲み口の良い日本酒。おつまみに出していただいた奈良漬けとまた良く合うので、甘いお酒が好きならば本当におすすめ。
一方で私が購入した「夏酒」は、ミントのような清涼感のある日本酒。キンと冷やした「夏酒」は、飲んだ後に口の中に涼しさが残ります。「すっきり」を超えた「すっきり」な日本酒で、本当に夏に飲みたいお酒です。絶対に合うぞと思ったので、ついつい「ぽんしゅグリア」も買っちゃいました。
続いては、明日で展示終了となる大阪中之島美術館の「上村松園展」。
大阪中之島美術館は本当に大好きな美術館で、「上村松園展」も展示初期には行っていたのですが、らでんさんの紹介を見てもう一度行きたくなって再訪問しました。
明日が最終日で、ものすごく混んでた……
近代日本画、しかも女性が描く美人画ということで、目に麗しい展示なんですが、これも配信で紹介されるらでんさんの視点が本当にいいんですよねぇ。
上村松園さんの描く女性は美人なんですが、ものすごく生活感が写るものが多く、当時の様子が伺えるのが特徴的です。
もちろん女性の顔も美しいのですが、私が特にいいなぁと思ったのは「描かれた手の表情の美しさ」。滑らかで、触れたくなるほどの群を抜く表現力で、つい見入ってしまいます。
下絵やデッサンなども展示されているので、描く際の試行錯誤も見えたりするのもいいんですよねぇ。
着物の柄の多彩さ、丁寧さに加えて、見切れている女性や構図の妙もおもしろく、簾を通して覗く透明感の美しさなど見どころの多い展示でした。
大阪中之島美術館は個人的には本当におすすめの美術館で、ちょうど同時期に「大カプコン展」を開催しているなど、美術鑑賞初心者にも行ってみてほしい場所です。
最後は3月にリニューアルされたばかりの大阪市立美術館、天王寺区の広報担当だったときには本当にお世話になりました。
区の広報紙で特集したときに表紙写真に使われたシャンデリアはなくなりましたが、天王寺動物園、通天閣を望むステンドグラスがよい感じ。
めっちゃ混んでるだろうなぁと思ったら、本当に混んでいるんですが、いやぁ行ってよかった。
らでんさんが配信の最初に紹介しているように、国宝は年間の展示日数が決められていて、一つの美術館にまとめて展示するというのは難しく、東京以外で国宝展をすることはほとんどありません。
大阪・関西万博の開催、美術館のリニューアルに合わせてこの機会に行けるの本当に貴重ですね。
絵画、書、彫刻など本当に古代から近代まで圧倒される展示なんですが、何よりいいなぁと思ったのが、彫刻や陶器など立体物の多くが前後左右360度で観覧できること。
配信でも紹介されている持国天立像の背中を見たり、見る方向を変えることで見えてくるものがあったりで、ここまでの量の国宝をじっくりと楽しめる展示はなかなかないですよ。
刀剣乱舞に登場する七星剣の本物を見て、ミュージアムショップでコラボグッズを購入している人も見かけましたし、大阪出身のイラストレーター中村佑介さんとのコラボグッズもあります。普段は買わないように我慢している(部屋がちらかりたくっているので)私も、ちょっとだけ財布の紐を緩ませるくらいで楽しすぎました。
美術館だけでなく、天王寺動物園や新世界方面に繰り出しても、てんしばからあべのハルカス(美術に興味がある人はハルカス美術館もあり)と、エリアで楽しめる空間ですので皆さまもぜひ。
と、らでんさんが配信で紹介した関西の3展でした。
いやぁ、良い休日だった。もう、全国の美術館・博物館はどんどんのらでんさんとコラボしてほしいですねぇ……
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